ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 7 7 0 7 21
武蔵大学 0 0 7 0 7

激戦を制し、リーグ優勝決定!

リーグ戦もいよいよ最終・第四節。そして、今日勝った方のチームがリーグ優勝という大一番。二部リーグとの入替戦の切符をかけた決勝戦の対戦相手は武蔵大学。同大オフェンスのベースはショットガン・フォーメーション。広めのスプリットから中央後方に鎮座したRBの左右へのカウンターと時折見せるRPO(ランパスオプション)が主軸。WR陣を含め、随所に走力のある選手が配置され、バランスの良い攻撃を展開する。そして、ディフェンスはベース4‐3。しかし、この日はPRIMROSE(プリムローズ)のランプレーへの警戒MAX。一線目を増やしたり、二線目を増やしたり、結果8人BOXで前線を守る事の方が多かった印象だ。


前半戦


先制したのはPRIMROSE。キックオフ直後の1stシリーズは自陣31ヤードから。TB高森(#7・4年生・DB兼任)のダイブ⇒TB石嶺(#31・4年生・DB兼任)のスウィープとコツコツと刺して3rdダウンは残り3ヤード。ここからTB高森(#7)のパワープレーが8ヤードゲインして幸先よく1stダウン(FD)を更新する。続くダウンはTB石嶺(#31)へのオプションピッチ⇒TB高森(#7)のパワープレーと続けるが、3rdダウンはまあまあ残しの8ヤード。しかし、ここはQB樋口(#24・2年生)のキーププレーが9ヤードゲインしてFDを上乗せ。エンジンが掛かり始める。ここからQB樋口(#24)の左右へのオプションキープとTB高森(#7)のパワープレーなどでプラス2回FDを更新し、敵陣29ヤードまで前進。続いてFB高森(#7)の中央ダイブが武蔵大守備陣の真ん中を劈く13ヤードのゲイン。一発のランでFDを上乗せし、一気に敵陣ゴール前までボールを運ぶと、最後はQB樋口(#24)が右オプションキープから5ヤードをねじ込んでTD。15プレーでFD更新5回。69ヤードのTDドライブを成功させる(キック成功で7対0)。

2Qに入り、序盤はしばし膠着。お互いにパントを蹴り合い均衡が崩れない状態。しかし、PRIMROSEディフェンスが我慢の守備を見せる中、中盤から再びPRIMROSEオフェンスにチャンスが訪れる。自陣38ヤードからの攻撃であったが、右オープン展開でオプションピッチを受けたTB石嶺(#31)が今日一の18ヤードのゲインをして一気に敵陣まで侵入すると、ここからTB高森(#7)のスウィープで3ヤード⇒QB樋口(#24)がオプションキープで10ヤード⇒TB石嶺(#31)へのオプションピッチで8ヤード⇒FB高森(#7)が中央ダイブで5ヤード⇒QB樋口(#24)のオプションキープで9ヤードと、コンスタントにゲインを重ねて武蔵大ゴール前までドライブをかけると、最後はTB高森(#7)が左ブラストプレーから1ヤードをダイブしてTD。膠着状態から少し前進。貴重な追加点をゲットする(キック成功で14対0)。

前半戦はその後スコアが動かず、14対0のまま終了となる。


後半戦


勝負の後半戦。第3Qは武蔵大オフェンスからスタート。武蔵大陣内34ヤードからの攻撃。PRIMROSEディフェンスはここをキッチリと止めて後半戦のモメンタムを掴みたい所であったが、武蔵大RBにポンポンと中央付近を走られてFD更新を許してしまう。そして、ここから武蔵大オフェンスのエア・アタックがさく裂する。先ずはSB(スロットバック)に24ヤードの縦パスをヒットされてPRIMROSE陣内まで侵入を許すと、息継ぎをする間もなく今度は逆サイドのSBに縦パスがヒット。そのままランアフターキャッチを許し、28ヤードを独走されTDを献上。僅か5プレーで66ヤードをドライブされるという武蔵大にとっては最高効率。武蔵大のエア・アタックが牙をむき、PRIMROSEディフェンスは遂に得点を奪われてしまう(キック成功で14対7)。

反撃に転じたいPRIMROSEオフェンスであったが、返しの攻撃はあっさりとパントに追い込まれ、攻撃権は再び武蔵大オフェンスへ。武蔵大陣内28ヤードからの攻撃であったが、武蔵大RBの中央、左右へのランにショートパスを絡められ、FDを3度更新される。対するPRIMROSEディフェンスもILB須賀(#75・4年生・キャプテン)、井上(#74・4年生・副キャプテン)らの決死のタックルで応戦するも、PRIMROSE陣内38ヤードまで前進を許し、いよいよ追いつかれるか否か…というクライマックスシリーズへと突入する。ここからの武蔵大オフェンスの1stダウン。先ずは右SBへのフェードパターン。SF石嶺(#31)がマンツーマンからギリギリのギリカバーでインコンプリート(いや、相当危なかった)。2ndダウンもSBへの縦パス。先ほどのフェードと違ってゾーンカバーの空間へと切れ込んでくるタイプのコース取りであったが、SF大倉(圭・#12・1年生)が上手く武蔵大WRのパスコースへ体を入れてボールは地面へとポトリ。勝負の3rdダウンは武蔵大オフェンスにエクスチェンジのミスが発生。体勢を立て直した武蔵大QBが右サイドライン際にロングパスを投じるも、SF池田(#43・1年生)が武蔵大WRに何とか体を寄せてカバード。何とかの何とかでこの難局を乗り切り、PRIMROSEオフェンスに攻撃権を供給する。

返しのPRIMROSEオフェンスの攻撃シリーズは自陣6ヤードと深い所から。1stダウン⇒2ndダウンとボチボチで、3rdダウンは6ヤードと長め。またパントか…のピンチをQB樋口(#24)が救う。左オプションキープから7ヤードをゲインしてFDを獲得。レッドゾーンを脱出する。続くダウンではTB高森(#7)のパワープレーでFDを上乗せし、先ずは自陣40ヤードへと前進。そして今度は再びQB樋口(#24)がオプションキープから6ヤード⇒10ヤードと連続好ゲインで敵陣へと侵入。ここからTB石嶺(#31)へのオプションピッチで右オープンへ振った所で4thダウン1ヤードとなり、ギャンブルを選択。このピンチをQB樋口(#24)のオプションキープで乗り越えると、続くTB高森(#7)の左スウィープで敵陣30ヤード以内へと侵入。いよいよ武蔵大ゴールラインが見えてきたが、ここからもQB樋口(#24)のオプションキープを中心に変わらぬ歩みで前進。何とか武蔵大ゴール前1ヤードまでボールを運ぶと、最後はTB高森(#7)が右パワープレーからノータッチでエンドゾーンへと侵入。23プレーでFD更新7回。94ヤードのロングドライブを成功させ、この時点で第4Qの残り時間は1分20秒。凌ぎを削り合った両者の均衡が遂に遂に破れる形となった(キック成功で21対7)。

結局試合は武蔵大の最後のパスアタックをPRIMROSEディフェンスが何とか抑え、ファイナルスコア21対7。若武者PRIMROSEが勝利し、リーグ優勝を飾った。


総括


越えなければならない一つの壁を越えた。そして、入替戦というもう一つの壁に挑む権利を獲得した。戦いまで期間は短いが、若いチームのすることに今までと違いは無い。私たちはまだまだ未熟だという事をしっかりと認識し、練習をする。トレーニングをする。コミュニケーションを取る。チームファーストの精神でしっかりと準備をし、今できる最高の状態を作り上げ、入替戦にチャレンジして欲しい。

(文:17期 丹野)

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