ゲーム解説
殴り合いの決戦を征し、次節への挑戦権を得る。第二戦の対戦相手は千葉商科大学。数年前までは二部リーグに属していた同チームも近年は人数も不足し、PRIMROSE(プリムローズ)同様、苦悩の運営を強いられているようだ。 千葉商大オフェンスはTフォーメーション。中央のラン、オプションを中心に大型ラインでゴリゴリ圧してくる。そして、ディフェンスは43。こちらも大型ラインを利用して大きなムーブメントも少なく、堅実型の守備といえるだろう。 前半戦先制したのはPRIMROSE。1stシリーズをあえなくパントに追い込まれるが、そのパントカバーにおいて相手リターナーに激しいタックルを浴びせファンブルを誘発する。このボールをPRIMROSEがリカバーし再び攻撃権を得る。しかし、この後、PRIMROSEオフェンスもボールをファンブルするなど締まらない展開が続くが(自軍がリカバー)、WR福田(#31・2年生・DB兼任)への41ヤードのロングパスをきっかけに相手ゴール前1ヤードまで前進し、最後はFB山田(#49・4年生・LB兼任)が中央に飛び込んで先制TDを奪う(キック失敗で6対0)。 更に自陣36ヤードからの次の攻撃において、TB佐藤(#29・3年生・DB兼任)が中央のランから64ヤードを独走し2本目のTDを奪う。この時点において、試合の流れという意味ではPRIMROSE側にグっと傾いていてもおかしくない展開ではあったが、このTD後のPATのキックも外してしまい、2TDで12点の獲得に止まったため、結果、PRIMROSEは千葉商大から完璧なアドバンテージを奪うことが出来なかったといえる。 そんな展開の中で、千葉商大が突破口を見つけ始める。Tフォーメーションからのブラストやダイブを軸にPRIMROSEディフェンスの中央を突破する戦術を多用してきた。一発TDこそないが4ヤード、5ヤードとゲインを重ねるボディーブロー攻撃でPRIMROSEディフェンスをじわじわと追い込んでいく。そして、1Q終盤にはPRIMROSE陣内2ヤードまで攻め込まれると、最後はプレーアクションのパスをきれいにヒットされてTDを奪われてしまう。また、PRIMROSEの3本目のTDと思われた千葉商大ゴール前のオフェンスにおいてもTB佐藤がボールをファンブルし得点機を失うなど、泥沼ながら互角の殴り合いの様相を呈してきた(前半終了12対6)。 後半戦後半戦、こう着状態は4Qになって解除された。千葉商大が4Q序盤から中盤にかけて実に14プレーで77ヤードを前進する逆転のロングドライブを成功させる。やはりブラストやそのフェイクのQBランが中心のドライブであったが、前半戦のボディーブローが奏功した渾身のラスト・ドライブであったと言えるだろう。しかし、逆に言えば千葉商大の炎はここで燃え尽きていたのかもしれない(キック成功で12対13)。 この返しのシリーズでPRIMROSEオフェンスが最後の炎を燃やす。自陣37ヤードからの攻撃。QB松原のキーププレーにより一発で1stダウンを奪うと、その後、TB佐藤の中央やオープンをきっかけに9プレーかけて千葉商大ゴール前1ヤードまで前進する。最後はTB北島(#23・1年生)が右オープンを突いてTDを奪い、PATの2点コンバージョンも成功させて、TD1本分の点差をつけて再逆転することに成功した(20対13)。 最終的に千葉商大オフェンスに1分少々時間を残したが、最後にFS福田(#31・2年生・WR兼任)が相手攻撃をインターセプトに仕留め、殴り合いの決戦はPRIMROSEの辛勝で万事休する形となった。 総括勝ったことしか褒めることが出来ない無惨な内容であった。今回はお互いにミスが多かったからこれで済んだ。しかし、次節の相手はリーグ内最大の物量を誇る千葉大学だ。ひとたびミスを犯したならば、今回のような展開は決して許してはくれない。内容どころか点差も無惨な『大敗』となるだろう。『心・技・体』全てにおいて挑戦者としての準備を徹底的にやって欲しい。挑戦者になり切らなければ次は勝つことは出来ないだろう。2部昇格が目標であるならば、この2週間はフットボールに全てを捧げて欲しい。 (文:17期 丹野) BACK |