ゲーム解説OB戦というものはこういうものなのだろうか。 スコアは0−0のドロー、最近流行りのディフェンス主導型の展開なのかと 思いきやそういう訳でもない。 大きな見せ場があったのかと言えばそんなことはない。 要するに万人にウケないであろう試合展開だ。 筆者としては若手主体で構成されたOBチームが オーソドックスなプレーで現役を圧倒するような展開を今後のOB戦に期待したい。 ゲームが動いたのは第1Qの3分過ぎ、OBチームのスタートQB高橋 (20期・通称マッカリー)が投じたロングパスは現役時代をも凌ぐ縦回転の手裏剣 (しゅりけん)パス、これを2年生のCB相川がごっつぁんのインターセプト、 伊賀者(いがもの)の奇襲はあえなく失敗に終わる。 ターンオーバー後の現役チームのシリーズ。 自陣44ヤードから開始した攻撃は、今年の看板プレーでもあるTB小笠原のパワープレーを 軸にじわじわと前進。しかし、敵陣30ヤードまで攻め込んだところで手詰まりとなり、 4thダウンまで攻撃するも最後はFB古賀へのアンダーニースパスがインコンプリートとなり 攻撃権を失う。 仕切り直しのOBチームのシリーズ…と思いきや、ここでOBチームが再びしでかす。 TBの位置に入った白石(18期・現役時QB)がスウィープのフリフリッカーから ロングボムを投じる。しかしこれも現役時代と同様にFS小笠原の腕にスッポリ。 これもかなりごっつぁんである。わずか1プレーでOBチームはターンオーバーとなってしまう。 お祭り気分なのは分かるが、自陣深くでやるプレーではない。サービスのしすぎである。 しかし、せっかくのチャンスも現役は攻め切ることができない。 OBの反則と1回のFD更新をはさんで敵陣15ヤードまで攻め込むが、 ここで若いOL陣が痛恨のフォルス・スタート。 すっかりリズムを崩した現役チームは3rdダウンでTB小笠原が無理なエフォートから ボールをファンブルしてあえなくターンオーバー、前半の攻防が終了する(0対0)。 後半に入りOBチームがようやくその威厳を発揮し始める。 前半に少々てこずっていたTB小笠原のパワープレーが止まり始めたのだ。 OBチームはライン戦で常に優勢だったことは言うまでもないが、 それに加えて現役チームのプレーに目が慣れたLB陣が正確なパシュートコースを辿り始めたのだ。 そんな中で第3Qの最初の見せ場はやはりOBチームのオフェンスに訪れた。 ディフェンスの頑張りで好フィールドポジションを得たOBオフェンスは、 WR中村(21期・通称シゲ)のリバース、FB常岡(20期・女好き)のダイブなどで 敵陣18ヤードまで攻め込む。 しかし、ここから現役チームのディフェンスが頑張りOBチームは4thダウンまで追い込まれる。 ここでOBチームの選択はTBの位置に入った常岡のパワープレー。 やっと真っ向勝負をしたという感じだが、 ここはDE飯干(通称:マンガ)を中心とした集まりの良いタックルでなんとか無得点に抑える。 第4Qに入ってもOBチームの優勢が続く。 FB山田(22期・通称:デン)のダイブ(山ダイブ)が効果的にゲインし始めたのである。 そしてTB米山(19期・通称:よね)のピッチプレーまでも6ヤードゲインして敵陣30ヤード付近まで 攻め込む。オプションチームの理想的な試合運びが第4Qに入ってようやくできたのである。 しかし、もう時間が無い。ここでQB白石が選択したのはWRの数を増やしたワンバック体型、 エンドゾーンめがけてロングパスをブンブン投げるが、 現役時代と同様に最後はCB佐々木にインターセプトされて試合終了となった(0対0)。 現役チームはやはり単純なミスが多い。 秋にはもっとタフなチームが待ち受けている。 今後は基本的な技術とプレーの習得に力を注いで欲しい。 OBチームはなんとパス成功0(ゼロ)回、インターセプト3回となんともお寂しい内容だ。 来年こそはすばらしいプレーを連発して、現役達にフットボールの魅力を教えてやって欲しい。 (文:17期 丹野) BACK |