ゲーム解説
意地の99ヤードドライブ! 逆転で新潟大に勝利第4節の対戦相手は新潟大学。同大オフェンスはIフォーメーション。一見シンプルだが、4年生QBを擁するパスワークは侮れない。そしてディフェンスは43。派手なムーブメントは少なく、DL・LB陣の集まりで守る堅守型だが、セカンダリー陣の前線サポート等、一定の型は確立している。 前半戦先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。キックオフ直後の自陣31ヤードからのオフェンスシリーズ。TB比浦(#40・4年生・DB兼任)の小刻みなランとFB為野(#17・3年生・LB兼任)へのショートパスでリズム良く敵陣まで侵入すると、ここからWR松井(#11・4年生・DB兼任)に24ヤードのプレーアクションパスがヒット。一気に相手ゴール前まで前進すると、ゴールラインでの攻防は新潟大守備陣に粘られTDこそ奪えなかったが、FGできっちりと3点を先取する。 続く新潟大の攻撃を抑え再び攻撃権を得たPRIMROSEオフェンスであったが、ここでミスが発生。TB西村(#21・2年生)が新潟大ディフェンスの激しい突進にボールをファンブル。PRIMROSE陣内46ヤードと厳しい位置で新潟大に攻撃権を奪われてしまう。この機会に新潟大オフェンスにパスワークからTDを奪われ逆転を許す。優勝へ向け生き残りを賭けた戦い、さすがに簡単ではない様相を呈してきた(キック失敗で3対6)。 その後、ディフェンスに見せ場。敵陣3ヤードからの新潟大の攻撃時において、新潟大TBの右オープンプレーにいち早く追いついたLB永山(#44・4年生・TE兼任)が強引にボールをかき出してファンブルフォース。エンドゾーンに転がったボールをDE千葉(#54・4年生・OL兼任)がリカバーしてTDとなり、4年生の活躍で逆転に成功する(キック成功で10対6)。 前半戦のPRIMROSEオフェンスは1stダウンこそ何度か積み重ねたが、中々TDまで結びつけることが出来ない我慢の展開が続いた。一方のPRIMROSEディフェンスも新潟大オフェンスに対し粘り強く防戦したが、2Q中盤に縦パスから44ヤードゲインされたのを軸にTDを奪われ、新潟大リードで前半戦が終了する(キック成功で10対13)。 後半戦勝負の後半戦も序盤は新潟大のパスワークがさく裂。新潟大陣内26ヤードからの攻撃であったが、ショートパスと中央ランでPRIMROSE陣内まで侵入されると、ここで前半から度々投じていたスラントパターンのパス。ボールはOLBの頭上を通り、明らかに軌道は高かったが新潟大WRがジャンプ一番で好捕。その後、ボールが逆リード気味だった事も奏功してカウンター気味に直線走路を確保され、PRIMROSEディフェンスは43ヤードの独走TDを献上。ここ一番で新潟大のホットライン(QB#2→WR#84)に力を発揮される(キック成功で10対20)。 後半戦で堅守の新潟大相手に10点差。正直、厳しい状況には陥った。しかし、PRIMROSEディフェンスは決して守れていないわけではなかった。ランはほぼ完ぺきに止めていたし、パスワークに対してもLB陣がボールの通り道を把握し始めていた。地道な作業が実ったのはPRIMROSEオフェンスが3点を返し、13対20で迎えた3Qの中盤。新潟大陣内17ヤードからの新潟大の攻撃であったが、序盤に独走を許したプレーと同様のホットライン(QB#2→WR#84)のスラントパターン。ボールは再びOLBの頭上を通る高めの軌道+逆リード気味のコントロールだった。しかし、今度はCB豊田(#10・4年生・WR兼任)がこれをきっちりとインターセプトに仕留め、敵陣23ヤードと絶好の位置でオフェンスに攻撃権を供給。このシリーズでPRIMROSEオフェンスがTDを奪い同点とする。相手の得意パターンを封じ、オフェンスが加点。チームに一気にアクセルがかかり始める(キック成功で20対20)。 4Qに入り、新潟大にPRIMROSE陣内1ヤードまで押し込まれる絶妙なパントを決められ、陣地を大きく挽回されたPRIMROSEがピンチに陥ったかに見えたが、好調の波は途絶えなかった。TB比浦(#40)の3回のキャリーでレッドゾーンを脱出すると、QB金澤(#31・3年生)のキーププレーとTB西村(#21)にも前半のミスを帳消しにする35ヤードの今日一番のロングゲインが生まれて一気に相手ゴール前まで前進すると、最後はTB比浦(#40)が中央から7ヤードを切れ込んで逆転のTD。99ヤードの逆転ドライブを敢行し、新潟大を突き放した(キック成功で27対20)。 更に返しの新潟大のオフェンス時においてもCB豊田(#10)が相手WR(#84)とのマンツーマンのマッチアップを征しインターセプトに仕留めると、ここからPRIMROSEオフェンスがダメ押しのTDを奪い試合を決定づけた(キック成功で34対20)。 総括苦しみながらも何とか勝利できた。次節、優勝をかけた一戦になるが挑戦者としての気持ちを忘れてはならない。オフェンスもディフェンスもまだまだ力不足の部分をたくさん抱えている。練習でしっかりと積み上げをして最高のチーム状態で戦ってもらいたい。 (文:17期 丹野) BACK |