ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 10 0 0 10
成城大学 0 0 3 17 20

再び二部の壁、無念の三部残留

入替戦の対戦相手は成城大学。同大オフェンスはマルチプル。タイプの違うQBを使い分け、ランで左右に、パスで上下に揺さぶりをかけてくる。そしてディフェンスはベース8メンボックス(44)。機動力を生かした集まりの良い守備を展開する。


前半戦


1Qは一進一退。PRIMROSE(プリムローズ)オフェンスは二度FD(ファーストダウン)を重ねるが反則等もあり敵陣を超えた所でパントを選択。返しの成城大オフェンスにも三度FDを奪われたが、PRIMROSE陣内34ヤードに入った所でOLB及川(#15・4年生・FB兼任)にQBサックが生まれ、成城大オフェンスの前進をストップ。パントへと追い込む。

スコアが動いたのは2Q。PRIMROSEに先制ドライブが生まれる。自陣13ヤードからの攻撃であったが、のっけのFB為野(#17・3年生・LB兼任)のダイブが18ヤードゲインして波に乗ると、TB比浦(#40・4年生・DB兼任)に次々とボールを持たせ敵陣へと侵入する。ここからSB(スロットバック)金澤(#31・3年生)が右オープンプレーから38ヤードのロングゲインを奪い、一気に成城大ゴール前まで前進すると、最後は主将TB比浦(#40)が5ヤードを中央突破してTD。8プレー87ヤードのロングドライブを成功させ先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

オフェンスの奮起に応え、PRIMROSEディフェンスも序盤からの粘り強い守備を継続。FDこそ奪われるが要所ではLB永山(#44・4年生・TE兼任)を中心としたLB陣の好タックルで成城大オフェンスにフィニッシュワークを許さず、前半戦は無得点に抑える。

そして2Q終盤。我慢の展開の中でPRIMROSEオフェンスにチャンスが生まれる。自陣35ヤードからの攻撃であったが、TB比浦(#40)のランが15ヤード→11ヤードと連続の好ゲイン。続いてWR松井(#11・4年生・DB兼任)に11ヤード、そして、TE永山(#44)に6ヤードのプレーアクションパスがヒットして成城大陣内深くまで攻め込むと、最後は33ヤードのFGへとつなげて追加点。10対0とまずまずのスコアで前半戦を折り返す。


後半戦


後半戦最初に仕掛けたのは成城大。PRIMROSEは開始の成城大のキックオフリターンで39ヤードのロングゲインを喫し、いきなり自陣を背負う展開を強いられる。PRIMROSEディフェンスも何とか粘ってFGでの3失点に止める(10対3)。

返しのPRIMROSEオフェンスは自陣24ヤードから。SB松井(#11)のオープンランが10ヤード。FB為野(#17)の中央ダイブが10ヤードと外に中に好ゲインを連発して敵陣へと侵入すると、ここからWR豊田(#10・4年生・DB兼任)に19ヤードのプレーアクションパスがヒットしたのを軸に敵陣16ヤードまで押し込むと、TDこそ奪えなかったが何とかFGトライへと結びつける。しかし、この33ヤードのFGが失敗に終わり追加点を奪うことができない。時間は消費して4Qへと突入。TD1本差のリード。微妙な流れであったが、無情にもここから成城大の怒涛の反撃が開始される。

4Q序盤の成城大の攻撃は成城大陣内20ヤードから開始。インサイドレシーバーに23ヤードのミドルパスを決められたのを皮切りに、途中スクリーンプレーで29ヤードのロングゲインを許し、エンドゾーンを背負う。PRIMROSEディフェンスも体力的な限界が近づいてきている中で独走はさせまいと必死の守備。GL(ゴールライン)での攻防も1stダウン、2ndダウンとLB永山(#44)、DE千葉(#54・4年生・OL兼任)のタックルで切り抜けたが、3rdダウンで8ヤードのプレーアクションパスを決められてTDを献上。10プレー80ヤードのロングドライブを喫し、遂に遂に同点とされてしまう(キック成功10対10)。

ここから反撃を試みたかったPRIMROSEオフェンスであったが、要のランプレーでゲインが奪えず、3rdダウンのパスも失敗に終わり、結局、3&アウト。攻撃権は再び成城大へと移動してしまう。この攻撃で成城大に8プレー・76ヤードのドライブを決められ逆転を許すと、終盤にもFGで3点を決められダメ押し。成城大の猛攻にPRIMROSEは力尽きた(試合終了10対20)。


総括


序盤何とかリードを奪えたが、やはり二部の壁は厚かった。4Qを通して見れば、成城大の方が足は動いていたし、スコアが示す通りで、PRIMROSEは瞬間風速で相手を上回ることが出来ていたという事に過ぎない。総合力ではやはり成城大が上だった。二年連続の入替戦での敗北。むやみに重い現実だが、出来ないところを埋めて再び挑むというサイクルに変化はないだろう。来季こそ必ず…。

東日本大震災(3.11)の直後に入学した今年の4年生。千葉(#54・石巻)、永山(#44・福島)、及川(#15・盛岡)など、正にあの時あの場所にいた者もいる。アメリカンフットボールどころではなかった…という状況の中で入部を決意してくれた結束固いメンバーだ。強い気持ちを持った頑固なメンバーがチームをここまで成長させてくれた。四年間お疲れ様でした。

(文:17期 丹野)

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