ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 3 0 0 0 3
国際基督教大学 7 3 10 0 20

無念の敗北で三部降格

三部リーグとの入替戦の対戦相手は国際基督教大学(ICU)。同大オフェンスのベースはショットガン・フォーメーション。フィールドを横に縦に大きく使ったパスの投げ分けからのランプレーやスクリーンなど、ディフェンスに的を絞らせないバランスの良い攻撃を展開する。そして、ディフェンスは4‐3。しかし、この日はラン守備を重視して、LB陣やセカンダリー陣を前方に投入する4‐5型や5‐4型も多用していた。


前半戦


1stシリーズはPRIMROSE(プリムローズ)の攻撃からスタート。自陣28ヤードからの攻撃であったが、1stダウンのパワープレーはノーゲインとなったが、2ndダウンのカウンターでFB勝山(#8・2年生・DB兼任)がオフェンスラインの好ブロックに支えられ、1線目、2線目とICUディフェンスの密集地帯を突破すると、これが52ヤードのロングゲインとなり、一気に敵陣19ヤードへと侵入する。しかし、ここからは攻めあぐねてFD(ファーストダウン)更新とはならずにFG(フィールドゴール)を選択。この40ヤードのFGをK大倉(#12・2年生)がきれいに決めて何とか3点を先制する。

返しのICUオフェンスの攻撃は自陣36ヤードから。1stダウンのアウトパターンのパスを丁寧に決められ、PRIMROSEディフェンスはあっさりとFDの更新を許すと、続くシリーズでもスクリーンにフラットゾーンのパスと、広角にコツコツとプレーを決められ、PRIMROSE陣内30ヤードまで侵入される。続けてSFの前にショートストレート系のパスを当てられゴール前での攻防に持ち込まれると、最後はノーバック体型からTE(タイトエンド)へのクイック系のパスを決められTDを献上。PRIMROSEディフェンスは、もろもろアジャストする時間も与えられないまま、ICUオフェンスにプレーを上手に散らされて、あっさりと逆転を許してしまう(キック成功で3対7)。

この後、1Q終盤から2Q終盤にかけて、PRIMROSEは攻守ともに我慢の展開を強いられる。オフェンス陣は要のランプレーがシャットアウトされ、思うようにFD更新が出来ない状況が続いたが、それでも何とかランプレーでつないで時間のみは消費する。一方のディフェンス陣もICUオフェンスにFDの更新こそ許したが、一発TDは許さない粘りの守備を続け、2Q終盤にFGによる3点の加点を喫するも、何とか1TD差で前半戦を折り返す(前半終了3対10)。


後半戦


点差はまだまだ7点差。後半もしっかりと時間を消費して粘りの守備を続ければ必ずや勝機が訪れる…。はずであったが、そんな希望を後半戦はスタートから打ち砕かれてしまう。開始のキックオフでICUオフェンスのKR(キックリターナー)に91ヤードのリターンTDを喰らい、後半戦は粘りを見せる以前にのっけから14点差という非常に苦しい現実を突き付けられてしまう(3対17)。

とは言っても14点差。まだまだ試合は分からない。返しのPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣39ヤードから。1stダウンは左サイドへのスイープ。ICUのSFにオープンサイドにいち早くクサビを刺されると、ボールキャリアーのHB豊野(#4・2年生)はインサイドに走路を見つけて突進。4ヤードとシブ目のゲインではあったが、最終的に相手のILBにキッチリとヒットしており、結局はこれをコツコツ繰り返していくしかない。コンタクトスポーツはヒットこそが最大の武器であることを忘れてはいけない。しかし、このシリーズも2ndダウンのダイブ⇒3rdダウンのパワープレーはきっちりと止められ、FDを重ねていくことが出来ない。

そして、返しのICUオフェンスは自陣26ヤードから。前半戦と変わらずフラットゾーンへの的確なパスにスクリーン。また、焦るPRIMROSEディフェンスからレートヒットの反則を奪うなど、クレバーな攻撃を展開。結局ここもFGによる3点を上乗せされ、じりじりと時間が無くなり、点差も開いていく(3対20)。

3Q終盤から4Q序盤にかけての攻撃ではQB樋口(#24・3年生・LB兼任)にブーツレッグから22ヤードのロングゲインが生まれ、久しぶりに敵陣に入る展開。しかし、ここでも続くダウンをシャットアウトされ、結局はパントに。ラン守備重視で守られてはいるが、キーブロックに強いヒットが出来ていなかったり、ブロックが成立しているケースでもバックス陣が適切なホールをキャッチしていなかったりと、体力面の限界もあり、焦りもありで最適解を導き出せない悪循環が続いた。

結局、ICUオフェンスは4Qに入るとランプレーの比率を更に増やしてボールコントロール。加えてPRIMROSEオフェンスも1QのFGによる3得点以降は最後までICUディフェンスの壁を突破することが出来ず無得点に終わり、ファイナルスコア3対20。我がPRIMROSEの2部リーグでの挑戦は儚くも一年で終了となった。


総括


今年の4年生はコロナの影響で4年間在籍していないという特殊な代となったが、ここで活動終了となります。先ずはお疲れ様でした。三部降格。結果は厳しいものになったが、この悔しい思いも含め、部活動という組織で経験したことを活かして、立派な社会人になって下さい。

3年生以下はアメフト部での活動はまだ続いていきます。体育会は結果が全ての世界なので、取り組みがまだまだ足りなかったということを認めなければならないし、この敗戦で悔しい気持ちが生まれたのであれば、正にその悔しい気持ちを次のステージで這い上がるための原動力として使っていかなければいけないだろう。肉体的にも精神的にも一回り成長してくれることに期待します。年が明けたらまた新入生を勧誘して、強い組織を作っていこう。

(文:17期 丹野)

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