ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 7 7 3 0 17
玉川大学 0 0 7 0 7

堅守とボールコントロールで勝利!

コロナ禍で行われた今年度の秋季トーナメントは、今回の第二戦目が最終戦だ。前節(一回戦)で敗れたPRIMROSE(プリムローズ)は、玉川大学と三位の座をかけての対戦となった。

玉川大オフェンスのベースはフレックスボーン。フットボールの本場米国では陸軍士官学校がパスオフェンス全盛の昨今においても、この体型からオプション攻撃(ランプレー)を仕掛け、過去には全米ランキングTOP20に入るなど、知る人ぞ知る…の攻撃体型となっている。そして、ディフェンスは4‐3。状況に応じ、フロントラインマンを増やしたり、そこからゾーンブリッツを仕掛けるなど、相手オフェンスのブロッキングスキームを混乱させる多彩なアサイメントが特徴だ。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。キックオフ直後の攻撃は自陣16ヤードと深い所から。最初のTB韮塚(#34・3年生・LB兼任)のパワープレーが6ヤードとまずまずのゲイン。続くTB石井(#20・3年生)のオープンプレーが2ヤードのゲインにとどまり、3rdダウンを迎えたが、ここでFB津布久(#47・4年生・LB兼任)が中央ランから6ヤードをゲインして何とかFD(ファーストダウン)を更新する。その後もTB韮塚(#34)と石井(#20)のランを中心にコツコツと前進を重ね、ハーフ(フィールド中央)付近まで到達すると、ここからQB佐伯(#29・3年生)がWR高橋(#10・3年生・DB兼任)に32ヤードのポストパターンのパスをヒットさせ、一気に敵陣深くまで前進する。そして、最後はTB韮塚(#34)が左パワープレーから中央に走り込んでTD。12プレー84ヤードのロングドライブを成功させ、先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

そして、この日はPRIMROSEの守備陣も好調。玉川大オフェンスの1stシリーズは玉川大陣内32ヤードから。最初のオープンプレーは玉川大RBの横方向へのストレッチに対し、DE島田(#69・4年生・OL兼任)がクサビとなって推進力をスローダウンさせ、そこに、LB柴田(#5・4年生・TE兼任)がタックルに入るという理想的な形のランストップ。勢いをそのままに、続く2nd、3rdダウンも守り切り、3&アウトで攻撃権をオフェンスへと供給する。

バトンタッチを受けたPRIMROSEオフェンスの2ndシリーズは自陣26ヤードから。TB韮塚(#34)のパワープレーが7ヤードゲインして幸先良いスタートを切ると、続くTB石井(#20)のオープンプレーも玉川大DLのパシュートを巧みにかわして7ヤードをゲインし、スピーディーにFDを更新する。その後もTB韮塚(#34)のランに、QB須賀(#6・2年生)のオプションキープを絡めながら敵陣へと侵入すると、ここからWR高橋(#10)に18ヤードのプレーアクションパスがヒット。2度目の得点機となったが、玉川大ゴール前3ヤードまで進んだ所で4thダウンへと追い込まれ、PRIMROSEオフェンスはFGを選択。3点狙いのアテンプトであったが、ここで、C(センター)からスナップされたボールをH(ホールダー)がジャックルし、せっかくの得点機が台無しになりかけた。 …が、K仲間(#28・2年生)が足元に転がるルーズボールを拾い上げて一気にBOXの外へと飛び出すと、そのまま右オープンを強引にえぐってエンドゾーンに侵入。点の取り方は決して褒められたものではないが、ボールを欲する積極性は相手よりも少しだけ上だったということかもしれない。怪我の功名から1TDの上乗せとなった(キック成功で14対0)。

前半戦は、この後は両チームともに無得点。PRIMROSEが14対0とリードしたまま終了する。


後半戦


後半戦に入ると早々に玉川大の反撃が開始される。玉川大オフェンスの後半最初の攻撃は玉川大陣内38ヤードから。のっけのポストパターンのパスを玉川大WRに狭い所で上手くキャッチされ、23ヤードのゲインを許したPRIMROSEディフェンスは、続くオプションプレーに対しても、ブラインドサイドを玉川大QBに巧みに突かれて8ヤードのゲインを奪われてしまう。波に乗る玉川大オフェンス対し、PRIMROSEディフェンスは途中、自陣21ヤード地点で4thダウンギャンブルにまで追い込むものの、ここでの攻防を玉川大オフェンスにコンバートされて、結局は9プレー、62ヤードのTDドライブを許してしまう(キック成功で14対7)。

玉川大の反撃を喰らい、1TD差に詰められた後のPRIMROSEオフェンスの攻撃はフィールド中央付近から。TB韮塚(#34)のランを中心に、時間を消費しながらコツコツとゲインを重ね、敵陣9ヤードまで前進。そして、このチャンスをK仲間(#28)のFGに繋げて3点を奪い、再び2ポゼッション差(=2回の得点機がなければ逆転できない状態)まで点差を広げることに成功する(17対7)。

そして、いよいよ試合は最終第4Qへと突入。返しの玉川大オフェンスの攻撃は玉川大陣内39ヤードから。1stプレーは中央のダイブ。これに対しPRIMROSEディフェンスはDLの田村(#71・4年生・キャプテン)と安食(#58・4年生・OL兼任)が中央のホールを力強く押し塞いでノーゲインに仕留める。続く2ndダウンのオプションピッチに対しては、OLB柴田(#5・4年生)と、CB雑村(#26・4年生)が鋭い出足からブロッカーをかわして玉川大RBを挟み撃ち。4ヤードのロスタックルを奪いプレッシャーを強めると、3rdダウンのオプションピッチもOLB韮塚(#34)がいち早く間合いを詰めて玉川大RBをタックル。ノーゲインとし、このシリーズは完全な形で玉川大オフェンスを制圧。最小限の労力で攻撃権を奪取する。

その後、PRIMROSEオフェンスは自陣13ヤードから開始された攻撃で、15プレー、81ヤードのロングドライブを敢行し、ボールコントロール。結局、敵陣6ヤードまで進んだ所でタイムアップとなり、ファイナルスコア17対7。コロナ禍の最終戦で今季初勝利を収めた。


総括


あっという間のシーズン終了ではあったが、先ずは何よりも4年生はお疲れ様でした。月並みな言葉にはなりますが、立派な社会人になって下さい。今季は色々と理不尽なことを味わったシーズンであったと思います。練習するグランドもありませんでした。公式戦には昇格も(降格も)無く、単なるエキシビジョン形式のシーズンでした。しかし、目標を見失っても仕方のない状況の中でも、チーム力を落とさない様に真面目に部活動を継続してくれました。その姿勢は社会人となり、苦しい時や難しい選択に迫られた時に、きっと活かされることと思います。次のステージが充実したものになることを祈っております。

3年生以下はコロナ禍で最終学年を迎えた4年生をしっかりとフォローできていたのかを思い返して下さい。今後、この最終戦の勝利を無駄にしない行動をとってくれることに期待しています。

(文:17期 丹野)

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