ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 7 6 0 0 13
東京外語大学 0 7 7 18 32

外語大の総合力に屈し、敗戦

今年の秋季リーグ戦も昨季同様にコロナ仕様での大会となり、試合数は3試合と短縮スケジュールでの開催となった。今季も大学側から勧誘や練習に活動制限がかかる中、皆の努力で何とかリーグ戦の開幕戦までこぎつけた。

開幕初戦の相手は東京外国語大学。外語大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。WRを左右に散らして繰り広げるパスワークと、時折見せるQBのオプションプレーがアクセントとなっている。そして、ディフェンスは5‐3。通常時は4‐3のチームと思われるが、この日はPRIMROSE(プリムローズ)のラン攻撃をストップする作戦で守備フロントを固めてきた。


前半戦


先制したのはPRIMROSE。キックオフ直後の攻撃は自陣43ヤードから。TB石井(#20・4年生)の5ヤードのパワープレーを皮切りに、TB韮塚(#34・4年生・LB兼任)とのタンデムでコツコツとゲインを重ねる。そして、敵陣30ヤード地点まで前進したところでWR石嶺(#33・3年生・DB兼任)に21ヤードのプレーアクションパスをヒットして外語大ゴール前まで前進すると、最後はTB石井(#20)が左パワープレーから9ヤードを突進してTD。9プレー57ヤードの先制ドライブに成功する(キック成功で7対0)。

続いてもPRIMROSE。返しの外語大の攻撃をPRIMROSEディフェンスが何とかパントへと追い込み、自陣33ヤードからの攻撃権を獲得する。TB石井(#20)のスウィープとTB韮塚(#34)のパワープレーを中心に着実にゲインを重ね、先ずは敵陣39ヤードまで侵入する。ここからWR原(#25・4年生・DB兼任)へ12ヤードのミドルパス、そして、WR石嶺(#33)に10ヤードのショートパスをヒットして外語大ゴール前4ヤードまで前進。最後はTB韮塚(#34)がブラストプレーから中央に体をねじ込んでTDを奪い、2Q序盤と、早い段階で追加点を奪うことに成功する(キック失敗で13対0)。

…と、ここまでは良かったのだが、2Q終盤にPRIMROSEオフェンスが1ヤードの4thダウンギャンブルに失敗し、外語大に攻撃権を明け渡したところ辺りから試合の流れが変化し始める。

外語大オフェンスの攻撃は自陣22ヤードから。中央のドロープレーにスクリーン、そして、オープンサイドにピッチプレーと、外語大オフェンスは多彩にプレーを散らしてPRIMROSEディフェンスに的を絞らせない攻撃を展開。これに対し、PRIMROSEディフェンスもLB韮塚(#34)、須賀(#6・3年生)を中心に必死に外語大RB陣にタックルをして喰らいついたが、外語大オフェンスはPRIMROSE陣内20ヤード辺りまで侵入したところから一転してパスワークに変更。ここから9ヤード⇒10ヤードと連続でパスをヒットされ、遂にPRIMROSEディフェンスは外語大オフェンスからTDを奪われてしまう(キック成功で13対7)。リードはしているものの、後半戦に向けて不安が残る前半戦終盤の攻防となった。


後半戦


前半戦をリードで終え、後半戦はPRIMROSEオフェンスとしては何とかボールコントロールをしていきたい状況であったが、前半戦に好調だったランプレーが後半は序盤から不発に終わり、散発の攻撃を繰り返す展開に陥ってしまう。この状況に対し、3Q序盤はLB井上(#35・3年生・OL兼任)にインターセプトが飛び出すなど、PRIMROSEディフェンスは外語大の攻撃に必死に喰らいついていたが、3Q終盤にPRIMROSEオフェンスに痛恨のミスが起こる。

自陣6ヤードと深い所でパントへと追い込まれたPRIMROSEオフェンスが、パントのミスキックを犯してしまう。スナップバックされたボールがワンバウンドし、難しい状況もあったとは言え、思うようにパントを蹴ることが出来ず、自陣ゴール前12ヤードと、ほとんど陣地を挽回できない状況で外語大に攻撃権を献上。PRIMROSEディフェンスは非常に厳しいポゼッションでの守備を強いられることとなる。

ここでの攻防。1stダウンのフェードパターンのパスはPRIMROSEディフェンスのCB古賀(#13・3年生・WR兼任)がうまくカバーしてインコンプリート。何とかこれを凌ぐ。そして、2ndダウンもパス攻撃。外語大QBはパスターゲットがいないと見るや、左サイドにスクランブル発進。対するPRIMROSEディフェンスもDE大倉(#80・2年生・TE 兼任)が必死にオープンサイドに蓋をしたが、それを捲られて7ヤードのゲインを許すと、続く3rdダウンもオプションプレーから外語大QBに左オープンをスウィープされTDを奪われ、ポイントアフターのキックも合わせ、遂に逆転を許してしまう(13対14)。外語大オフェンスのフィールドを大きく使った揺さぶりに、PRIMROSEディフェンスは体力もメンタルも、大きく消耗させられる結果となってしまった。

とは言え、点差はまだまだ1点差。ここでPRIMROSEオフェンスがドライブを敢行できれば、まだまだ試合は分らない状況ではあった。しかし、体力的に限界の見え始めたPRIMROSEオフェンスにその余力は残っておらず、思うように反撃をすることが出来ない。

そんな状況下、オフェンスのボールコントロールとの協業が機能しなくなったPRIMROSEディフェンスにもミスが起こってしまう。フィールド中央付近で外語大オフェンスをパントへと追い込んだPRIMROSEディフェンスであったが、外語大パンターのパントしたキックボールが不用意に下がっていたPRIMROSEの味方プレーヤーに接触し、フリーボールとなってしまう。外語大カバーチームがこのボールをすかさず拾い、PRIMROSE陣28ヤードで再び攻撃権を獲得する。

このミスに乗じた外語大オフェンスは、QBのスクランブルにオプションと、再びフィールドを広く使った攻撃を展開。PRIMROSEディフェンスはゴール前3ヤードまで前進を許すと、最後も外語大QBに左オープンを豪快にえぐられてTDを奪われてしまう。ここまで粘りを見せていたPRIMROSEディフェンスであったが、緊張の糸が完全に切れた瞬間となった(キック失敗で13対20)。

結局試合は、この後、PRIMROSEが更に2TDを上乗せされ、ファイナルスコア13対32で完敗となった。


総括


コロナ禍で一年間部活動に取り組み、ようやく迎えた開幕戦であったが、完敗に終わった。初戦ではあるが、この敗戦で今季の優勝の目は無くなった。技術面、体力面、組織力、どれを取っても相手が上回っていた。コロナ禍で運営が厳しかったのは何もウチだけではない。そう考えればやはり、取り組みの甘さを反省せざるを得ないということになるだろう。しかし、優勝は無くなったが、試合はあと2試合残されている。組織として、フットボールと向き合う姿勢が問われている。しっかりと意地を見せられる様に次の試合までに選手・スタッフ一丸となって練習、準備を重ねて欲しい。

(文:17期 丹野)

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