ゲーム解説
優勝候補の厚い壁。苦難の道、再び。第四戦の相手は駒澤大学。ここまで2勝1敗の同校は全勝の創価大と並んで優勝候補の一角である。 駒澤大オフェンスはIフォーメーション。ランプレーを中心に堅実なボールコントロール・オフェンスを展開してくる。 そしてディフェンスは43。シチュエーションに応じた臨機応変な守備パッケージングに意表を衝く攻撃的要素も加味され、ディフェンス単体で見れば間違いなくリーグ内最強と言えるだろう。 前半戦1Qは一進一退。PRIMROSE(プリムローズ)は得点にこそ至らなかったが WR山田(#49・2年生・OLB兼任)の31ヤードのロングパスキャッチで陣地を大きく挽回したのが奏功し、優位な位置で攻守を展開することに成功した。また、同じくOLB山田のインターセプトもPRIMROSEディフェンス陣を盛り上げた。 しかし、2Qに入ると様子が変わってくる。駒澤大オフェンスがQBを含む豊富なバックス陣を生かし始める。オプション攻撃を軸に単発ではあるが好ゲインを奪い始めてきた。対するPRIMROSEディフェンスはライン戦で若干圧され気味という感はあったが、この時点でそれ以上に気になったのが、与えられた守備アサイメントの遂行が不十分である点であった。しかし、単発であったことと、相手の反則にも助けられて前半戦はなんとか0対0で折り返すことが出来た。後半立て直すことが出来れば良いのだが・・。 後半戦後半に入ると、思わしくない方向に試合が動き始める。駒澤大の攻撃に繋がりが出てきた。駒澤大の後半最初の攻撃シリーズ。PRIMROSEディフェンスはここまで何とか緊張の糸を保ってきたが、相手TBにスウィープ・プレーから39ヤードのロングゲインを奪われると、それがプツリと切れてしまった。自陣5ヤードまで前進されると、最後は相手QBにスクランブルからTDを奪われ先制を許してしまう(キック成功0対7)。 この後、前半戦のゼロ封がウソのように駒澤大攻撃の大行進が始まる。2シリーズ連続でTDを奪われ、4Qに入っても1TD上乗せされた。相手攻撃のブロックが多彩なのはあるが、あまりにもコンテインミスが多かった。前節(高千穂大戦)の堅守がウソのように単純な切り口から崩されていったのである。 一方のPRIMROSEオフェンスはランプレーが完封され突破口を見出せない状態が続いた。オフェンスにおいてもライン戦の力負けというよりも、相手ディフェンスラインの切れ味鋭いムーブメントに翻弄されている感が強かった様に思う。ムーブメントはスカウティングで予想していたことであり、かつ、春からそれを視野に入れて十分に技術と知識を高めて来ていたはずなのに、それを発揮することも出来ないままにディフェンスラインにかき回され、ハードタックルを浴びせられたバックス陣はいたずらに闘争心を殺ぎ取られていったのである。 しかし、4Qに入ると1年生が見せ場を作った。自陣25ヤードと深い位置からの攻撃であったが、WR高橋(#15・1年生・CB兼任)の9ヤードのアウトパターンを皮切りに、WR佐藤(#7・1年生・CB兼任)が42ヤードの特大パスキャッチを成功させ敵陣12ヤードまで前進すると、最後は再びWR高橋が12ヤードのフェード・パスをキャッチしてTD。一年生コンビで一矢報いる形になった(キック成功で7対19)。 試合はこの後、一か八かの攻撃を繰り返したPRIMROSEが徐々に陣地を悪くして、駒澤大にもう1TDを奪われ、7対25で敗北した。 総括ライン戦での負けというより、力を発揮する以前に負けてしまった・・という印象が強く残る試合だった。力を発揮させてくれない駒澤大が真に強かったと言えばそれまでだが、本当にそれだけだったであろうか? 前節勝利したことによる意味のない油断は本当になかったであろうか? 泣いても笑っても残り1試合。夏の練習を思い出し、1プレー1プレーに責任とプライドを持てば、全員フットボールは再び達成出来るはず。健闘を祈る。 (文:17期 丹野) BACK |