ゲーム解説

  1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 7 0 0 7
武蔵大学 21 7 6 9 43

第4節の相手は武蔵大学。ここ数年、PRIMROSE(プリムローズ)と同一リーグに所属している同チームは、決して人数は多くないがリーグ戦では毎年安定した力を発揮している。今年も優勝候補の一角であるが、PRIMROSEとしては今後の展開に勢いをつけるためにも何とか喰らいついて行きたいところであったのだが・・・。

武蔵大オフェンスはショットガン。前節まではIフォーメーションだったのだが・・・。武蔵大としてはうちを弄んだのか、はたまた優勝決定戦を前に対戦相手である駒澤大に対して揺さぶりをかけて来たのか、いずれにしてもPRIMROSEディフェンス陣にとっては意表を衝かれた形となった。

そしてディフェンスは43。力強いラインを配して特別なことをするわけでもなく、オーソドックスに守ってくる。


前半戦


先制したのは武蔵大。武蔵大陣内35ヤードからの攻撃であったが、いきなりのショットガン体型。PRIMROSEディフェンス陣はアジャストする間もなく43ヤードゲインとなるショートストレートをヒットされる。そして、その後はショットガンからのQBスウィープ。PRIMROSEディフェンス陣は縦に横にあっという間にゲインを許し、僅か4プレーでTDを奪われてしまった(0対7)。

更にこの後が良くなかった。武蔵大がキックオフしたボールの処理をPRIMROSEリターンチームがもたついている隙に、武蔵大カバーチームにボールをリカバーされてしまう。確かにキックオフのボールはアンラッキーなバウンドだった。しかし、それを考慮してもボールに対する執着心は明らかに武蔵大の方が上であった。武蔵大はこのチャンスにもショットガン体型から19ヤードのミドルパスをヒットさせゴール前1ヤードまで前進すると、最後はダイブでねじ込んでしっかりTDにつなげて来た(0対14)。


その後も武蔵大は攻撃の手を緩めず、ショットガンから88ヤード、そして81ヤードと立て続けにショートパスからの独走TDを成功させ、前半戦だけで勝負ありの体制を作り上げた(0対28)。

これに対し、PRIMROSEの反撃は2Q中盤。KR高橋(#81・3年生・TB/DB兼任)の36ヤードの好リターンをきっかけに、FB菊野(#25・3年生・LB兼任)の4連続キャリーで敵陣深くまでボールを運ぶと、最後はTB高橋がストロングサイドのパワープレーから右オープンに走路を見つけてようやく13ヤードのTDランを決める。しかしこの日のPRIMROSEオフェンスはこのTD1本に止まった。


後半戦


後半戦に入り武蔵大は若干メンバーを変更してきたものの、依然として高速QBを擁してのショットガン体型はPRIMROSEディフェンス陣にとって脅威であることに変わりはなかった。この日、武蔵大のランプレーを警戒してアグレッシブなアサイメントを多数用意したPRIMROSEディフェンス陣であったが、そのアサイメントをショットガン体型からのパスチームに対して使用している時点でジレンマを感じざるを得ない状況であったが、それを差し引いたとしても武蔵大のマンパワーがPRIMROSEディフェンス陣のそれを遥かに上回っており、若手中心のPRIMROSEディフェンス陣にとってはとても重たい展開であったと言えよう。

結局この日PRIMROSEディフェンス陣はパスで300ヤード以上喪失して43失点、オフェンスも前半戦の7得点の後は良い所なくシャットアウトされて7対43で大敗した。


総括


開幕から4連敗となった。そして更に悪いことには、次節に対戦する宇都宮大が第4節時点で2勝目を上げたため、PRIMROSEは最終戦を待たずして下位リーグとの入替戦に出場することが決定してしまった。もちろん、今までの取り組みの甘さがこの結果を招いたのだと思うが、今は悲観するよりも『入替戦』を最後のチャンスと前向きに捉え、最終節の宇都宮大戦も含め、PRIMROSEのフットボールを向上させる努力を怠らないで欲しい。


こんな時こそ上級生の力が重要になってくる。特に4年生は最後の最後に絶体絶命の試練が与えられた。この試練を乗り越えることが出来たならば、後輩達は必ずや一回り成長する。どうか残り『2試合』、意地を見せて欲しい。

(文:17期 丹野)

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