ゲーム解説
今年もついに最終第五節となった。しかし、今年のPRIMROSE(プリムローズ)にとってはこれが最終戦ではない。非常に厳しい話であるが、来る12月11日(土)に下位リーグとの入替戦を控えた上でのリーグ戦最終節なのである。この試合に例え勝ったとしても入替戦出場の事実には変わりはないのであるが、選手たちはこの試合に勝つことによって入替戦で活かすことの出来る何かを掴めるはずと信じて試合前の練習に励んで来た。 最終第五節の相手である宇都宮大学のオフェンスはIフォーメーション。オプション、パワー、プレーアクションとシンプルにオフェンスを展開してくる。そして、ディフェンスは8メンボックス(44)。コンテインとボールへの寄りを身上とする、PRIMROSEと似たタイプのディフェンスである。 前半戦ライン戦でやや宇都宮大が圧している感はあるものの、両者オフェンスが決め手を欠くディフェンシブな展開が続いていたが、先制点はあっけないものだった。自陣36ヤード地点で攻撃権を放棄すべくパントを蹴ろうとしたPRIMROSEパントチームのスナップバックのボールが乱れ、宇都宮大カバーチームにパントがブロックされてしまう。PRIMROSE陣5ヤードからの攻撃権を獲得した宇都宮大はブーツレッグからのQBランで左サイドの大外をめくってTD。この後、ポイント・アフター・タッチダウンのスナップが乱れたが、ホールダーが落ち着いてリカバーし、そのままエンドゾーンに駆け込んで2点の上乗せとなった(0対8)。 これに対し、PRIMROSEの反撃機会は2Qの終盤に訪れる。宇都宮大陣内41ヤードからのPRIMROSEのパントであったが、宇都宮大パントリターナーがボールをジャックルしている間にPRIMROSEカバーチームの小松(1年生・#80・DB/WR兼任)がハードヒットを浴びせる。たまらずファンブルしたボールを同じくカバーチームの福崎(4年生・#85・TE/LB兼任)がリカバー。敵陣10ヤードからの攻撃権を獲得する。しかし、PRIMROSEオフェンスはこのチャンスにおいても決め手に欠く。1stプレーのパワーがノーゲイン。2ndプレーのオプションもQBの判断悪くノーゲイン。3つ目に放ったパスもWRのコース取りが悪くインコンプリート・・・。あっさりと追い込まれたFGトライもK高橋(3年生・#81・TB/DB兼任)が決めることが出来ず、無得点に終わった。 後半戦後半戦は両者ディフェンスが健闘し全くのパントの蹴り合いとなった。PRIMROSE守備陣はライン戦でやや不利な分、単発ゲインは許すもののLB福崎を中心にボールによく集まり要所を締めてTDを奪われることはなかった。試合全般で見てもLB福崎のインターセプトやDL山下(2年生・#69・OL兼任)のQBサックが飛び出すなど、要所要所でファインプレーが飛び出してオフェンスに攻撃機会を与え続けた。 これに対しオフェンスは1試合を通して全体としてのつながりを持つことが出来なかった。その一番の原因はアサイメントミスであろう。QBも含め若いユニットであるため、致し方ない面もあるが、今のPRIMROSEオフェンスチームは1つのミスから生まれたロスをコンバートできる能力が著しく欠如していると言わざるを得ない状態なのである。 結局試合は前半戦のスナップミスからの失点が命取りとなり敗北となった(0対8)。 総括入替戦に全敗で望むことになった。若いチームでオフェンス、ディフェンス共にシーズンを通じ好不調の波があった。しかし、そんな中で、一筋の光明はやはり1年生の活躍であろう。特にWR陣は著しい成長を遂げている。この日の最長ゲインとなった26ヤードのロングパスもQB松原(#4)→WR山田(#49)の1年生ホットラインから生まれた。また、同じくWR小松と#15・徳増(共に1年生)も10ヤード以上のミドルパスを見事にキャッチしている。勝利への鍵は、その一点一点の活躍を一つの線として繋げることにあるだろう。上級生と下級生、そしてQBがあと1ランクずつレベルアップすることが出来たならば、自ずと一つの『線』が見えてくるであろう。そのためには入替戦まであとたった3週間ではあるが、全てをフットボールに注ぎ込むことが必要になるだろう。繰り返し言う。『たった3週間、全てをフットボールに注ぎ込まなければ、お前たちは負ける』。 (文:17期 丹野) BACK |