ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 14 0 21 35
横浜市立 3 7 0 0 10

若手の活躍で有終の美!

前節の上智大戦に敗北し優勝の目はなくなったPRIMROSE(プリムローズ)。下の入替戦に行く可能性も無いため、まさに『消化試合』となった。敗北の直後であり、心理面の整備については確かに難しいものはあっただろう。しかし、来季に向けた戦いは上智戦の敗北直後からもう始まっているのである。悔しい気持を持ち続ける。負けそうな気持を制御する。そんな強さが今のPRIMROSEには欠けている。それを克服する意味でも、鬼となってこの試合を取りにいく必要があった。

横市大オフェンスはIフォーメーション。1年生QB擁する同大の攻撃はシーズンを通して得点力を発揮しておらず、ここまでこれといった核は存在していない。そして、ディフェンスはオーキー。前節の上智大同様にオフェンス体型やシチュエーションに応じてLB・DBをシフトチェンジし、43ルックになることもある。リーグ内で言えば大東大までとはいかないが、今シーズンは一定の安定度を発揮していた。まさにディフェンスのチームと言えるだろう。


前半戦


試合は横市大のキックオフからスタートしたが、いきなりオンサイドキックを仕掛けてきた。横市大の捨て身の攻撃にPRIMROSEディフェンス陣がやや浮き足立ち、その隙にPRIMROSE 陣内まで攻め込まれる。一方のPRIMROSEオフェンスも今季初先発のQB伊藤(#81・3年生・LB兼任)がなかなかペースを掴むことが出来ず、陣地を全く挽回できないまま、1Qは横市大にFGによる3点を献上してしまう。

しかし、2Qに入りようやくQB伊藤にも落ち着きが見え始めた頃、ビッグプレーが生まれる。序盤、WR加藤(#85・2年生・DB兼任)へのショートパスなどでしぶとくハーフ付近まで攻めるも4thダウン1ヤードまで追い込まれる。ここでPRIMROSEオフェンスはギャンブルを選択しFB古田(#49・1年生)にボールを託す。ボールを受けたFB古田は中央右付近に走路を見つけると、前のめりだったLB・SF陣と続けざまにすれ違い独走ルートをキープ、そのまま48ヤードを走りきって逆転のTDを奪う(キック成功で7対3)。全てのディフェンダーが取り切れていたわけではなかった。しかし、TE須藤(#8・3年生・LB兼任)のブロックなどはしっかり溜めが効いていてFB古田にとって直近必要なブロックが為されていた様に思う。何れにせよ、1年生によるこの大きなTDが2年生以上の先輩達の心に火をつけたことは間違いないだろう。

PRIMROSEオフェンスは2Q中盤にもWR加藤への59ヤードのロングパスがヒットしてもう1TDを上乗せするが、横市大のしぶとい攻撃にPRIMROSEディフェンス陣がなかなか調子をあげることが出来ず、前半は14対10と僅差で終了する。


後半戦


後半戦に入っても横市大攻撃陣の粘りは継続する。PRIMROSEディフェンス陣にとっては、横市大のランプレーこそきれいに止めていたが、3rdダウンのミドルパスをことごとく決められてダウンをコンバートされてしまう・・というフラストレーションの溜まる展開が前半戦から続いていた。

しかし、ようやくのようやくではあるが、3Q終盤にビッグプレーで流れを掴む。この時も3rdダウン17ヤードでミドルパスを決められ、PRIMROSE陣内19ヤードで4thダウン2ヤードと、ここで横市大のギャンブルが決まれば後半最初の得点は横市大に行きかねない局面だった。しかし、このギャンブルプレーをOLB佐藤(#17・3年生)が相手TBのアウトカットにギリギリしがみつき前進を阻止する。ギャンブルは失敗となりここを無失点で切り抜ける。

ここが後半の分岐点だった。この後TB北島(#23・3年生・DB兼任)に47ヤードのTDランが生まれ突き放すことに成功する(21対10)。更にディフェンスにおいてもLB大川(#41・4年生・FB兼任)にようやくのインターセプトが飛び出すなど、ディフェンス→オフェンスの好供給から2TDを駄目押しすることに成功。結局、ファイナルスコア35対10と完勝の形で試合を終了することが出来た。


総括


QBに3年生の伊藤が今季初先発した中、2年生以下で3TDと若手の大活躍により今シーズンも何とか勝ち越すことができた。しかし、その活躍の陰には4年生の後押しが確かに存在していた様に思う。QB崎本(#18・4年生・主将)はこの試合は足の負傷で最後のみの出場に止まったが、難しい最終戦を勝利へ導くチーム状態を作ることに貢献したのではないだろうか? ようやく最後の最後で4年生全員が4年生らしい仕事をしてくれた様に思える。いずれにせよ、悪ガキ揃いの4年生、万丈波乱の秋シーズンだったが、4年間お疲れさんだった(注:4年マネージャーは悪ガキではない)。

(文:17期 丹野)

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