ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 21 7 13 14 55
亜細亜大学 0 22 0 7 29

守備に課題残すも初戦を制す!

開幕戦の対戦相手は亜細亜大学。同大オフェンスはIフォーメーション。大型のラインマンを活かした中央ダイブ。そこにバックス陣の機動力を活かしたオープンランとパスワークを絡め、中に外にプレーを散らしてくる。そして、ディフェンスはベース3‐5。中央ラインマンの縦への圧力で攻撃プレーをスローダウンさせ、後方で待ち構えるセカンダリー陣の集まりで守るタイプの守備と言える。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。亜細亜大のキックオフリターンから開始された試合であったが、PRIMROSEのキックカバーチームの廣嶋(#70・3年生)、岩崎(#55・3年生)が鋭い突進から相手キックリターナーのキャリーボールをファンブルさせる。このボールを同じくカバーチーム荻野(#56・4年生)がリカバーしターンオーバー。1プレーで、敵陣26ヤードと絶好のポジションで攻撃権を奪い取る。この攻撃をTB藤澤(#24・2年生)の1ヤードのTDランで締め括り、電光石火の如く先制点を奪い取る(キック成功で7対0)。

更にPRIMROSEの攻勢は続く。返しの亜細亜大オフェンスの攻撃をPRIMROSEディフェンスが1つのファーストダウンも与えることなくシャットアウト。すかさず攻撃権を奪い取る。そして今度は縦パス一閃。WR篠澤(#43・2年生・DB兼任)へ26ヤードのパスがヒットしてTDを奪う(キック成功で14対0)。

1Qはディフェンスとオフェンスが見事に共演。三たび奪った攻撃権でWR高橋(#27・4年生・DB兼任)にも縦パスからTDが生まれ、21対0と大きく引き離すことに成功する。

しかし、2Qに入ると亜細亜大の反撃が開始される。序盤。早いタイミングのスラントパターンのパスを通されPRIMROSE陣内まで侵入されると、ここからブーツレッグからのミドルパス(27ヤード)が亜細亜大TEにヒット。ランアフターキャッチで上乗せゲインされTDを奪われる(キック成功で21対7)。

その返しでPRIMROSEオフェンスは10プレー78ヤードのTDドライブを敢行し、再び引き離したかに見えたが、亜細亜大オフェンスの勢いはまだ止まらない。中盤、単純なスウィープからの相手TBの左オープンプレーだったが、PRIMROSEセカンダリー陣のタックルミスも重なりライン際に走路を確保されると、そのまま54ヤードを独走されTDを奪われてしまう。ミスもあったとは言え、単純な交通事故とは言い切れない嫌な形での失点となってしまった(キック成功で28対14)。

亜細亜大に勢いを与え、嫌な流れが継続する中で終盤にも悪夢。PRIMROSEオフェンスにパント時のスナップミスが起こり、亜細亜大オフェンスにゴール前攻撃権をあっさりと献上してしまう。PRIMROSEディフェンスは、ここを中央ダイブで押し切られてTDを上乗せされ、前半戦は28対22と猛追を受ける形で終了した。


後半戦


嫌な終わり方をした前半戦であったが、PRIMROSEはオフェンスがストップされていた訳でもないし、リードの展開を許していたわけでもない。課題はディフェンスであったが、3Qに入り、ようやく落ち着きを見せ始める。

亜細亜大オフェンスの後半最初のシリーズは亜細亜大陣内37ヤードから。1stプレーは左のオプション。CB篠澤(#43・2年生・WR兼任)が素早い駆け引きからオープンサイドの走路を塞ぎ、相手QBをサイドラインへと追い出して3ヤードのロス。2ndプレーはプレーアクションパス。今度はディフェンスラインが猛ラッシュ。DE岩崎(#55・3年生・OL兼任)、DT金田(#74・4年生・OL兼任)が次々と相手QBに襲いかかり、バランスを崩したところでサックに仕留め4ヤードのロス(記録上はNG高木・#65のサック)。3rdプレーのカウンターランもDE岩崎(#55)が鋭い突進からタックルを決めてノーゲイン。3&アウトでオフェンスへと攻撃権を供給し、前半第1Qで見せたディフェンス⇒オフェンスの好リズムが復活する。

結局、後半戦は4Qに疲れが見え始めた所で亜細亜大オフェンスに1TDこそ許したが、PRIMROSEはそれを上回るペースでTDを奪い続けて(⇒3Qに2TD、4Qにも2TD)ゲームをコントロール。ファイナルスコア55対29で初戦勝利を飾った。


総括


開幕戦。相手情報の全く無い中での試合であったが、何とか勝利することが出来た。しかし、肝心な所でのタックルミスやスナップのミスなど集中力を欠いたプレーも散見され、反省点の多い試合内容であったと思う。次は、第2節とまだまだ序盤戦ではあるが、難敵である千葉大学との一戦だ。良いチーム状態で戦うことが出来る様、しっかりと準備をしてもらいたい。

(文:17期 丹野)

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