ゲーム解説
3回戦突破! 次節、防衛大に挑む!'10シーズンも第3節に突入。対戦相手は東京外国語大学。数年前までエリアリーグにいた記憶があるが、近年は部員数が一気に増えて50人近くを擁する3部リーグでは一、二を争う大所帯にまで増殖し、それに伴って実力もメキメキ上昇してきた新興勢力である。 外語大オフェンスはIフォーメーション。ダイブ、オプションに加え俊足TBのパワープレーを得意とするランチームで、ここまでは2試合連続で50点オーバーと抜群一気の破壊力を発揮してきた。そして、ディフェンスは43カレッジ。ブリッツやアサイメントの駆使こそ少ないが、DE(ディフェンスエンド)の機動力、LB陣の集まりでここまで大崩れすることもなく、非常に整っているという感を受ける。 前半戦前半戦は開始直後から激しいモメンタムの奪い合いとなる。1プレー目の外語大のキックオフリターンが85ヤードの独走TDとなり、PRIMROSE(プリムローズ)はあっさりと先制点を献上してしまう。しかし、その返しのキックオフリターンで今度はPRIMROSE のKR(キックリターナー)加藤(#85・3年生)が70ヤードの独走リターンを決め、すかさずTDを奪い返す。やれやれ落ち着いたか・・・と思いきや、更にその返しのキックオフリターンで外語大キックリターナーに40ヤードの好ゲインを奪われ、いきなり自陣からの守備を強いられる。PRIMROSEディフェンス陣はここを何とか凌いで外語大攻撃をパントへと追い込み、今度の今度こそ落ち着いたかと思われた。しかししかし、今度は外語大の絶妙のパントによりPRIMROSE陣内0ヤード(1ヤード未満)まで陣地を挽回されてしまう。PRIMROSEオフェンスは辛抱のランプレーでここから5ヤードほど前進し、パントで陣地を大きく挽回しようと試みるが、思うように返すことができない。自陣25ヤードと再び苦しいポジションでのディフェンスを強いられ、この時まさに前半戦の主導権が外語大へと傾きかけた。しかし、ここからPRIMROSEディフェンスの攻撃的守備が炸裂する。1stダウンではDT金澤(#78・4年生・OL兼任)が外語大のダイブを1ヤードのロスに仕留める。更に2ndダウンではOLB渡辺(#80・2年生・TE兼任)が鋭い突進から外語大TBに襲いかかり6ヤードのロスタックルに仕留め、続く3rdダウンもシャットアウトし、PRIMROSEオフェンスに自陣25ヤードと好ポジションからの攻撃権を供給する。このシリーズで主将TB北島(#23・4年生・DB兼任)にオープンプレーから32ヤードのロングゲインが生まれ、最終的に攻撃はパントとはなったが、PRIMROSEは外語大陣内4ヤードまでポジションを押し返し、前半戦における陣地的優位性の掌握に成功する。そしてその次の攻撃シリーズにおいて、WR加藤(#85・3年生・DB兼任)への25ヤードのTDパスキャッチが決まり、ここで一気にゲームのモメンタムを手繰り寄せた(14対6)。 前半戦はこの後もディフェンス→オフェンスの好供給が継続し、終盤にはTB北島のパワープレーでもう1TDを上乗せした(前半終了21対6)。 後半戦後半戦に入ってもPRIMROSEの快進撃は続く。最初のシリーズは自陣31ヤードから。TB北島を中心とした小刻みなランプレーで二度、三度と1stダウンを重ねていく。実に10プレー、7分以上をかけて外語大陣内5ヤードまで前進し、きっちりとFGによる3点を加点する。時間の消費が相手の焦りを誘い、3点の加点が確実にボディーブローとしての効果を発揮していた。この日TB北島はランプレーの主戦としてだけではなく、キッカーとしても後半戦は3本のFGを成功させ、キャプテンとしてグランドの中で十分に存在感を発揮し続けた。 そして何といってもこの日はディフェンス陣だろう。(キッキングゲーム以外で)1TDこそ奪われたが、それ以外は外語大バックス陣を何度もロスタックルに追い込んだ。4QにはDL陣が相手QBに全員で覆い被さるようなQBサックも飛び出すなど(記録上は安達・#73・3年生)、DL、LB、DBとまさにディフェンス全員が塊となってボールキャリアーへと襲いかかった(試合終了30対13)。 総括とりあえず3回戦を突破することが出来た。しかし、余韻に浸っている暇はコンマ1秒すらない。すっかりと忘れて次のことを考えなければならない。次の相手は今までとは比較にならないほど巨大な相手、防衛大学校である。新チーム結成以来、この相手のことを皆が強く意識してきたことと思う。そして今ようやくその挑戦権を得ることが出来た。入替戦に出場するにはこの壁をどうしても乗り越えなければならない。今こそチーム一丸となってこの壁に挑むときだと思う。 (文:17期 丹野) BACK |