ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 0 6 0 6
東京外国語大学 0 0 6 0 6

泥沼の決戦、ドローに終わる

前日からの長雨でグランド状態が劣悪の中、第三節のホイッスルは鳴らされた。第三節の対戦相手は東京外国語大学。同大オフェンスはベースIフォーメーション、体型は豊富に散らしてくるが、軸はあくまでパワープレーのチームだ。そしてディフェンスはオーキー(52)。同大は前節までは43主体であったが、グランド状態を考慮してか、PRIMROSE(プリムローズ)オフェンスのランプレーを考慮してなのか、この日は一線重視型の守備体型を敷いてきた。


前半戦


1Qは一進一退。お互いが埼玉大グランドと対話しながらのプレーチョイス。どのプレーがランナーのスピードを殺さないのか、はたまたどの位のパスプレーまでなら打つことが可能なのか、泥沼のグランドを弄りながらの滑り出しとなった。

2Qに入ると外語大オフェンスがカウンタープレーに活路を見出し始める。PRIMROSEディフェンスは序盤から外語大オフェンスに13プレー、55ヤードのロングドライブを敢行される。このシリーズ、FGトライが失敗に終わり事なきを得たが、これにより2Qは外語大のボールの支配率が急上昇。外語大に後半戦を戦う上でのヒントを与える形となってしまった。


後半戦


3Qに入りゲームが動く。序盤、パントで外語大陣内深くまで押し込んだ守備機会を、PRIMROSEディフェンスが3回の攻撃で断ち切り、オフェンスに好ポジション(敵陣35ヤード)からの攻撃機会を供給する。ここからQB吉田(#9・2年生)がTE渡辺(#80・3年生・DL兼任)→WR加藤(#85・4年生・LB兼任)と2連続でパスをヒットさせて貴重な先制TDを奪う。

TE渡辺へのパスは80%カバーされていたが、5メン・ラッシュを一試合通して崩さなかった外語大セカンダリー陣の手薄となったミドルゾーンの20%のシームに、上手く入り込んでヒットした貴重なパスキャッチだったといえる(アッサリと書くが、キック失敗で6対0)。

グランドコンディションを考えると大きな大きな得点に思えた。しかし、『カウンター(=ランプレー)でのボールコントロール』というでっかいカードを握りしめている外語大オフェンスにこのあと怒涛の反撃を喰らうことになる。

まずは返しのキックオフリターン。外語大KR(キックリターナー)に中央付近をスルスルと72ヤードゲインされ、ゴール前1ヤードまでリターンされると、この1ヤードをあっさりとパワープレーでねじ込まれて同点TDを献上してしまう(キック失敗してくれて6対6、アッサリと書くがこれも大きかった)。

更に4Qに入ると前半戦にも見せたボールコントロールを外語大オフェンスがリピート。外語大陣内19ヤードと決して楽ではないフィールドポジションが攻撃の始点であったにもかかわらず、カウンタープレーを軸に、実に15プレーを費やされ、PRIMROSEディフェンスは自陣13ヤードまで押し込まれてしまう。ここでようやく外語大の攻撃を断ち切ったPRIMROSEディフェンスだったが、外語大にとっては十分にFGレンジであり、まさにこの試合最大のクライマックスを迎えることとなった。

時間帯を考えるとここでの失点はあまりにも大きいところだったが、ボールはポールを大きくそれて外語大のFGトライは失敗に終わった。そして、この後は両者とも決め手に欠き、結局、試合は6対6のドローで終了した。


総括


ホームで行われたこの試合。天候が悪い中、多くのご父兄・ご家族の皆さまに観戦して頂いた。試合に勝つことは出来なかったが、お父さん・お母さんの前で十分に学生達は健闘したと言えるだろう。

しかし、体育会である以上、勝てなかったことについては厳しい評価を下さなければならない。この試合、1点がとても重くのしかかった。相手より1点上回るための準備は果たして十分だっただろうか? 若いチームだという事に甘えてはいなかっただろうか? 引き分けという結果はどのようにして導き出されたのか、1点の重みをしっかりと受け止め、相手を上回るためにはどうすればよいのか、あらゆる可能性をしっかりとリサーチし、追求し、日々の練習に活かして欲しい。

(文:17期 丹野)

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