プリムローズOB・現役の方々、4期の新城(しんじょう)と申します。
活動の場が福島県なので、卒業後ほとんど大学(特にプリムローズに)顔を出す機会も無く過ごして失礼しております。今回、あるフォーラムの表彰式で7期の池田さんと偶然出会いました。その結果「鬼より恐い田村先輩」から「何か書け」という厳命が下りまして、この様な文章をお目にかけることになりました。
皆様のお手隙の時間に読んで頂いて、何かの糧になれば甚幸に存じます。
今回池田さんと出会いましたのは経済産業省系の「創業・ベンチャー国民フォーラム」という団体が毎年行なっている「Japan Venture Awards」という表彰制度の表彰式でした。この度、そこの「起業支援家部門」で奨励賞を頂きました。
現在、私は、自分で会社を幾つか経営する傍ら、起業家(新しく自らがビジネスを始めようとしている人達)の御支援をさせて頂いております。今回の賞はその仕事に対して頂いたものであります。
私は今もそうですが、学生時代から特に目立った人間でもなく、プリムローズの中では大した戦力でもない人間でした。目覚しい活躍も何一つしておりませんが、アメリカンフットボールを大学時代にやらせて頂いたことが自分の今の仕事に猛烈に役に立っているという話だけ書かせて頂きます。
当時のプリムローズはプライベートリーグで最下位を千葉大と争うというチームでした。何人かの優れたアスリートはいるものの、全体としてみればさほどの戦力では無い。そんな当時のQB、種田氏が考えた基本戦術はオプションでした。
当時は日大の全盛期で国内敵なし状態。華麗なショットガンプレーをテレビで見ていた私にとって、どうして種田氏がオプションを戦術の基本に位置づけたのかが当時はわかりませんでした。
私にとってそれが理解できたのは自分が会社を起してからです。起したばかりの会社は「金も無い」「人はいない」「技術もない」・・・ないものばかりです。何を軸にして仕事をしようか・・・。その時に至ったのが種田氏のオプションです。「ギリギリまで決断ポイントを後に延ばして、相手がもう対応できなくなってから相手の逆側に手を打ってスピードで振り切る」という手法です。
考えてみれば、金があって、営業力が素晴らしいチームであれば正攻法のランプレーで良いわけです。世界一の技術があるようなチームであればパスを主体にしたロングゲインも狙えるでしょう。ところが何も無いチームは優秀な数名のアスリートが、ギリギリまで手を広く持って、最後はスピードで個人技の勝負をかけるしか手は無いということに気づきました。
それ以来、私の中で「オプション(選択権)を保持する」ということがビジネスの基本戦略になっています。
また、それはあまり能力も金もネットワークも無い貧弱な起業家に取って、取り得る唯一の戦術なのかもしれません。
そんなこんなで、大学時代のフットボールの経験を下敷きに、何とか幾つかの自分の会社を経営できており、また同様の指導を38社のインキュベート施設入居者(社)に行なっております。
私に興味を持たれた方はグーグルで「新城榮一」で検索してみてください。幾つかの仕事が出てきます。また私のビジネス手法に興味を持たれた方は福島県庁のサイトから「駄本」が無償ダウンロードできますので、読んで頂ければと存じます。
では、プリムローズの限りない躍進を祈りまして。
株式会社ニセンエックス 代表取締役 ceo@e200x.com
特定非営利活動法人 福島県ベンチャー・SOHO・テレワーカー共働機構 専務理事
新城榮一