ゲーム解説
上位校の分厚い壁。課題残る敗戦。開幕戦で見事な逆転勝利を飾ったPRIMROSE(プリムローズ)。第二戦の対戦相手は駒澤大学。同大は第一戦で60点近くを叩き出し、バックス陣も好調である上に、機動力あるラインメンもその仕事の質は高く、紛れもなく優勝候補の筆頭である。 駒澤大オフェンスはマルチプル。中央をゴリゴリ圧してくるかと思えば、ショットガン体型から左右に揺さぶりをかけたりと、ハマると手のつけ所のない状態に陥ることになる。そして、ディフェンスはオーキー(52)。守備全体が機動力に溢れ、比較的ムーブメントの少ない時でさえも『威圧感』を感じさせる守備となっている。 前半戦ものすごい強風が吹き荒れる中、試合は開始された。パスのコントロールが難しいのはもちろんのこと、風下からパントを蹴れば20ヤード程返せれば上出来・・という状況だった。1QはPRIMROSEが風上に立ち、さすがの駒澤大オフェンスも思うように進むことが出来ず、PRIMROSE守備陣は第1Qを無失点で守り切ることができた。しかし、オフェンスがこの風を利用できる間に全く前進することが出来なかった。ここでの拙攻が結果的に後々まで響くことになる。 2Qに入り、駒澤大オフェンスが一転、攻勢に出る。駒澤大のドライブは自陣10ヤードから。FBへの19ヤードのプレー・アクションパスを手始めに、ショットガン体型からのQBのドロー、プロセットからのブーツレッグなどオープンへの展開を軸に13プレーかけてPRIMROSE陣内12ヤードまで前進する。そして最後はブーツレッグから右オープンに流れた駒澤大QBが中央に流れてくるWRにパスをヒットさせてTD。PRIMROSEディフェンスは風向きが変わったとたん、実に90ヤードのロングドライブを許してしまった。 更に2Q終盤には、PRIMROSEが向かい風からのパントを10ヤードしか返せないキックミスを犯し、駒澤大にPRIMROSE陣内30ヤードからの攻撃権を与えてしまう。駒澤大はここでもショットガンからのQBランでゴール前1ヤードまで前進すると、最後は駒澤大TBがスウィープ・プレーから左オープンに小穴を見つけると、そのままそのホールに突入してTD。PRIMROSEオフェンスの拙攻を考えると、一見少なく感じるこの14点という点差は、選手達にとってはとてつもなく重いものであったに違いない。 しかし、PRIMROSEディフェンスに関しては時折良いプレーも見せた。OLB高橋(#15・2年生・WR兼任)の自陣エンドゾーン内でのインターセプトやDE山下(#69・4年生・OL兼任)の相手QBへのソロタックルなど、ゲインは許しているものの、要所を締める形で、(一試合通して)失点14に貢献するプレーが確実に存在していた様に思う。 後半戦3Qに入ると、駒澤大のボールコントロールが始まる。QBのランに加え、通常のセットバックからのランもゲインし始め、1stダウンを2度、3度と重ねる・・。得点にこそ至らなかったが、PRIMROSE陣内までは確実にドライブしFGトライを2度試みた(キックはいずれも失敗)。当然、時間を奪われたPRIMROSE陣営からは次第に焦りが見え始める・・。しかし、突破口が見えてこない・・。 PRIMROSEオフェンスは結局、相手ディフェンスに決定的な打撃を与えることが出来ないまま4Qに突入する。4Q中盤。自陣25ヤードからの攻撃シリーズ。TB佐藤(#29・2年生・DB兼任)、TB小松(#80・3年生・OLB兼任)へのショートパス、WR山田(#25・2年生)への11ヤードのミドルパスで3度ファーストダウンを更新し、ようやくの敵陣・・21ヤードまで到達する。ここからプレー・アクションパスで一気にTDを狙ったが、相手CBにあえなくボールをカットされる。この日、駒澤大エンドゾーンを脅かしたのは僅かこれ1回であった。このパス、追い風を利用して強い球を放っていれば・・、WR山田が抜けていただけにもったいない1球となってしまった。またQB吉田(#23・4年生)はこの日はファンブルも頻発し、オフェンスの不調を終始立て直すことが出来なかった。第1節では素晴らしい活躍を見せただけに、次節での再奮起に期待する。 ファイナル・スコア0対14。完封負けを喫し、通算成績は1勝1敗となった。 総括開幕戦の様な逆転勝ちはならなかった。両者の力の差には14点という点差以上のものがあったように思う。今回は上位校の壁を打ち破ることが出来なかったが、レギュラーシーズンはまだまだ続く。これからも厳しい戦いが続くと思うが、次なるチャンスがいつ訪れるかは分からない。そのチャンスが訪れた時に挑戦者になりたいのであれば、ここで力尽きてしまうわけにはいかない。この敗戦の反省をきちっとして、次の試合に勝つ準備をしなければならない。次節、しっかりした目標をたてて必ずや勝ちにいこう。 (文:17期 丹野) BACK |