ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 21 0 0 13 34
東京都市大学 0 0 0 6 6

速攻&堅守で勝利

リーグ戦第4節の対戦相手は東京都市大学。同大オフェンスのベースはワンセットバック。スロットバックを配置するスキームを得意とし、ショートパスやゾーンストレッチ等、多彩にプレーを散らしてくる。そして、ディフェンスは43。担当ギャップの割り振りやセカンダリーのカバレッジルール等、3部リーグでは大きく崩してくるチームが多い中、前も後ろも均分なパワーバランスで守ろうとしている。ベース有っての変化、通説有っての諸説、数年前1部校だった彼らの守備からは一定のメッセージ性が読み取れる。


前半戦


この試合はPRIMROSE(プリムローズ)のディフェンスからスタート。都市大の攻撃は都市大陣内28ヤードから。1stダウンは右オープンへのゾーンストレッチ(オープンサイドに人数をかけてラインマンを投入し、複数のホールをランニングバックに選択させながら走らせるランプレー)。DE岩崎(#55・2年生・OL兼任)が相手TBを外へと追い込み、CB原(#12・3年生・WR兼任)がタックルする形でこれを仕留める。2ndダウンは左オープンへの同じくストレッチ。今度は逆のDE荻野(#56・3年生・OL兼任)がオープンサイドのギャップを制圧。たまらず内上がりしたTBをLB廣嶋(#80・2年生)が仕留め、最終3rdダウンのパスもCB小川(#32年生・WR兼任)がもう少しでインターセプトと言う形でパスカット。キッチリと3プレーでオフェンスへとバトンタッチする。

続くPRIMROSEオフェンスもディフェンス陣の奮起に応える。敵陣45ヤードからの攻撃であったが、2プレー目のプレーアクションパスがWR菊池(#7・4年生・DB兼任)にヒット。これが45ヤードのTDパスとなり、速攻が決まって幸先よく先制する(キック成功で7対0)。

その後もPRIMROSEディフェンスは安定。最初のシリーズから5回連続で3&アウトに成功し、オフェンスに攻撃機会を与え続けた。また、2Qに入ってもOLB山田(#52・4年生)とCB原(#12)にインターセプトが生まれるなど好調をキープ。前半戦に奪われた1stダウンの更新は2回。都市大オフェンスに得点機会を一度も与えなかった。

一方のオフェンスは1Qの中盤と終盤にTB金澤(#31・4年生)が17ヤードと8ヤードのTDランで加点。まずまずのリードで前半戦を折り返すことができた(前半終了21対0)。


後半戦


後半に入り、3Qはお互い無得点に終わったが、最終4QにPRIMROSEディフェンスの安定した守備からチャンスが生まれる。序盤、都市大陣内18ヤードからの都市大の攻撃。1stダウンはDE岩崎(#55・2年生・OL兼任)とDT舘坂(#51・4年生・OL兼任)の鋭いチャージから相手QBをスクランブルへと追い込んでノーゲインとすると、続く2ndダウンはOLB工藤(#46・2年生)がスラントパターン(WRが内側へ切れ込んでくるパスコース)のパスをパスカット(インターセプトせんかい…と言う感じではあった)。最終3rdダウンのパスもセカンダリー陣の適切なゾーン取りで切り抜け、パントへと追い込む。この都市大のパント時においてスナップの連係ミスが起こり、PRIMROSEディフェンスが都市大パンターにパントを蹴らせることなくタックルに仕留め、都市大陣内4ヤードと絶好のフィールドポジションをオフェンスへと供給する。このチャンスにTB金澤(#31)が中央右パワープレーから3ヤードを駆け抜けてTDを奪い、遂に後半戦の均衡が破れる。

更にPRIMROSEの勢いは止まらない。返しの都市大の攻撃時においてFS金子(#4・1年生)にインターセプトが生まれ、またまた好フィールドポジション(敵陣39ヤード)をオフェンスに供給。ここもTB金澤(#31)が4ヤードのTDランで締めてダメ押し点を奪った(キック失敗34対0)。

結局試合は4Q終盤にPRIMROSEオフェンスが自陣でパントブロックを喰らった流れから失点を喫したものの、この失点シーン以外ではディフェンス陣は終始安定。攻撃ドライブと言う意味では都市大オフェンスに継続性を与えなかったし、得点機会もほとんど与えなかったと言えるだろう(試合終了34対6)。


総括


一定の集中力を保ち、特にディフェンスは安定していたと思うが、やはりチーム全体で見ればまだまだミスも多いし、ゲームをコントロールしているという感覚からは程遠いと言えるだろう。まだまだ足りない部分は目に見えて存在するが、次節は最終節。準備期間は決して長いとはいえないが、組織として、チームとして上を目指した取り組みを実践・継続してもらいたい。そして、必ず勝とう。

(文:17期 丹野)

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