ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 3 14 0 0 17
東京工業大学 0 14 13 0 27

序盤戦リードも力尽きる

第3節の対戦相手は東京工業大学。同大オフェンスのベースはIフォーメーション。ラインメンのスプリット(隣のラインマンとの間隔)を意図的に広くして縦に横にキレ味の良いランプレーを展開する。そして、ディフェンスは4‐3。中央のラインメンを含め機動力が高く、激しいチャージから相手オフェンスにプレッシャーをかける攻撃的守備だ。


前半戦


1Q序盤。東工大オフェンスにPRIMROSE(プリムローズ)陣内40ヤードまで攻め込まれるも、ここからPRIMROSEディフェンスにビッグプレーが生まれる。東工大オフェンスのショットガン体型からの縦パスをSF山城(#18・1年生・WR兼任)が冷静なプレーリードからインターセプト。更にここから18ヤードリターンし、敵陣からの攻撃権をPRIMROSEオフェンスへと供給する。

ここからPRIMROSEオフェンスの先制シリーズが開始される。TB大沢(#2・3年生・LB兼任)のパワープレーが粘り強い走りで13ヤードのゲイン。その後、HB柴田(#80・2年生・DL兼任)のピッチプレーが鋭い縦上がりから14ヤードゲインしてFGレンジまで突入すると、最後はK森(#77・3年生)が25ヤードのFGを冷静に決めて1年生のビッグプレーから開始された攻撃シリーズで幸先良くリードを奪う(3対0)。

そして、直後のキックオフで再びビッグプレー。東工大のKR(リターナー)が密集地帯へ突入した所をPRIMROSEカバーチームの内野(#28・3年生)、大沢(#2・3年生)がタックル。そして、粘るランナーに対し、体を預けながらもボールをかき出しファンブルフォース。そのロストボールをタックルに行った大沢(#2・3年生)がそのままリカバーして東工大陣内35ヤードからの攻撃権をゲットする。

ここからPRIMROSEオフェンスは先ずTB大沢(#2・3年生)が中央ランから13ヤードのゲイン。続けてFB廣嶋(#38・4年生・LB兼任)、TB大沢(#2)が左オープンから3ヤード、12ヤードと続けざまにゲインして一気に東工大ゴール前4ヤードまで前進すると、最後はQB大沢(#2・3年生)がオプションプレーから冷静に中央に走路を見つけてTD。相手のミスに付け込み追加点を奪うことに成功する(キック成功で10対0)。

更にチャンスは継続。返しの東工大の攻撃をパントへと追い込んで得た自陣46ヤードからの攻撃。途中4thダウンギャンブルを絡めるなど、しぶとく敵陣に侵入したところでHB篠澤(#13・3年生・DB兼任)へのオプションピッチが19ヤードゲインしてチャンスメークに成功すると、ここからQB北岡(#19・2年生)がWR篠澤(#13・3年生)へ22ヤードのプレーアクションパスをヒットしてTD。攻守がガッチリと噛み合いリードを広げる(キック成功で17対0)。

この時点でリードは17点。このまま波に乗りたかったが、ここから東工大が攻守落ち着きを取り戻すと共にPRIMROSEにミスが目立ち始める。2Q終盤、東工大オフェンスに9プレー80ヤードのTDドライブを許すと、その返しのPRIMROSEオフェンスでFB廣嶋(#38・4年生)が中央ランからボールをファンブルして不要の攻撃権を東工大オフェンスに与えてしまう。そしてここから悪い流れを断ち切れずに31ヤードの縦パスを決められて連続で得点を奪われてしまう。17点のリードもつかの間、3点差での前半戦の折り返しとなった(キック成功で17対14)。


後半戦


後半戦はのっけから悪夢。東工大のキックオフリターンからのスタート。PRIMROSEのK(キッカー)篠澤(#13・3年生)の蹴ったボールは敵陣8ヤード地点までバウンドして転がりまずまずの飛距離。東工大キックリターナー(KR)はボールを確保し左サイドに直進。対するPRIMROSEカバーチームは左サイドに防御壁を形成して待ち構えたが、東工大KRは隊列の隙間を見逃さず右方向へカットバック。置き去りにされた左サイドの防御壁を他所に中央に走路を確保されると、そのまま一気に92ヤードを走り切られて特大のリターンTDを喫してしまう。リードの展開でオフェンスへとバトンタッチし、ボールコントロールの流れへと持って行きたかったが、わずか1プレーで東工大にリードを奪われ、モメンタムまでも完全に掌握されてしまった。正に力の差を見せつけられた一撃であった(キック成功で17対21)。

後半戦、その後の東工大オフェンスは得意のランプレーからコツコツと前進を繰り返す展開でボールコントロール。これに対しPRIMROSEディフェンスもLB大沢(#2・3年生)、廣嶋(#38・4年生)、伊藤(#5・1年生)を中心に東工大バックス陣に必死に喰らいついて応戦。TDこそ奪われなかったが、FGによる追加点のシリーズを2度程許してジワジワと点差を引き離されてしまう(3Q終了で17対27)。

一方のPRIMROSEオフェンスも前半戦同様にランプレーを中心にコツコツとアタックを試みるも、3Qにはファンブル、4Qにはインターセプトと前半戦に東工大が犯していた様なミスをこちらが犯してしまう展開。結局、後半戦は決定的な得点機を作ることが出来ないまま試合は終了となった(試合終了17対27)。


総括


前半戦は攻守がかみ合い良い時間帯を作ることが出来たが、1試合を通してそれを継続させることが出来なかった。惜しい時間帯があって勘違いしてしまうかもしれないが、総合力ではやはり東工大の方が上であった。まだまだ力不足。それを解消するためには練習、トレーニングを積み重ねる必要がある。謙虚な姿勢でフットボールに取り組み、チーム力を蓄え、相手を圧倒できるようなチームを目指して欲しい。

(文:17期 丹野)

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