ゲーム解説新チームになって初めての対外試合。 相手は1部リーグの帝京大学(アサシンズ)。 当然の事ながら試合前のPRIMROSE(プリムローズ)の選手たちの表情は硬かった。 それは目の前の大きすぎる相手に呆然として我を失っているといった感じであろうか・・・。 大きな不安と小さな期待の中、試合開始のホイッスルと同時に目の前の暗殺者達は黙々と仕事を こなしていった。スコアは0−79。見ての通りの大敗。 しかし、この経験を生かすも殺すも自分達次第だということを決して忘れないで欲しい。 そして秋には心身ともに一回り大きくなったお前達を見せてくれ。 帝京大のオフェンスはショットガン。 スプレッド、トリップス、トレイと豊富なWR陣の体型は毎プレーの様に変化する。 それに対しPRIMROSE守備陣は万全とまでは言えないまでも最低限の準備はしていった。 いや、そのつもりだった。しかし、フタを開けてみればアンカバーあり、アサイメントミスありと、 まさに序盤から『プレー以前の問題』がグランド内では多発していた。 そんなミスを帝京大は面白いようについてくる。 10ヤード、20ヤード、50ヤードとゲインを重ねて僅か5プレーで先制点を許してしまう。 自分達からミスを犯し失点を急いでいると言うのに、選手達は『どうせ力負けなんだから、 かないっこないよ・・』と言わんばかりの表情をしている。 この辺の心構えからして考え直さなければいけない。 力量的に見ても結果としてTDを取られる事に変わりはないのであろうが、 ミスがなければ5プレーでいかれるところが7プレーになり、10プレーにもなるのである。 案の定、地に足が着いていないからせっかくアサイメントが成立しているときにも タックルミスしてしまう。目を覆わんばかりの展開だ。 しかし、そんなPRIRMOSEにもオフェンス時には見るべきところがあった。 帝京大のディフェンスはオーソドックスな4−3、セカンダリーは2ルックにアラインしているが、 両セーフティにはオプションアサイメントが与えられていて(インバート)、 実質は8メンアンダーのカバー3が主体の様だった。 ラン・アサイメント的には春から何度も練習してきた体型であったと言えよう。 それが幸いしてか1Q5分QB佐々木(3年)からハンドオフを受けたTB小笠原(3年)が OL陣の好ブロックにも助けられてスピード良く相手ディフェンス陣のオフタックル付近を突破。 これが怒涛の77ヤードゲインとなり一気に相手ゴール前6ヤードまで攻め込む。 しかしさすがは1部リーグのセカンダリー陣。誰もがTDと思ったこの走りに対し、 きっちりと追いついてきた。両面出場で体力的には辛どいとは言え、 PRIMROSEの選手達にも見習って欲しい姿勢である。 諦めなければ何が起こるか分からないのがフットボールなのだ。 事実、この後QB佐々木がTDを狙ってTEの福崎(2年)に投じたパスは、 福崎の手に弾かれたボールが相手CBにインターセプトされるという結末に終わる。 当然タッチバックとなり絶好の得点機をあっさり失ってしまったのである。 ボールに対する執着心が相手の方が何十倍も上・・と言うことである。とは言え、 あのパワープレーは立派であった。この1プレーだけとは言え収穫はあったのには違いがない。 その後、後半に入っても帝京大のTDショーは続く。 しかし、2回目の見せ場が3Q後半に帝京大TD後のPRIMROSEのキックオフリターンから訪れた。 ボールを受けたKR生嶋(2年)が相手キッカーの短いキックにも助けられて、 30ヤードの好リターン、一気に敵陣45ヤードからの攻撃権を得る。 さらにQB佐々木のスクランブル等で敵陣30ヤードまで進んだところで2ndダウン7ヤード。 ここでQB佐々木は一気にエンドゾーンへパスを投じようとするが、 ここは相手ラインバッカーの鋭いファイヤーに刺され、あえなくQBサック。 その後も続かずパントに追い込まれる。 さらに4Q、相手ファンブルから得たチャンスをTB小笠原へのピッチプレー、 QB佐々木のスクランブルなどで敵陣25ヤードまで攻め込む。しかし、もう時間がない。 ここでQB佐々木はWRを増やしてエンドゾーン目掛けてパスを投じるが、 インコンプリートとなりゲームオーバーとなった。 次は千葉大との定期戦だ。相手は格下である。 当然の事ながら相手を圧倒して勝たなければならない。健闘を祈る。 (文:17期 丹野) BACK |