ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 7 7 14 0 28
立正大学 0 7 0 0 7

要所の好守で2連勝!

前節ようやく白星をあげたPRIMROSE(プリムローズ)。チーム状態は決して最高ではないかもしれないが、連勝してチームとしての力をプラス1でも、プラス2でも上昇させたいところである。

第3節の対戦相手は立正大学。同大オフェンスはIフォーメーション。大型ラインを擁してのオプション攻撃を得意とし、前節までは一定の得点力を発揮していた。そして、ディフェンスは8メンボックス(44)。オーバーシフトが非常に多いが、バックス陣の機動力を活かしてそれをカバーし、粘り強い守備を展開してくる。


前半戦


前半戦は終盤まではPRIMROSEにとって理想的な展開で進んでいった。オフェンスがTB北島(#23・3年生・DB兼任)のランを中心にリズム良く加点し2TDで計14点を奪うと、ディフェンスも立正大オフェンス相手に細かいゲインこそ許すが、要所をピシっと締めて得点を許さなかった。

特に2Q中盤の守りは、この日のPRIMROSE守備陣の粘り強さを象徴していた。立正大オフェンスにポンポンと連続でランプレーをゲインされ、PRIMROSE陣内8ヤードで1stダウンと、この試合初めてのピンチが訪れる。しかし、ここからLB陣を中心とした粘り強い集まりを見せ4thダウン・ギャンブルへと追い込むと、最後のギャンブルプレーも相手QBのTD狙いのブーツレッグ・ランをFS北島(#23・3年生・TB兼任)の突き刺すようなハードタックルによりシャットアウトし、ここを無得点で切り抜ける。

しかし、前半戦最後の最後でPRIMROSEオフェンスが大きなミスを犯す。バックス陣にボールを集め、残り時間を消費しながら敵陣43ヤードまでリズム良く攻め入ったところでQB崎本(#18・4年生)が不用意に投じたパスが相手FSにインターセプトされ、そのままエンドゾーンまでボールを運ばれてしまう。理想的な展開もつかの間、選手達はもちろんのこと、観戦に来ていたギャラリーまでもが凍りつく、まさに『負け』の恐怖を意識させられた瞬間であった(前半終了14対7)。


後半戦


最悪の終わり方をした前半戦であったが、後半戦もまたもや試練か・・と思わせるようなミスがいきなり起こってしまう。自陣23ヤードからの攻撃であったが、ハンドオフを受けようとしたRB新里(#14・1年生・DB兼任)がボールをジャックルするアクシデントが発生。辛くもボールはリカバーしたが、フィールドポジションは自陣8ヤードと、最悪の地点からの3rdダウンコンバージョン(3rdダウン25ヤード)を強いられる。もし、ここをコンバート出来なければ後半戦の陣地的優位性は一気に立正大学へと傾きかねない。そうなれば次に得点するのは立正大学かもしれない・・。そんな不安も過ぎった。しかし、この日のPRIMROSEオフェンスはここで切れなかった。このピンチにQB崎本がWR加藤(#85・2年生・DB兼任)へ85ヤードの特大ロングパスをヒットさせ、わずか1プレーで立正大陣内7ヤードと形勢を大逆転する。このチャンスをTB北島のオープンランで締めくくり、前半のミスを帳消しにするビッグプレーにより、21対7と何とか相手を突き放すことに成功する。

ようやく流れをつかんだPRIMROSEオフェンスは、次のオフェンスシリーズにおいてもTB北島の99ヤードの超特大独走TDランが飛び出すなどダメ押し点も獲得し、何とかオフェンスチームの矢印を上に向けつつこの日のシリーズを締めくくることが出来た。

一方のPRIMROSEディフェンスは、後半戦も立正大オフェンスに一、二度PRIMROSE陣内に攻め込まれる局面もあったが、終盤にはOLB佐藤(#17・3年生)のQBサックが飛び出すなど要所要所をビッグプレーも絡めつつきっちりと締め、終わってみればディフェンスで失点をすることなく試合を終了することが出来た(28対7)。


総括


何とか二連勝することが出来た。チーム状態も少しずつではあるが上がっているとは思う。しかし、まだまだ『良いところ』と『悪いところ』がハッキリしている状態であることに変わりはない。次の相手は現在全勝中であり、当然のことながら優勝候補である。もちろん、今のままでは勝つことは厳しいかもしれない。しかし、単純な話、『一戦必勝』という極めて謙虚な目標に立ち返ったならば、相手の強さを考えて立ち止まるよりも、己の弱さを克服することにこの二週間は徹底的に注力して欲しい。そして次節、フットボールにかける思いをフィールドで表現してくれ。

(文:17期 丹野)

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