ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 3 17 14 7 41
国際基督教大学 7 0 0 0 7

好守から連続得点で3連勝!

第3節の対戦相手は国際基督教大学(=国際キリスト教大学 以下、ICU)。同大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。前節まではTフォーメーションで早いプレーとオプションやQBランとのコンビネーションを攻撃の主体としていたが変化させてきた。そして、ディフェンスは4‐4。フィールドに対してバランス良く人員を配置し、担当ギャップをきっちりと守ろうという正統派の守備と言えるだろう。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。PRIMROSE陣内39ヤードから開始された攻撃であったが、TB西村(#21・4年生)のゾーンストレッチが28ヤードゲインしたのをきっかけに敵陣深くまで侵入すると、このチャンスをK宮川(#18・4年生・キャプテン)のFGへとつなげて3点をゲットする。

返しのICUの攻撃はICU陣内24ヤードから。SB(スロットバック)に19ヤードゲインのショートパスを決められたところでハーフ付近。ここからICUオフェンスにスペシャルプレーを決められる。ダブルリバースのフェイクからWRがパスを投げるフリ・フリッカー。SF内野(#28・2年生)が相手のフェイク作業の途中でプレーに気づいてクサビになったため、29ヤードのゲインに留まったが、ゴールを背負う展開を強いられる。ここからRBの中央ランを中心にしぶとく押し切られてTDを奪われる。ドライブをされての逆転劇。ICUの入念な準備にしてやられる(キック成功で3対7)。

そして更なる試練が訪れる。直後のキックオフでICUがオンサイドキック(キックオフでわざと短いキックを蹴って、自軍がボールを確保することを試みる奇襲作戦)。隙を突かれたPRIMROSEは、これをICUカバーチームにリカバーされて攻撃権は再びICUへ。

ここまでのシナリオ、流れは確実にICUであったが、この日はここからPRIMROSEディフェンスが力を発揮する。

ICUオフェンスの1stダウンはWRのスラントイン。SF高橋(#27・4年生・副キャプテン)が素早いターンからパスコースに入り込みボールをカット。2ndダウンの中央プレーはOLB大沢(#2・2年生・RB兼任)が鋭いブリッツからランナーをスローダウンさせたところをDE岩崎(#55・3年生・OL兼任)がタックルしノーゲイン。3rdダウンは右のオープンプレー。ブリッツは反対サイドからであったが、ILB廣嶋(#70・3年生・OL兼任)が的確なプレーリードから攻撃サイドを補完。2ヤードのロスタックルに仕留める。

ディフェンス陣の奮闘で傾きかけた流れを呼び戻したPRIMROSEは、続くオフェンスシリーズでTB藤澤(#24・2年生)、西村(#21)のランを中心にドライブしてTDを奪い逆転に成功する(キック成功で10対7)。

波に乗ったPRIMROSEに更にビッグプレー。ICUのキックオフリターン時にICUがジャックルし、フィールド上を転々としている楕円球をPRIMROSEカバーチームの篠澤(#43・2年生)がリカバー。(あくまで結果的にではあるが)先ほどやられたオンサイドキックのお返しをする事に成功する。この攻撃権もTB藤澤(#24・2年生)の4ヤードのTDランで締めくくり、きっちりと加点。完全に流れを手繰り寄せる(キック成功で17対7)。

前半戦は更にK 宮川(#18)のFGでもう3点を加えて20対7で折り返す。


後半戦


後半戦もPRIMROSEのペース。序盤、ICUの攻撃はICU陣内29ヤードから。RBがディレーでディープゾーンに入り込むジェットパターンのパスを決められ、23ヤードと大きくゲインを許した上でFD(ファーストダウン)を一度更新されが、直後のパスでFS内野(#28)がスロットバックのアウトパターンをインターセプトに仕留めてICUの攻撃を遮断。オフェンスへと攻撃権を供給する。

この攻撃でTB西村(#21)にオープンプレーから58ヤードの独走TDランが生まれ、後半戦も加点モードへと突入する。

返しのICUの攻撃時もPRIMROSEディフェンスは隙を見せない。1stダウンはRBのオープンプレー。DE岩崎(#55)がオープンサイドの1on1を制してクサビとなったところをCB原(#12・4年生・WR兼任)が矢のようなタックル。2ndダウンの中央ランもDE岩崎(#55)、OLB大沢(#2)が鋭いチャージから2ヤードのロスタックルに仕留めると、続く3rdダウンのロングパスも序盤から好カバーを見せているSF内野(#28)がボールをカットしてゲインを許さない。そして、4thダウンにICUがパント体型からフェイクランを試みるも、これもきっちりとカバーして敵陣25ヤードと好フィールドポジションでの攻撃権をオフェンスに供給する。

この攻撃をTB藤澤(#24)が3ヤードのTDランで締めくくりダメ押し。試合を決定づける(キック成功で34対7)。

結局試合は、4QにOLB大沢(#2)が45ヤードのインターセプトリターンで、もう1TDを追加。ファイナルスコア41対7でPRIMROSEが勝利した。


総括


ディフェンスが良い形で相手攻撃をストップし、そのチャンスをオフェンスが得点に結びつけるという理想の形が何度かは見られたが、まだまだミスも多いし、優勝、そして、昇格をするためには攻撃、守備共にもう1ランク、プレーの精度を高めなければならないだろう。上手くなる。強くなる。情熱を持って練習に取り組み、更なる高みを目指してもらいたい。

(文:17期 丹野)

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