ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 0 0 7 7
神奈川大学 7 6 7 3 23

神奈川大のスピード&パワーに完敗

第4節の対戦相手は神奈川大学。同大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。QBの小気味良いパスワークとスクランブルに加え、RB陣の力強い走りが特徴だ。そして、ディフェンスは3‐4。人員を前後にバランス良く配置し、機動力を活かして集まりの良い守備を展開する。


前半戦


台風の影響で強い雨が降る中で試合開始のホイッスルは鳴らされた。開始のキックオフリターンでPRIMROSE(プリムローズ)のKR大沢(#2・3年生)が42ヤードのロングゲインを奪うも、前半戦のオフェンスの見せ場はほぼこれだけ。TB大沢(#2・3年生・LB兼任)、FB廣嶋(#38・4年生・キャプテン)の中央ランを中心にまずまずのゲインが生まれるものの、FD(ファーストダウン)を奪おうと言うタイミングでピッチミスやファンブル、ボールをジャックルするなど大きなミスを繰り返し、重要な所でゲインラインを突破することが出来ない展開。加えて交替違反などの反則も重なり、前半戦は奪ったFDがたったの2回と全くの拙攻に終わる。

一方の神奈川大オフェンスは堅実であった。1Q。1stシリーズは神奈川大陣内18ヤードから。ブラスト、パワー、ショットガン体型からのオプションプレーなど神奈川大オフェンスの豊富なバックス陣のランプレーに対し、PRIMROSEディフェンスは小刻みなゲインを許す展開。結局、8プレーかけてPRIMROSE陣内8ヤードまで前進されると、最後はショットガン体型からのオープンプレーでTDを奪われ先制を許す。強い雨の中ではあったが、やはり神奈川大のバックス陣の方がボールをしっかりとホールドしていたし、肩を使ってきっちりとヒットし、密集になった後もプラス2ヤード、3ヤードとゲインを重ねていた。基本の部分で大きな違いを感じさせられた第1Qの攻防となった(キック成功で0対7)。

PRIMROSEディフェンスは続く神奈川大オフェンスの2ndシリーズにおいても8プレー、61ヤードのTDドライブを喫して追加点を許す(キック失敗で0対13)。

更に2Q終盤にはPRIMROSEオフェンスのミスパントから自陣ゴール前1ヤードの攻防にまで追い込まれ、このままたたみ込まれてしまうのか…というピンチを迎える。しかし、ここからPRIMROSEディフェンスが奮起。神奈川大オフェンスはTBのパワープレーで中央突破を試みるも、これをDT田村(#71・1年生)、LB伊藤(#5・1年生)がもがきながらも何とか神奈川大オフェンスラインの壁を突破して小さいクサビを形成。相手TBをスローダウンさせると、SF内野(#28・3年生・WR兼任)がこれを仕留めてノーゲインに抑える。続くプレーは中央のダイブ。これはILB廣嶋(#38・4年生・FB兼任)が中央に突進し瞬殺して再びノーゲイン。そして、最後は4thダウンギャンブルに追い込まれた神奈川大オフェンスにエクスチェンジのミスが起こり、PRIMROSEディフェンスはこのシリーズを無失点に抑え、圧されてはいるものの何とか意地を見せた形で前半戦が終了となった(前半終了0対13)。


後半戦


後半戦は神奈川大オフェンスの攻撃からスタート。自陣38ヤードからの攻撃であったが、前半戦同様のランにショート、ミドルパスを絡めてアタックをかけてくる神奈川大オフェンスに対し、PRIMROSEディフェンスはPRIMROSE陣内34ヤードまで攻め込まれる。しかし、ここからPRIMROSEディフェンスが前半戦最後に見せた粘りを発揮させる。1stダウンは中央のトラッププレー。これをILB廣嶋(#38・4年生)が鋭い出足からオフェンスラインのブロックをかわしてRBにタックルしノーゲイン。2ndダウンはオープンへのゾーンストレッチ。今度はDE岩崎(#55・4年生・OL兼任)が素早いチャージからRBの走路に入り込み4ヤードのロスタックルに仕留める。そして、3rdダウンのパスも失敗に終わりパントへと追い込む。

ディフェンス陣の奮起に何とか応えたいPRIMROSEオフェンスであったが、この返しのシリーズも3回の攻撃でパントへと追い込まれ、なかなか光明を見いだせない。それどころか4thダウンのパント時にもエクスチェンジのミスを犯し、陣地すら挽回することが出来ずにディフェンスへの負担を増大させてしまう展開。結局、陣地を悪くしたPRIMROSEディフェンスは3Qにも1TDを上乗せされてしまう(3Q終了、0対20)。

PRIMROSEオフェンスに見せ場が訪れたのはようやくの第4Q。神奈川大のミスパントから得たハーフ付近からの攻撃。TB大沢(#2・3年生)が中央ランから今日一番の31ヤードのゲインを奪い勢いに乗ると、続くパワープレーもTB大沢が7ヤードのゲインを奪い一気に敵陣ゴール前まで侵入すると、最後もTB大沢の9ヤードのランで締め括ってTD。散発の攻撃が続き波に乗り切れずにいたPRIMROSEオフェンスであったが、ようやくのようやくで意地を見せた(キック成功で7対20)。

結局試合はこの後、神奈川大オフェンスにFGによる3点を追加され、ファイナルスコア7対23。雨中の対戦はスコア云々と言うよりも基本力の違いがくっきりと表れた試合内容で終了となった。


総括


強い雨の中。プレー選択も限られ、ミスも起こりやすいと言う状況の中、神奈川大は最小限のミスで堅実なフットボールを展開していた。一方のPRIMROSEはファンブル、ジャックル、エクスチェンジミス、タックルミス、反則等々、数えきれない程のミスを犯した。全てはやはり基本を身につけているかどうかの違いが形となって表れた結果であると思う。上手くいかないこんな時こそ基本練習が大事になってくる。あきらめずに練習を重ね基本を身に付ける事。先ずは1勝。意地を見せて欲しい。

(文:17期 丹野)

BACK