ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 7 6 0 7 20
武蔵大学 0 0 0 0 0

最終戦で今季初勝利

第7節の対戦相手は武蔵大学。同大オフェンスのベースはワンセットバック。ランプレーでのボールコントロールが中心だが、随所にスペシャルプレーやパスワークを散りばめて相手ディフェンスの隙を狙う。そして、ディフェンスは3‐4。重量感と言うよりかはスピード重視の守備であるが、ギャップを守る意識は決して低くない。初戦の帝京大戦の勝利もうなずける役割分担がしっかりとしたまとまりのある守備だ。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。自陣32ヤードからの攻撃であったが、最初のFB廣嶋(#38・4年生・キャプテン)の中央ダイブが7ヤードのゲイン。FD(ファーストダウン)を1度更新した後、今度はHB篠澤(#13・3年生・DB兼任)へのピッチプレーが7ヤードゲインしてまずまずの滑り出し。そして、ここからFB廣嶋(#38)のダイブが5ヤード。更にHB篠澤(#13)へのピッチプレーが右オープンに22ヤードゲインして一気に敵陣まで侵入すると、最後もHB篠澤(#13)が左オープンプレーから武蔵大ディフェンスの大外をえぐって8ヤードのTDラン。中に外にコツコツとゲインを重ねて先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

返しの武蔵大オフェンスの1stシリーズは武蔵大陣内24ヤードから。3プレー立て続けにパスを放ってきたが、CB雑村(#26・1年生)のタックルとFS内野(#28・3年生・WR兼任)のカバーで何とか3&アウトに抑えることに成功。即座にオフェンスへとバトンタッチする。

続くPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣12ヤードから。FB廣嶋(#38)、金澤(#3・2年生)のダイブを中心に再びコツコツとゲインを重ねる。敵陣に入ったところでTB金澤(#3)のパワープレーが17ヤードゲインしてFG(フィールドゴール)レンジへと突入。最後はK森(#77・3年生)が27ヤードのFGをきっちりと決めて追加点。10対0とリードを広げる。

そして、次の武蔵大オフェンスの攻撃に対してもPRIMROSEディフェンスが粘り強く対応。特に3rdダウンはNG田村(#71・1年生・OL兼任)とDT小島(#78・1年生)が中央のクサビとなって武蔵大RBをスローダウンさせる新人ながら頼もしいフィールディングでランストップ。武蔵大を再びの3&アウトへと抑え込む。

結局、前半戦はオフェンスとディフェンスがガッチリと噛み合い、もう1FGを追加。13対0とリードの展開で折り返す。


後半戦


後半戦は3Q中盤。武蔵大オフェンスのパス攻撃に苦戦を強いられる。武蔵大陣内10ヤードからの攻撃であったが、QBのスクランブルにスロットバックへの横パスなど、PRIMROSEディフェンスを中央に引き付けてから一気にそれを回避してロングゲインを狙おうという作戦。これに対しPRIMROSEディフェンスは前半戦と変わることなく、粘り強く集まって要所を締める展開を継続していたが、FDを1つ更新されたところで、武蔵大QBにプレーアクションから39ヤードのポストパターンのパスを決められ、大きくPRIMROSE陣内へと攻め込まれてしまう。しかし、ここからPRIMROSEディフェンスはOLB伊藤(#5・1年生)が武蔵大オフェンスのオープンプレーに対して6ヤードのロスタックルを決めるなど奮起し、何とかPRIMROSE陣内18ヤード地点で4thダウンへと追い込み、武蔵大オフェンスはFGトライを選択。失点の危機に陥ったが、武蔵大オフェンスがこのFGを失敗して、このシリーズも無得点で切り抜ける。

そして、4Qに入り、ディフェンス陣の粘りに対しようやくオフェンスが応える。自陣23ヤードからの攻撃であったが、FB廣嶋(#38)、金澤(#3)のダイブにHB柴田(#80・2年生・DE兼任)、篠澤(#13)へのオプションピッチとQB大沢(#2・3年生)が中に外にバランス良くボールをデリバリー。実に14プレーかけて敵陣19ヤードまで前進すると、最後は縦パス一閃。WR山城(#18・1年生・DB兼任)に19ヤードのフェードパターンがヒットしてTD。ダメ押しとなるTDを上げる(キック成功で20対0)。

結局試合は後半戦パス攻撃で粘りを見せる武蔵大オフェンスに対し、PRIMROSEディフェンスはゲインこそ許すものの要所を押さえて完封。最終戦でようやく2部昇格後初勝利を飾った(試合終了20対0)。


総括


下の入替戦への出場が決まっているというメンタル面のコントロールが非常に難しい中での一戦ではあったが、何とかほんの少しだけ相手を上回ることが出来た。この勝利はPRIMROSEが二部リーグで上げた実に約二十年ぶりの勝利となった。一勝する事の難しさを痛感させられたリーグ戦であったが、最後の大一番がもう一試合残っている。来季こそ二部リーグで勝利を積み重ねていきたい。そのためには次の一試合。何が何でも勝たなければならない。気持ちを最大限に高め、最高のチーム状態で入替戦に挑もう。

(文:17期 丹野)

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