ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 3 7 7 0 17
東京農業大学 7 3 0 8 18

敗北、再出発

入替戦の対戦相手は東京農業大学。同大オフェンスのベースはIフォーメーション。ダイブとパワープレーにスウィープとスピードあるバックス陣を生かしたランプレーが特徴だ。そして、ディフェンスは4‐3。基本的にはギャップコントロールがしっかりしているという印象。役割分担と集まりの良さで勝負する正統派の守備だ。


前半戦


先制したのは東農大。のっけのキックオフリターンでいきなり40ヤードのリターンを喫し、ハーフ付近から東農大オフェンスの攻撃が開始される。ダイブ→パワー→ダイブ→パワーと得意のランプレーを交互に打ってくる東農大に対し、PRIMROSE(プリムローズ)ディフェンスはILB廣嶋(#38・4年生・キャプテン)を中心に果敢にタックルに向かうも、じわじわとゲインを許す展開。結局、PRIMROSE陣内15ヤードまで前進されたところで、オープンサイドにスウィープを打ってきた東農大オフェンスに対し、PRIMROSEディフェンスは効果的なクサビを打つことが出来ずに大外をまくられTDを献上。先制点を許す(キック成功で0対7)。

返しのPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣37ヤードから。TB大沢(#2・3年生・LB兼任)へのピッチプレーが12ヤード→19ヤードと連続でゲインして敵陣へと侵入。ここから攻めあぐねるも、敵陣24ヤードまで前進したところでFGトライを選択。そして、K森(#77・3年生)がこのFGを成功させて3点を返す(3対7)。

2Qはパントを蹴り合いやや膠着したが、終盤にPRIMROSEオフェンスにチャンス。自陣34ヤードからの攻撃であったが、FB廣嶋(#38)のダイブにTB大沢(#2)のオープンとパワープレーを絡め、8プレーかけて敵陣15ヤードまで前進する。そして、最後はFB高野(#49・1年生)が左パワープレーから15ヤードを中央突破してTD。逆転に成功する(キック成功で10対7)。

しかし、前半戦はこのまま終わらない。返しの東農大のキックオフリターンで東農大KRに58ヤードのビッグリターンを喫し、ここをFGまで繋げられて10対10の同点とされてしまう。全くの互角の展開で前半戦を折り返した。


後半戦


後半戦、最初に仕掛けたのはPRIMROSE。キックオフ直後のシリーズ。PRIMROSE陣内25ヤードからの攻撃であったが、HB篠澤(#13・3年生・DB兼任)へのピッチプレーとQB大沢(#2)のオプションキープで敵陣42ヤードまで侵入。ここで一気にロングパスでTDを狙うもパスは失敗。PRIMROSEオフェンスはチャンスを逃したかに見えたが、東農大のパスインターフェアの反則により東農大陣内27ヤードまで前進。ここからTB大沢(#2)のスウィープが14ヤードゲインして東農大ゴール前まで前進すると、最後は4thダウンギャンブルまで追い込まれるも、TB大沢(#2)が左パワープレーから1ヤードのTDランで締め括り、再びリードの展開となる(キック成功で17対10)。

勝負の4Qは東農大オフェンスに猛攻を受ける。東農大陣内44ヤードからの攻撃であったが、TEへのクイックパスにWRへのスラントインと前半戦のランプレーから一転してパス比率を増やして来た。対応の遅れたPRIMROSEディフェンスは16ヤード、20ヤードと連続でゲインを許しPRIMROSE陣内13ヤードとゴールを背負う展開に。東農大オフェンスはここからパワープレーとダイブで押し切りを図る。必死の守備を見せるPRIMROSEディフェンスであったが、最後は1ヤードの攻防を征されてTDを献上。更にここから東農大オフェンスが2点コンバージョンを選択。お互いに攻守両面出場者の多いチーム。勝負が後ろにもつれればどこかで苦しい局面を迎える。そうなる前に勝負を決めようという東農大オフェンスの一大決心であった。選択したプレーは中央のブラストをフェイクしたQBのキーパー。必死で追いかけるPRIMROSEディフェンスの大外を東農大QBが強引にえぐってTDとなり、残り時間1分少々という土壇場でPRIMROSEは逆転を許してしまう(17対18)。

再逆転をかけたPRIMROSEオフェンスのラストドライブは自陣46ヤードから。FB廣嶋(#38)のダイブが12ヤードゲインして敵陣へと侵入。その後、TB金澤(#3・2年生)のスウィープが12ヤード→5ヤードと連続でゲインするなど敵陣9ヤードまで前進。更にここから効率よく時間を使って残り時間3秒の所でPRIMROSEオフェンスはFGを選択。決まれば逆転…と言う所までシナリオは完成された。

運命のFG。K森(#77・3年生)の右足に全てが託された。しかし、蹴り出されたボールは無情にも枠を外れ、この瞬間PRIMROSEの2部リーグでの挑戦に終止符が打たれた(試合終了17対18)。


総括


接戦をものにすることが出来なかった。やはり最後までミスが多かった。個もチームも高められなかったと言う事。力不足であったということは否めないが、事実はしっかりと受け止める必要があるだろう。3部降格。0からの出発になるが、事実を受け止めることが出来たならば、次なる行動はきっと実のあるものになるはずだ。この敗戦を成長への足掛かりとしてもらいたい。

ともあれ4年生はお疲れ様でした。敗戦ではあったが、部活動で得た経験は社会人になってもきっと役に立つと思う。立派な社会人になって今後もチームを支えて欲しい。

(文:17期 丹野)

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