ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 6 7 7 7 27
東京国際大学 6 0 0 0 6

二部昇格へ向け新たなスタート

'10シーズンの最終戦。全勝中の防衛大が最終節も負けなかったため、今年も我がPRIMROSE(プリムローズ)にリーグ優勝の目は無くなった。厳しい現実だが、これが敗者に突きつけられた真の現実でもある。

最終戦の対戦相手は東京国際大学。東国大オフェンスはIフォーメーション。ランプレー中心だが、随所で大胆なパスワークも展開してくるバランス型の攻撃だ。そして、ディフェンスはベース43。セカンダリーのラン守備参加も多く、先ずは前線重視の姿勢がうかがえる守備である。


前半戦


先制したのは東国大。1stプレーのダイブをDE小木(#71・4年生・OL兼任)が鋭い出足でロスタックルに仕留めると、東国大は何かが吹っ切れたかのように連続パス攻撃を仕掛けて来た。PRIMROSEディフェンスは二回、三回と面白いようにパスを決められ自陣6ヤードまで攻め込まれると、最後もあっさりとパスを決められて先制TDを許してしまう(キック失敗で0対6)。

しかし、返しで何とかPRIMROSEオフェンスが踏ん張る。自陣41ヤードからの攻撃であったが、TB中川(#28・3年生・DB兼任)にボールを集め敵陣17ヤードまで前進すると、ここから再びTB中川がパワープレーからTDランを奪いすぐさま同点に追いつく(キック失敗で6対6)。

続いてもPRIMROSEオフェンス。自陣11ヤードと深いところからの攻撃であったが、TB中川のオープンプレーを皮切りに、FB古田(#49・2年生・LB兼任)のダイブで敵陣に進入。ここからTE渡辺(#80・2年生・LB兼任)、WR加藤(#85・3年生・DB兼任)に12ヤード、そして24ヤードと連続でパスがヒットしてTD。逆転に成功し、以後、試合終了まで何とかリードの展開とはなったが、特に前半戦はPRIMROSEディフェンスが東国大オフェンスのパスワークに苦しめられ自陣ゴールラインまで攻め込まれるなど、下級生を多く投入したとはいえ、決して安心して見ていられる展開ではなかった(前半終了14対6)。


後半戦


後半戦に入るとPRIMROSEディフェンスが徐々に調子を上げる。3Q中盤にはFS加藤(#85・3年生)に70ヤードの特大インターセプトリターンが生まれ(70ヤードも走ったのにTDではない・・。)、このチャンスをTB中川がパワープレーから2ヤードのTDランにつなげて、ようやく『ディフェンス→オフェンス』の好リズムを成立させる。

更に第4Qに入ると、FS加藤が再び20ヤードのインターセプトリターンを決め自陣25ヤードからの攻撃権を獲得する。PRIMROSEオフェンスはTB中川のラン、そしてこの日初陣となった一年生TBレイエス(#22・WR、DBでは今シーズン度々出場)の10ヤードのランでハーフ付近まで前進すると、ここから今度はWRの位置に入った加藤(#85)に50ヤードのパスがヒットしてダメ押しのTD。後半戦は加藤(#85)の攻守にわたる活躍が目立った(試合終了27対6)。

最後にQB吉田(#9・1年生)について少しだけ触れておく。今シーズンは1年生QB吉田で全試合を戦い抜いた。フットボール経験者でもないし、ついこの間までホンマもんのド素人だった。オプションQBとか『何』QBとかの特徴は全くない。現状の実力は全くのアベレージと言えるだろう。しかしながら、四年生QBが負傷しがちだった中、練習に毎日参加したのは当然のことながら、一年生という受動的になり易い立場に居りながらも、QBが存在しなければチーム練習が成立しない・・という事実をしっかりと察知し、ヘタクソながらもメゲずに鍛錬を続けた姿勢は、『PRIMROSE』という組織の成長のために大きく貢献したといえるだろう。しかし、繰り返しになるが現状の実力は全くのアベレージ。このまま終わるのか、更にステップアップするのか・・、今後の吉田に注目という事になるだろう。


総括


今シーズンも一つの敗戦が命取りとなった。優勝した防衛大は、最終節に引き分けこそしたが敗戦は無かった。そこに組織力の差を感じる。防衛大の強さ、スケールの大きさは新チーム結成当初から分かっていた。それでもその壁を越えるだけの努力を組織として遂行することが出来なかった。そして今、来季への準備期間が再びやって来た。なるべく簡単な表現を使うと、ズバリ上にあがりたいのであれば、コーチ、選手、スタッフ全員にもう一ランク上のレベルで『やれることは全てやる』という意識が必要となってくるのではないだろうか。更に厳しくやっていくしかない。

ともあれ、4年生は四年間お疲れさま。目標は達成できなかったが、しっかりと反省点を抽出して残された後輩達に色々と指導してやって欲しい。

(文:17期 丹野)

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