ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 7 14 14 21 56
千葉大学 7 6 0 7 20

難敵を下し2連勝!

第2節の対戦相手は千葉大学。同大オフェンスのベースはIフォーメーション。QB、TB、FB、TEと各所にタレントを配し、ランにパスにバランスよくプレーを散らしてくる。そして、ディフェンスは3‐4。春季の定期戦では4‐3だったが、大きく変化させてきた。随所に4‐3も混入し、攻撃陣をかく乱させる戦法を取ってきた。


前半戦


千葉大学の攻撃からスタートした1stシリーズであったが、いきなりのフリ・フリッカー(通常はパスを投げないポジションであるRBがパスを投げるトリックプレー)でPRIMROSE(プリムローズ)ディフェンスに揺さぶりをかけてきた。一瞬ヒヤッとしたが、ここはSS高橋(#27・4年生・WR兼任)が落ち着いてディープゾーンをフォローしてカバード。事なきを得る。

返しのPRIMROSEのオフェンスで先制点。自陣31ヤードからの攻撃であったが、TB藤澤(#24・2年生)、西村(#21・4年生)のランを中心にじわじわと前進。9プレー、69ヤードのTDドライブを成功させる(キック成功で7対0)。

しかし、そこは序盤戦の大一番。千葉大学も譲らない。返しの千葉大学の攻撃は千葉大学陣内33ヤードから。開始のTBの右オープンプレーに対してPRIMROSEディフェンスは31ヤードのロングゲインを許すと、ここから4ヤード、17ヤード、9ヤードと千葉大学TEへのパスを次々と通されてしまう。SF(セーフティー)の内側、LBの後ろ側、いわゆるシーム(ゾーンの縫い目)を上手く突いたパスで、あっという間にゴール前まで前進されると、最後はFBに3ヤードをダイブで走られてTDを献上。同点とされる(キック成功で7対7)。

しかし、しかし、PRIMROSEオフェンスも負けてはいない。キックオフリターンでKR(キックリターナー)藤澤(#24)が25ヤードのミドルゲインでハーフ付近からの攻撃権を得ると、ここからTB西村(#21)のパワープレーで14ヤードをゲインして敵陣まで侵入。更にTB藤澤(#24)のゾーンストレッチで千葉大ディフェンスを左右に揺さぶると、最後はパワープレーが真ん中にクリーンヒット。OLがこじ開けた穴にTB藤澤(#24)が矢のように直進して19ヤードのTDラン。再びリードする(キック成功で14対7)。

続くシリーズでPRIMROSEディフェンスは千葉大学オフェンスを3回の攻撃でシャットアウトし、パントへと追い込んだが、ここで再び千葉大学オフェンスが奇襲。パントの体型からのスペシャルプレーを決められてPRIMROSEディフェンスは26ヤードのロングゲインを喫する。攻撃にバトンタッチをするどころか、一瞬で自陣のゴールを背負う展開へと追いやられる。結局、このシリーズを千葉大学オフェンスにTBのパワープレーによるTDラン(3ヤード)で締め括られてTD数で追いつかれてしまう(キック失敗で14対13)。

点の取り合いの様相を呈したが、前半戦最後の得点はPRIMROSEオフェンスに生まれる。2Q中盤。自陣39ヤードからの攻撃権を得たPRIMROSEオフェンスは、TB西村(#21)、藤澤(#24)のランを中心に7プレー、61ヤードのTDドライブを敢行。何とかTD1本差分のリードを確保して前半戦を終えることに成功する(キック成功で21対13)。


後半戦


後半戦最初の攻撃はPRIMROSEオフェンスから。この最初のシリーズをモノに出来れば2TD以上の点差に突き放すことが出来るだけに、大きな意味のあるシリーズであった。その開始のキックオフリターン。KR藤澤(#24)のリターンは25ヤードのゲイン。自陣40ヤードとまずまずの所からPRIMROSEの攻撃が開始される。

1stプレーのTB西村(#21)の中央ランは1ヤードのゲイン。向こうも勝負所は分かっている。鋭い集まりだ。しかし、ここから右のオープンでTB藤澤(#24)が10ヤード、左のオープンでTB西村(#21)が7ヤードと千葉大学ディフェンスに揺さぶりをかける事に成功。敵陣へと侵入する。更にここからTB西村(#21)がオープンプレーから14ヤード。ゾーンストレッチから大外に13ヤードとゲインを重ね一気に千葉大学ゴール前まで前進すると、最後はTB藤澤(#24)が左パワープレーから5ヤードをねじ込んでTD。前半戦からの点の取り合いの流れが解除される大きな大きなポイントゲットとなった。

また、オフェンスラインの粘り強いブロックと、プラス1ヤード、2ヤードとゲインが上乗せされていくRB陣のヒット&エフォートの共演は、千葉大学ディフェンス陣に十分な精神的ダメージを与えたと言えるだろう。(キック成功で28対13)。

この得点の後はPRIMROSEディフェンスも安定。返しの千葉大学のオフェンス時にLB廣嶋(#70・3年生・OL兼任)にインターセプトが生まれるなど、攻撃陣をきっちりとサポート。終わってみれば後半は5TD、ノーパントの猛攻となり、序盤戦の大一番を何とか征することが出来た(試合終了56対20)。


総括


毎年定期戦をしている千葉大学との手の内を分かり合った上での一戦は、『楽しみ』と『やりたくない』が交錯する複雑な対戦ではあった。しかし、チームが成長をするためにはこのような対戦は必要不可欠だし、今回はほんの少しの差ではあったが、この壁を何とか乗り越えることが出来た。この勝利を成長に繋げ、次節も必ず勝とう。

(文:17期 丹野)

BACK