ゲーム解説
二部の壁にぶち当たり、敗戦コロナ禍で部は存続の危機にあったが(危機は今も継続中だが)、昨年の4年生の頑張りで少人数ながらも三部リーグで優勝を果たし、チームは二部リーグへと昇格を果たした。そして、今季は久々の二部リーグでの挑戦ということになった。いや、昨年の4年生の頑張りだけではない。それ以前の卒業生もコロナの中、一定のモラルを持って練習を継続してくれた。その皆の努力が実を結び、二部昇格へとつながったといえるだろう。 開幕戦の対戦相手は神奈川大学。同大オフェンスのベースはショットガン・フォーメーション。昨年まで1部リーグで慣らした同チームはラン・パス偏りが無く、当然のことながら二部リーグを基準に考えると基本がしっかりしているイメージであり、バランスの良い攻撃を展開する。そして、ディフェンスは8メンBOX(4‐4)。通常は3-4のチームのようだが、この日はラン守備重視の守備体型を敷いてきた。 前半戦(終わってみての感想にはなってしまうが、この試合の見せ場はPRIMROSE〔プリムローズ〕ディフェンス陣の最初の守備だったのかもしれない。)キックオフ直後の神奈川大オフェンスの1stシリーズは神奈川大陣内21ヤードから。最初のパワープレーはOLB藤本(#57・2年生・OL兼任)が的確なポジショニングから神奈川大RBをタックルし、3ヤードのゲインに留める。続く2ndダウンのゾーンストレッチもDE柳澤(#68・2年生・OL兼任)とNG橋本(#56・2年生・OL兼任)が神奈川大オフェンスラインに押し負けることなく担当ホールにストレスをかけ、1ヤードのゲインを許すのみでストップ。そして、3rdダウンのパスもインコンプリートとし、幸先よく3&アウト。PRIMROSEオフェンスへと攻撃権を回す。 返しのPRIMROSEオフェンスは神奈川大のパントのキックミスもあり、そこそこ良い位置からの攻撃であったが(敵陣36ヤード)、このチャンスをファンブルであっさりと逸してしまう。しかし、ここからもPRIMROSEディフェンスが奮闘。一転してパス攻撃を仕掛けてきた神奈川大オフェンスに対し、SF大倉(#12・2年生・WR兼任)にもう少しでインターセプトとなるパスカットが飛び出すなど、このシリーズも3&アウトとすることに成功。序盤戦はディフェンス陣を中心に何とか喰らいついてゲームを作ることができた。 しかし、PRIMROSEオフェンスがなかなか攻撃の糸口をつかむことが出来ず、負担は徐々にPRIMROSEディフェンスに圧しかかり始める。1Q終盤の神奈川大オフェンスの攻撃は神奈川大陣内32ヤードから。RBのカウンターにQBのスクランブルと、PRIMROSEディフェンスは左右に目一杯揺さぶられて前進を許す展開。各々が守らなければいけない守備ホールに適正な圧力をかけられず、神奈川大のランナーに自由度が増してきた印象。それゆえ、タックルミスも目立ち始め、PRIMROSE陣内7ヤードまで前進を許すと、最後は神奈川大TBに左パワープレーから守備BOXの大外にスルりとカットを切られてTDを献上。ついに試合の均衡が破られる(キック成功で0対7)。 それでも前半戦は神奈川大のFGの失敗などにも助けられ、何とか7対0のまま終了となる。 後半戦勝負の後半戦…といきたいところであったが、のっけから神奈川大オフェンスが爆発する。単純な中央のトラッププレーであったが、神川大オフェンスラインにPRIMROSE守備陣の中央付近を力強くこじ開けられると、そのホールを突破してきた神奈川大RBにグイグイとアフターランを許し、たった1プレーで57ヤードの独走TDランを喫してしまう。ここまで何とか7失点に抑えてきたPRIMROSEディフェンスであったが、この1プレーで緊張の糸が一気に切れ、3Qはこの後、神奈川大オフェンスにもうワンドライブとパントリターンからもTDを奪われて+14失点。4Qもオーソドックスなランプレーではあったが、神奈川大TBに52ヤードの独走TDを奪われてダメ押し点を献上。最終的には完全に押し切られる形で力尽きた。 一方のPRIMROSEオフェンスも、前半戦からQB樋口(#24・3年生)とRB豊野(#4・2年生)を中心に、コツコツとランプレーでアタックを繰り返したが、最後まで神奈川大ディフェンスの分厚い壁を突破することが出来ず、無得点に終わった。 しかし、後半戦は見せ場が全く無かったわけではない。3Q中盤にKR(キックリターナー)竹澤(#25・2年生)に82ヤードの独走キックオフリターンTDが生まれており、何とか一矢(のみだが)報いることが出来た(ファイナルスコア7対34)。 総括良いところ無く、分かりやすくやられてしまった。どう贔屓目に見ても、勝てる、と思える時間帯は無かった。我がPRIMROSEは人数も少なく、体力的にも辛かっただろう。しかし、この試合に至るまで最高の努力をし、勝利するための準備が本当に出来ていたのだろうか? 先ずはそれを自分に素直に、正直に問うてみよう。言い訳をいうのはそれからでも遅くはない。この敗戦を心に刻み、練習をして、トレーニングをして、コミュニケーションをとり、次なる戦いに備えて欲しい。勝利を信じ、全員一丸となって努力を続けよう。 (文:17期 丹野) BACK |