ゲーム解説1Qリーグ戦も終盤にさしかかり、チームは現在3連敗。 この試合を落とせば『4部リーグとの入替戦』という考えたくもない現実を 真剣に考え始めなければならない。 そんな中、チームのコンディションは最悪に近かった。 主力メンバーにもケガが目立ち、満足な動きが出来ない者もチラホラ・・。 果たしてこの試合はどうなるのか、 試合前から不安が絶えない状況ではあった。 これに対し相手の高千穂大は非常に層が厚く、 力強い選手が揃っている。 しかし、それだけで試合に勝てるほどフットボールは甘くないということは、 昔人からも伝えられたフットボールのセオリーであり、 筆者もそんな言葉の信者である以上、 現役たちが奮起してくれることに期待していた。 そんな期待も空しく、1Qから高千穂大の猛攻が始まってしまった。 1stシリーズではQB佐々木(3年生)の投じたパスを高千穂大ディフェンダーが いきなりのインターセプト、そのボールをPRIMROSE(プリムローズ)陣 5ヤードまでリターンされ、高千穂大にあっさり攻撃権を獲得されてしまう。 そして落ち着く暇もなくオプションピッチから左オープンをサラリと捲くられ、 PRIMROSEはわずか3プレーで先制TDを許してしまう。いやな展開だ・・。 その後もPRIMROSEは落ち着きを取り戻すことが出来ない。 反則やミスが耐えず、 1Q終盤にはファンブルリカバーから相手ディフェンダーに 45ヤードのリターンTDを許すなど、 目を覆わんばかりの展開でPRIMROSEの選手達は崩壊していった(0対21)。 2Q勝負の鉄則。PRIMROSE側から見れば、とても辛い展開ではあったが、 相手は攻撃の手を緩めずにたたみかけてきた。 序盤、高千穂大は得意のオプションのフェイク・パスから49ヤードをゲインして PRIMROSE陣1ヤードまで攻め込むと、 最後はパワーフェイクからのTEへのパスでTDを奪う。 終盤にもダイブ、オプションを軸にPRIMROSE陣内まで攻め込むと、 とどめはスウィープで27ヤードのTDラン。 まさに『ボコボコ』の状態で前半が終了した(0対35)。 3Q序盤、QBのスクランブルから5ヤードのTDラン。 そして終盤にもパントリターンから80ヤードのTDラン。 失点は次々と積み重ねられていく。 この波状攻撃に対して打つ手は無いのか? 何人のOBがグランドで試合を見ていたか知らないが、 こう思った者も少なくはないだろう。 しかし、筆者が見ている限り、これは完全なる力負けである。 例えディフェンスのアサイメントが比較的成立しているときでも、 セカンドエフォートで出されてしまうのである。 フィジカルの差がそのまま得点差となって表れ、 そしてその大量失点が選手達のメンタル面をも殺ぎ落としていくという、 まさに成す術なしの展開なのだ。 4Q一矢報いたのは最終クォーター終盤。 相手にもう1TDを追加され、スコアは0対56を数えていた。 そんな中で1年生WRの気仙(#1)が立続けに3回のパスをキャッチ。 その内の一つが唯一の得点となった11ヤードのTDパスキャッチとなった。 焼け石に水と言った感じは否めなかったが、 次につながる唯一のポイントであったと言えるかもしれない(6対56)。 総括今回のディフェンス陣の崩壊ぶりには、 はっきり言ってがっかりさせられた。 そしてオフェンスの度重なる反則(フォルススタート:5回、ディレーオブザゲーム:7回) も、試合に勝利する事に対する執着心の低さを露呈したと言えるだろう。 春からの練習は一体何のためだったのか? 勝つためではなかったのか? 選手達は次の試合までにもう一度『フットボール』と真剣に向き合った方が良いだろう。 自分にとってフットボールって何なのか、もう一度真剣に考えた方が良いだろう。 そして勝つためにフットボールをしていないヤツは、 グランドから去るべきだと思う。 『364日苦しんで、勝利の喜びはたった1日だけである。 でも俺はフットボールを続けることを選択する。』 (文:17期 丹野) BACK |