ゲーム解説
前節、今一歩のところで敗北したPRIMROSE(プリムローズ)。仕切り直しの第二戦目は創価大学との対戦。創価大学は昨年2部から降格したばかりであり、今年の優勝候補の一角であることは間違いない相手である。 創価大オフェンスはIフォーメーション。春季を通じて前節まではオプションは使っていなかった。しかしこの日は明らかにオプションチームに変貌していた。いやな予感がする。そして、ディフェンスは43プロ。2ルックでオーソドックスに守ろうとする辺り、前年まで2部でもまれていた痕跡が随所に残っている。 前半戦WR高橋(#81・2年生・DB兼任)への50ヤードのフェード・パスがいきなりヒットし派手な幕開けとなった前半戦だが、PRIMROSEはファンブルでこのチャンスを逸してしまう。前節の悪夢が蘇りそうになったが、創価大もファンブルのお付き合いで大怪我には至らなかった。そんなこんなで自陣23ヤードから攻撃権を得たPRIMROSEオフェンスはTE福崎(#85・3年生・LB兼任)への28ヤードのロングパス等で前進すると、TB小笠原(#80・4年生・DB兼任)の21ヤードのウィーク・カウンタープレーで先制TDを奪う(7対0)。 2Qに入ると点の取り合いとなる。創価大はダイブ中心の攻めに切り替えてくる。ダイブが多いのは分かっていた事だが、とりあえず止まらない。66ヤードの陣地をほとんどダイブでゲインされて同点とされる。これに対しPRIMROSEオフェンスも相手のファンブルから得たチャンスを、QB佐々木(#87・4年生・DB兼任)の8ヤードのキーププレーにつなげ逆転(14対7)に成功するが、前半終了間際の創価大の攻撃において、ダイブ、ショートパスを中心に62ヤードをしぶとくドライブされて再び同点とされてしまう。まったくの互角の展開で前半戦を折り返した。 後半戦後半戦、先に点を取ったのはPRIMROSE。創価大のパス攻撃を敵陣45ヤード地点でDB小笠原がインターセプト。このチャンスにQB佐々木のオプションキープ、TE福崎へのクイックパス、TB小笠原のウィーク・パワープレーで3連続FD(ファーストダウン)を更新し創価大ゴール前まで前進すると、最後はTB小笠原の中央ブラストプレーでTDを奪い三度逆転に成功する(21対14)。 しかし、創価大も粘る。その返しのシリーズでPRIMROSEディフェンスは創価大陣内39ヤードの地点で3rdダウン17ヤードのシチュエーションまで追い込む。ところがここで創価大QBはスクランブルで粘った挙句、ロングパスをヒットさせてこの攻撃をコンバートする。結局、このシリーズもPRIMROSEディフェンスは止めることが出来ず21対20(キック失敗)まで迫られる。 このまま終われば勝ちだった。しかし、ドラマはここから起こった。引き離しにかかるPRIMROSEオフェンス。ハーフまで小刻みに前進し、ここで選択したのはウィーク・スウィーププレー。エースRB小笠原は右オープンを渾身のランで駆け上がり50ヤードのTDラン・・かと思われた。しかし、ここでオフェンスラインが痛恨のホールディング。TDは幻に終わる。そして、仕切り直しの3rdダウンでQB佐々木が15ヤードのミドルパスをヒット。『この日は最後まで戦う姿勢があった』(吉岡監督)の言葉通り、PRIMROSEの火はまだ消えていなかった・・と思われた。しかし、それもつかの間、ボールをキャッチしたTE福崎が相手ディフェンダーの激しいタックルにボールをファンブル。PRIMROSE陣内44ヤード地点で創価大にボールをリカバーされてしまう。そして更なる悪夢がその直後に起こる。フットボールのセオリーでもあるが、ターンオーバー後のビッグプレー。オプションピッチを受けた創価大TBがオフェンスラインのきれいなブロックに守られて56ヤードを独走してTD。目くるめくモメンタムの移ろいの中で、フットボールの神様は最後に創価大に微笑んだ(21対27)。 総括勝つことって本当に難しい。良い試合だったと思う。強い相手と戦うときはホールディング等の反則や、ファンブルなどのミスは少なからず覚悟しなければならないと思う。しかし、問題はいかにそれを減らすかだ。前節の武蔵大戦、そして今週とあまりにもファンブルが多すぎた。次こそは一年間の思いをボールに込めて勝利をもぎ取って欲しい。 勝負所でのホールディング。賛否両論あると思うが、俺(筆者)は『取らなあかん時は、つかんだって取らなあかん』と思っている。だからあれは運が悪かったと思って諦めな。 (文:17期 丹野) BACK |