ゲーム解説

  1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 0 0 0 0
千葉大学 0 0 6 8 14

スコアボードに並ぶゼロ行進、PRIMROSE、無念の敗北。

リーグ戦も中盤戦。リーグ内の覇権争いも熾烈になってきた。現状、全勝チームは我がPRIMROSE(プリムローズ)の他に今日対戦する千葉大、そしてなんと言っても優勝候補筆頭の上智大が控えている。第5節で上智大と対戦するPRIMROSEにとって今日の千葉大との対戦は大事な大一番であり、2部昇格を目指す両校の火花が散りまくる正に激戦必至の緊張ムードでゲームは開始された。

千葉大オフェンスはショットガン。ビッグゲインをする選手は少ないようだが、プレー選択には創意工夫が感じられ、近年流行のスプレッド攻撃を千葉大流に作り上げた感じである。そして、ディフェンスはオーキー(52)。大型ラインがいないことを意識してか、左右へのムーブメントを執拗に繰り返して、相手オフェンスのアサイメントを破壊する攻撃型の守備である。


前半戦


前半戦は結果から言うと0対0。千葉大が2回のFGトライに失敗し、千葉大オフェンスがやや押し気味ではあったが、PRIMROSEにとっては事なきを得た展開になった。

しかし、PRIMROSEオフェンスにとっては序盤から苦難が続いた。ランプレーに軸となるプレーを見出すことが出来ず、結局、効果的ゲインを奪えないまま前半戦を終わらせてしまう事になる。昨年の駒澤大戦の時の様なフラストレーションがオフェンスの中に生じつつあった。


後半戦


後半戦に入り、仕掛けてきたのは千葉大だった。後半はPRIMROSEのリターンで開始の予定だったが、千葉大キックチームが一か八かのサプライズでオンサイドキックを仕掛けてきた。意表を突かれたPRIMROSEはボールを捕球することが出来ず。千葉大にオフェンスの権利を奪われてしまう。悔しいことだが、この積極性が最終的に千葉大に好結果をもたらしていく事になる。

オンサイドのシリーズも含めPRIMROSEディフェンスは千葉大オフェンスに前半から数えると再三に渡りゴール前20ヤード以内まで攻め込まれたが、何とか粘って無失点に押さえ込み0対0のこう着状態を形成してきた。

3Qには千葉大オフェンスがPRIMROSE陣内16ヤードまで侵入し、一気にTDのパスを狙うも、CB崎本(#18・2年生・WR兼任)の狙いすましたインターセプトによってこれをシャットアウトし、チームが勢いに乗りかけたシーンもあった。しかし、PRIMROSEオフェンスは一向に突破口を見出せないまま終盤戦へと突入していく。

そんな中でクライマックスは訪れた。3Q終盤の千葉大の攻撃を千葉大陣27ヤード地点でパントに追い込んだPRIMROSEディフェンスであったが、このパントのボールをリターナーに入った崎本(2年生)が捕球ミスし、千葉大にPRIMROSE陣内28ヤードからの攻撃権を与えてしまう。しかし、ここで千葉大QBがエンドゾーンに向かって投じたボールをCB松原(#4・4年生・QB兼任)がPRIMROSE陣ゴール前4ヤードの地点でインターセプトに仕留め、事なきを得たかに見えた。ところが、次のPRIMROSEのオフェンスシリーズにおいてQB松原が投じたボールが千葉大ディフェンスにカットされ、空中に舞ったボールを確保した千葉大ディフェンダーがそのままエンドゾーンに傾れ込み、痛恨の先制点を千葉大に献上してしまう。千葉大にもミスはあった。しかし、結果として千葉大はPRIMROSEの2度のミスにより労せずして陣地を挽回し、得点したのである。緊迫した試合の流れを考えると、正に『糸が切れた』瞬間であった。

この後、PRIMROSEは体勢を立て直すことが出来ず、結局、試合はもう1TDを千葉大に上乗せされて0対14で敗北を喫する結果となった。


総括


非常に残念だが、結果は最悪・・『敗北』となってしまった。当然のことながら、優勝という目標はこれで大きく遠のいた。しかし、僅かではあるが、まだ優勝の可能性は残っている。この少ない可能性を追いかけること・・・、これがかなり厳しい挑戦であることはチーム内の誰もが承知のことだろう。俺としては一ヵ月後にこの難題に堂々と立ち向かっている選手達の姿に期待する。歴史が変わる時は、いつだってこのくらいの難題が押し寄せてくるものである。

もう一度言う。俺は一ヵ月後にこの難題に堂々と立ち向かっている選手達の姿を信じている。

(文:17期 丹野)

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