ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 7 0 0 0 7
玉川大学 0 0 0 7 7

粘りの玉川大に痛恨のドロー

リーグ戦第3節の対戦相手は玉川大学。同大オフェンスはウィッシュボーン。トラディショナルな体型からはオプション攻撃が主流かと考えがちだが、TBの縦への突進も決して侮れない掴み所のないオフェンスだ。そして、ディフェンスはベース44。人員配置を比較的フレキシブルに行う全員守備型の気迫のこもった守備といえる。


前半戦


パスやキックングの精度が心配される程の強風が吹き荒れる中で試合は開始された。しかし、そんな心配も余所にPRIMROSE(プリムローズ)が幸先良く先制する。開始のキックオフリターンでKR菊池(#7・4年生)が52ヤードのロングゲインを奪い、逆風の中からではあるがいきなり玉川大陣内48ヤードと絶好のポジションからPRIMROSEオフェンスの1stシリーズが開始された。ここからTB金澤(#31・4年生)のパワープレーを軸にゲインを重ね、6プレーかけて玉川大ゴール前まで前進すると、最後も中央右パワープレーからTB金澤(#31)が2ヤードをねじ込んでTD。開始早々リズム良く先制することが出来た(キック成功7対0)。

このまま良いペースを掴めるか…というところであったが、試合はここから我慢の展開に突入。PRIMROSEオフェンスはランプレーでミドルゲインを随時奪うも、玉川大ディフェンスに要所を締められ、なかなかエンドゾーンまでたどり着くことが出来ない。そんな中でもFG(3点)を奪うチャンスは幾度かあったが、キックの失敗や要所での反則→罰退でFGレンジを逸するなど、チグハグな展開が続いた。

しかし、この日のPRIMROSEはディフェンス陣が奮闘。玉川大オフェンスの要であるTBのトラッププレーに対し、LB廣嶋(#80・2年生)を中心とした集まりの良い守備でランストップし、前半戦は玉川大に得点機会を与えなかった(前半終了7対0)。


後半戦


後半戦に入ってもPRIMROSEオフェンスはリズムに乗り切れない。ランプレーはミドルゲインを奪っているが、強風の影響もあり要所でのショートパスに安定感を欠き、ランプレーゲインの後の次の一手をなかなか決めることが出来ない。しかし、前半同様に得点のチャンスが無かった訳ではない。強風の中、確実なランプレーで粘って粘ってホフク前進し、第3Qも何とか41ヤードのFGトライへと漕ぎつけたが、今度は玉川大ディフェンスにキックをブロックされて得点チャンスを逸してしまう。お互いランプレーの多い展開の中で悪戯に時計が進んだ結果、7点という決してセーフティリードとは言えない状況のまま試合は第4Qへと突入する。

4Q序盤。ここまで得点機会を与えてこなかったPRIMROSEディフェンスであったが、ついに玉川大オフェンスにドライブを許してしまう。玉川大陣内38ヤードからの玉川大オフェンスの攻撃であったが、TBのトラッププレーで28ヤードの今日一番のロングゲインを奪われ、一気にPRIMROSE陣内まで侵入を許すと、続くダイブプレーでも9ヤード→14ヤードと連続ゲインされてゴールを背負う展開に。最後は右オープンプレーから相手TBに6ヤードを走られてTDを奪われてしまう。タックルミスもあったが、玉川大の得点機はこの一回のみ。試合を通して一定のパフォーマンスを発揮していたディフェンスを責めることはできないだろう。

4Q終盤。ディフェンスの頑張りに応えるためにも何とか逆転したいPRIMROSEオフェンスであったが試練は続く。自陣39ヤードからの攻撃であったが、TB金澤(#31)の13ヤードのオープンプレーやTE為野(#17・4年生)への10ヤードのミドルパスなど、決死の粘りで敵陣ゴール前4ヤードまで前進する。そして、最終4thダウンは21ヤードのFGトライ。残り時間は14秒。運命は1年生K森(#5)に託されたが、向かい風の中で蹴られたボールは無情にもポールの左へそれ、同点のまま試合は終了となった(試合終了7対7)。


総括


玉川大の粘りに対して押し切ることが出来なかった。ディフェンスが安定していただけに悔いの残る試合展開だったと思う。しかし、総合的に見て単純なミスが多い。それはすなわち何が出来ていないかはっきりしている部分も相当に多いという事だ。であれば、することは決まっていると思う。次節、出来ていない部分を一つでも多く練習してゲームに臨んでもらいたい。

(文:17期 丹野)

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