ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
埼玉大学 0 0 0 0 0
筑波大学 0 3 6 21 30

完敗

第5節の対戦相手は筑波大学。同大オフェンスのベースはマルチプル。Iフォーメーションからのダイブ、パワープレーにショットガン体型からのゾーンストレッチ(ラン)やパスワークを絡めてプレーの幅を広げている。

そして、ディフェンスは4‐3。力強いディフェンスラインを擁するオーソドックスな守備だが、素早く的確なギャップコントロールが特徴だ。


前半戦


1前半戦はPRIMROSE(プリムローズ)のディフェンス陣が粘りを見せる。筑波大オフェンスの前半最初の攻撃シリーズは筑波大陣内23ヤードから。1stプレーはFBのダイブ。オフガードのホールを上手く駆け上がられたが、ILB津布久(#47・3年生・FB兼任)が何とか喰らいついて5ヤードのゲインに留める。2ndプレーはTBのブラスト。中二人のディフェンスライン(DL)が中央のギャップを狭めてスローダウンさせた所に、バックサイドからDE柴田(#80・4年生・キャプテン)が飛びついてタックル。2ヤードのゲインに抑える。そして、3rdダウンのウィークサイドへのパワープレーも、バックサイドからチャージを賭けたDT田村(#71・3年生・OL兼任)が筑波大TBをシューストリングタックルに仕留めてノーゲイン。3&アウトと上々の滑り出しを切ることに成功する。

1Qは膠着状態が続いたが、2Q終盤に試合が動く。拙攻続きのPRIMROSEオフェンスがパントキックから筑波大パントリターナーにリターンを喫し、返しの筑波大オフェンスはハーフ(50ヤード)付近から。1Qのセットバックからのプレーに加え、ショットガン体型からのゾーンストレッチやパワープレーの比率を増やして、コツコツと前進を図る筑波大オフェンスに対し、PRIMROSEディフェンスはLB陣の集まりで何とかロングゲインを許さない展開。結局、PRIMROSE陣内14ヤードの所で4thダウンを迎えた筑波大オフェンスはフィールドゴール(FG)を選択。このFGを決められて先制を許すも、前半戦はディフェンス陣の粘りでこの失点のみに抑え、何とかゲームを作る事に成功する(前半終了0対3)。


後半戦


ディフェンス陣の粘りに応えて何とかドライブをしたいPRIMROSEオフェンスであったが、中々突破口を開く事ができない。2Q中盤は自陣4ヤードからの攻撃。WR鈴木(#16・4年生・DB兼任)へのプレーアクションパスがヒットして12ヤードのゲイン。レッドゾーンを抜け出すと、続けてTE柴田(#80)にも16ヤードのプレーアクションパスがヒットしてファーストダウン(FD)を上乗せ。更にここから筑波大ディフェンスにパスインターフェアの反則が発生し、何とかハーフ付近までボールを進める事に成功する。一気に加速をかけたいPRIMROSEオフェンスは、ここでスペシャルプレーのリバースを選択。WR阿久津(#9・4年生・DB兼任)が相手ディフェンスを振り切りながら10ヤード、15ヤードと前進を図りロングゲインになりかけたが、後方から追いついてきた筑波大ディフェンダーにボールをかき出されて痛恨のファンブル。結局、このボールを筑波大にリカバーされ、筑波大陣内33ヤード地点で攻撃権は再び筑波大オフェンスへと移動する。

確かにミスはあったが、返しの筑波大オフェンスをキッチリと止める事がチームとしてのミッションであったと思う。しかし、ここを乗り切る事が出来ないのが今年のチームの弱さなのかもしれない。1stプレーのショットガンからのゾーンストレッチで23ヤードのミドルゲインを許すと、息継ぎをする間もなく、ショットガンからのパワープレーで44ヤードの独走TDランを許してしまう。ここまで何とか緊張を保ってきたが、わずか2プレーの出来事。一瞬にして全てが崩壊してしまった(キック失敗で0対9)。

4Qに入ってもPRIMROSEオフェンスは突破口を見いだせないまま、結局は筑波大ディフェンスに完封を許してしまう。前半から粘りを見せていたPRIMROSEディフェンスも、4Qは筑波大TBを止めることが出来ずに21失点。ファイナルスコア30対0。完敗の形で試合終了となった。


総括


前半戦はディフェンス陣の頑張りで何とかゲームを作ったが、後半戦、1TDを取られた後は総崩れとなった。完全な力負けであり、完敗と言わざるを得ないだろう。この悔しさを力に変えることが出来ない様であれば、勝つための部活動に取り組んでいるとは言えないだろう。次節最終戦、勝ちにこだわって奮起するチームの姿を見せて欲しい。

(文:17期 丹野)

BACK