ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 7 7 7 0 21
大東文化大学 0 7 0 0 7

攻守噛み合い有終の美

リーグ戦第5節(最終節)の対戦相手は大東文化大学。同大オフェンスのベースはショットガン・フォーメーション。3部リーグでは珍しいパス・オリエンテッド。気を抜くとセーフティの裏側にまでガンガンとパスを投げ込んで来る。そして、ディフェンスはベース43。基本2セーフティではあるが、この日はラン警戒態勢MAX。8人ないし9人体制のラン守備BOXを多用し、前線重視型の守備シフトとなっていた。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。互いにパントを蹴り合い迎えた1Q終盤。序盤のパントでの押し込みが効いて大東大陣内46ヤードからと、まずまずのフィールドポジションを得る。ここからTB金澤(#31・4年生)へのピッチプレーが21ヤードのミドルゲイン。その後FB為野(#17・4年生・主将)に15ヤードのフラットパターンのパスがヒットして大東大ゴール前まで前進すると、最後はTB金澤(#31)が3ヤードを中央ランでねじ込んでTD。欲しかった先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

2Qに入り大東大が反撃。大東大陣内33ヤードからの攻撃であったが、ショートパスとQBランがテンポよく決まり始める。また、攻撃アサイメントが崩れてからのスクランブルしながらのパスなど、大東大のしぶとい攻撃がPRIMROSE守備陣を苦しめる。結局このシリーズは11プレー、67ヤードのTDドライブを敢行されて同点とされてしまう。(キック成功で7対7)。

大東大に追いつかれた時点で前半戦は残り1分少々であったが、PRIMROSEオフェンスがここから貴重な追加点を奪う。PRIMROSE陣内38ヤードと決して浅い所からの攻撃ではなかったが、SB為野(#17)へのパスが11ヤード→13ヤードと効果的に成功。途中、大東大のパスインターフェアの反則もあり大東大ゴール前4ヤードまで一気に前進すると、この4ヤードをTB金澤(#31)が中央ランからエンドゾーンまで飛び込んでTD。この時点で残り時間10秒少々。最高の時間効率で2ミニッツ・オフェンスを完結し、勝ち越し点をゲットする(キック成功で14対7)。

前半戦はPRIMROSEがラン。そして、大東大がパス…という互いの持ち味を活かした攻撃を展開し、14対7と全く気の抜けない点差で終了した。


後半戦


後半戦も序盤はパントの蹴り合い。しかし、PRIMROSE守備陣に前半戦との違いが見え始める。前半戦要所で決められていた大東大のパス攻撃に対し、徐々にアジャストが出来始めてきた。DL荻野(#56・3年生・OL兼任)やOLB大澤(#2・1年生・FB兼任)を中心としたフロント守備陣が効果的なパスラッシュから大東大QBにプレッシャーを与え続け、その後方ではCB菊池(#7・4年生・WR兼任)、原(#12・3年生・WR兼任)を中心としたDB陣が好カバー&タックルを決めた。後半戦は前後それぞれのポジションが担当する守りの役割を全うすることが出来ていたように思う。

3Q中盤。ディフェンス陣の奮闘にPRIMROSEオフェンスが応える。パントで押し込まれて開始されたPRIMROSE陣内深い所(8ヤード)からの攻撃であったが、ここからビッグプレーが生まれる。TB金澤(#31)がカウンタープレーから92ヤードを一気に駆け抜ける独走のTDラン。追いすがる大東大にプレッシャーを与える貴重な貴重な追加点となった(21対7)。

4Qに入ってもPRIMROSE守備陣は要所を締める。ショートパスに対してはこまめにタックル。ロングパスは適切なゾーン取りで対処し、オフェンスへの攻撃権の供給を繰り返した。それに対しPRIMROSEオフェンスも1stダウンの上乗せ&ボールコントロールで時間消費。結局最後もオフェンスが攻撃権を持ったままイート・ザ・ボウル(ニーダウンで時計を進める)。ファイナルスコア21対7で最終節を締め括った。


総括


最終戦、(他のチームの試合結果如何では)勝利をすれば優勝の可能性も僅かに残っていたが、最終結果はリーグ2位という事で万事休した。兎にも角にも4年生はお疲れ様でした。初戦の敗戦でチームは崩れかけた。しかし、そこから総崩れせず、最後まで勝ちにこだわる戦いが出来たのは4年生の尽力によるところが大きかったと思う。

しかし、2部昇格という目標は達成出来なかった。まだまだ力が足りないのは成績からも明らかだ。来季は新人勧誘も練習も今季以上に取り組んで、必ずや勝負できるチームに生まれ変わろう。

(文:17期 丹野)

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