ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 21 6 18 45
東京理科大学 7 21 7 0 35

激戦を制しリーグ優勝!

最終第5節の対戦相手は東京理科大学。同大のオフェンスはマルチプル。体型の変化、人材の配置、各要素に工夫を凝らし、守備に的を絞らせない様なテンポの良い攻撃を仕掛けてくる。そして、ディフェンスはベース4‐3。ラン守備ファーストではあるが、5‐2型の守備も随所にちりばめるなど、強固に担当ギャップを死守できる守備BOXをいくつか所有し、スクリメージを支配する。


前半戦


この試合、PRIMROSE(プリムローズ)は序盤から劣勢を強いられる。PRIMROSEディフェンスは理科大のランプレーはそこそこでストップすることが出来ていたが、思い切りの良いパスワークをここぞという所で決められ、失点を重ねる展開となった。

とにもかくにも2Q序盤で理科大に14点のリードを許した。当然の事ながらワンチャンスでは逆転できない訳で、苦しい展開は確定…という感じではあったが、ここからPRIMROSEオフェンスの反撃が開始される。

2Q序盤のPRIMROSEオフェンスの攻撃は理科大陣内40ヤードから。QB佐々木(#6・4年生)がプレーアクションからTE宮川(#18・4年生・キャプテン)に40ヤードのパスを鮮やかにヒットしてTD奪い、反撃の狼煙を上げる(キック成功で7対14)。

しかし、理科大オフェンスの勢いはまだ(まだ)止まらない。理科大陣内5ヤードと深い所からの攻撃スタートであったが、PRIMROSEディフェンスは理科大オフェンスのパスワークに対し、14ヤード、11ヤード、21ヤードと連続でゲインを許し、あっさりとPRIMROSE陣内まで侵入されてしまう。最後も理科大WRに14ヤードのフェードパターンをヒットされてTD。再び2本差とされる(キック成功で7対21)。

返しのPRIMROSEオフェンスはハーフ付近から。SB宮川(#18)に18ヤードのパス。途中ランを絡めた後にFB大澤(#2・2年生・LB兼任)に14ヤードのパスがヒットして理科大ゴール前まで前進すると、最後はTB西村(#21・4年生)が左パワープレーから1ヤードをねじ込んでTD。テンポ良い攻撃でTDをお返しする(キック成功で14対21)。

しかし、しかし、まだまだ理科大タイム。返しのキックオフリターンで理科大KR(キックリターナー)に67ヤードのビッグリターンを許すと、ここから理科大RBにスクリーンパスから16ヤードを走られてTDを許し、またまた14点差となる(キック成功で14対28)。

心折れそうな所だがPRIMROSEオフェンスが奮起。返しの攻撃はPRIMROSE陣内48ヤードから。WR篠澤(#43・2年生・CB兼任)に14ヤードのパスがヒットして先ずは敵陣へと侵入。続けてSB宮川(#18)への15ヤードのプレーアクションパス。TB西村(#21)のパワープレーなどで敵陣11ヤードまで前進すると、最後はWR原(#12・4年生・CB兼任)に11ヤードのプレーアクションパスがヒットしてTD。何とか7点(TD1本)差に縮める形で前半戦を終了する(キック成功で21対28)。


後半戦


荒れた試合展開となったが、後半戦ものっけから理科大がオンサイドキックを仕掛けて来る。これを見事に決められて攻撃権は理科大へ。ハーフ付近から開始された理科大オフェンス。ディフェンスのゾーンのシームに入り込むミドルパスを2本決められてPRIMROSE陣内20ヤードまで前進されると、ここから理科大RBに左オープンを巧みに足り切られてTDを献上。何回なったか忘れたが、とにかく点差は再び14点差となった(キック成功で21対35)。

しかし、PRIMROSEの火はまだ消えていない。返しの攻撃は自陣33ヤードから。このシリーズ、いきなり3rdダウン9ヤードと追い込まれるも、SB宮川(#18)に12ヤードのパスをヒットして難を逃れると、ここからTB西村(#21)が12ヤード、15ヤード、36ヤードと中央に、オープンに好走。理科大ゴール前まで一気に前進する。そして、最後はTB藤澤(#24・2年生)が右ゾーンストレッチから4ヤードを飛び込んでTD。何回なったかは忘れたが、再び点差は7点差となる…と思いきや、ポイントアフタータッチダウンのキックをK宮川(#18)が外して8点差となる。微妙…(27対35)。

返しの理科大の攻撃。開始のキックオフリターンで理科大KRに54ヤードのロングリターンを喰らって、またまた2TD差になるのか…的な展開であったが、ここからいよいよPRIMROSEタイムが開始される。

1stダウンは左オープンへのジェットスウィープ。CB篠澤(#43)が理科大WRとの1on1を征して走路を封鎖。力強いタックルで1ヤードのロスに仕留める。2ndダウンはRBのドロー。OLB大澤(#2)がブリッツに入り、ランナーがスピードに乗る前にタックルして5ヤードのロス。3rdダウンのスクリーンパスもDL陣の鋭いラッシュからパスミスを誘い、インコンプリート。迎えた4thダウンギャンブルのコーナーパターンのパスもSF高橋(#27・4年生・WR兼任)が理科大WRとの間合いを上手く詰めてカバード。ノーフレッシュでオフェンスへとバトンタッチする。

この時点で3Q終盤。同点シリーズの開始はPRIMROSE陣内42ヤードから。開始のTB西村(#21)のゾーンストレッチが37ヤードのロングゲイン。理科大ILBの縦ブリッツに対しC高木(#65・3年生・DL兼任)がオープン方向にプッシュアウト。TB西村(#21)に示されたカットバックの意思表示がロングゲインを生み出した。このシリーズをTB西村(#21)の3ヤードのTDランで締め括り、いよいよTD数で追いつく。そして、先だってのポイントアフターの失敗を埋める2点コンバージョンを迎えるが、ここもTB西村(#21)が右オープンからエンドゾーンに体をねじ込んでTD奪う。この時点で4Qに入っている。長い長い道のりだったが、ついに同点へと追いついた(35対35)。

しかし、まだ同点である。返しの理科大の攻撃シリーズをストップする事も非常に重要ミッションであったが、このシリーズでもPRIMROSEディフェンスが奮起する。前半戦の劣勢を吹き飛ばすかのような守備で理科大オフェンスを3rdダウン18ヤードまで追い込むと、ここからの理科大のパス攻撃に対しDL陣が包囲網。DT高木(#65)にQBサックが生まれ、理科大オフェンスをパントへと追い込む。

そして、いよいよ逆転のシリーズが開始される。PRIMROSE陣内14ヤードと深い所からのスタートであったが、TB西村(#21)のランを中心に10プレーかけて83ヤードを前進。ゴール前3ヤードまで来た所で4thダウンとなり、ここでPRIMROSEオフェンスはFGを選択。K宮川(#18)の左足に全てを託す。息をのむシーン。緊張の瞬間であったが、このキックをK宮川が落ち着いて決めて、ついに逆転を果たす。このドライブ、4Q終盤ではあったがPRIMROSEオフェンスの足の回転は、理科大ディフェンスよりも上回っていた様に思う。勝利への執念が垣間見えた見応えのあるドライブであった(38対35)。

結局試合は、この後もう一度理科大オフェンスを4thダウンギャンブルへと追い込んだPRIMROSEが1TDを上乗せしてダメ押し。ファイナルスコア45対35と大激戦を制してリーグ優勝。入替戦の切符を手にした。


総括


何とか優勝することが出来た。リードされる展開を我慢し、最終的に自分達の時間帯を作ることが出来た事はチームとして成長できた部分だろう。しかし、入替戦を想定すると、やはりまだまだ力不足と言わざるを得ないだろう。現時点で対戦相手は確定していないが、2部リーグを戦い抜いた猛者との一戦になる事は間違いない。やれる事は限られているかもしれないが、選手・スタッフ・コーチ陣が一丸となって戦う必要があるだろう。フットボールにありったけの情熱を注ぎ、必ず勝利をものにしよう。

(文:17期 丹野)

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