ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 14 7 0 6 27
東京工業大学 7 14 14 12 49

前半やや打ち合うも、後半は地力の差で大敗

第四節(チャレンジリーグ第一節)の対戦相手は東京工業大学。同大オフェンスのベースはショットガン・フォーメーション。流行りのショットガンではあるが、左右へオプションというよりかはQB、RBの縦へのブラストやゾーンストレッチ系がメイン。今シーズンの米国、陸軍士官学校を彷彿させる切れ味鋭いオフェンスだ。そして、ディフェンスは4‐3。まあしかし、4‐3といっても両セーフティはほとんどラン守備重視の位置に立っており、実際には4‐3‐2若しくは4‐4で守備BOXを形成していた感じだ。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。いつも通り、入りのとこから反則を犯したりのウダウダ劇で、3rdダウンは10ヤードどころか13ヤードあったのだが、ここからHB樋口(#24・3年生・ILB兼任)が魅せる。右オープンへのスイープであったが、OT大倉(#77・4年生・キャプテン)がはしっこの東工大DEをいい感じでブロックすると、素直にその脇を縦上がりしたHB樋口(#24)が相手SFを二枚とも振り切って独走ルートをキープすると、そのまま86ヤードを走ってTD。当然、ウチは格下も格下であり、相手に油断もあったのだとは思うが、何れにしても、何とか先制をすることが出来た(キック失敗で6対0)。

そして、返しの東工大オフェンスの攻撃は自陣27ヤードから。PRIMROSEディフェンスはこれをシャキッと止めてオフェンスへとバトンタッチ…と行きたい所ではあったが、そこはやはり格上。しっかりと激しい攻めに遭遇する。シンプルなQBラン。ラインの前々勝負をノーハドルオフェンスで展開してきた。まぁ、種も仕掛けも無いプレーなので、対する我がPRIMROSEのDL陣に対しても、バリっと勝負せえや…という気持ちではあったが、そこはキッチリとやられてしまう。16プレー、73ヤードのTDドライブを、全てQBブラスト系のランで押し切られ、息継ぎをする時間すら与えてもらえずにモリモリっと逆転されてしまった(キック成功で6対7)。

しかし、PRIMROSEがここからも若干噛みつく。『いつもの』KR(キックリターナー)竹澤(#25・2年生)が返しのキックオフリターンで右オープンを縦一閃。92ヤードを走り切ってTDを奪い、再び逆転に成功する(2点コンバージョン成功で14対7)。

そして、更に噛みつきの流れは継続。返しの東工大オフェンスの1stプレーは右サイドへのヒッチ。これに対し、PRIMROSEディフェンスのCB勝山(#8・2年生・FB兼任)が東工大WRに激しいタックルを浴びせファンブルを誘発。このボールをILB樋口(#24・3年生)がリカバーしてターンオーバーとなり、敵陣34ヤードと絶好の位置で攻撃権を獲得する。

なんか、ここまでを文章で見ると…。なんか、勝ちそう…みたいな雰囲気を醸し出してしまうので、冷静に書き直しましょう。全部ノーハドルの全部中央QBランとか、中々に派手に攻めては来るのだが、なんかやっぱりファンブルとか、エクスチェンジ系のミスが非常に多くて、リズムに乗り切れていない東工大が、ここまでは我がPRIMROSEにチャンスを与えてくれたという構図であって、東工大のオフェンスラインは我がPRIMROSEのディフェンスラインを完全にコントロール出来ているので、落ち着きさえ取り戻せばここまでは荒れないぞ…というのが正確な所でしょう。

気を取り直して文章書きを継続すると、ターンオーバーから得たチャンスをPRIMROSEオフェンスは敵陣5ヤードまで持ち込むも、最後は4thダウンギャンブルに失敗して無得点に終わる。ここでもライン戦ではPRIMROSEのOL陣は、東工大DL陣に押し返されており、バックス陣にも自分からグイグイぶつかっていくファイトがあったかといえばまだまだで、本当に力不足であり、もっともっと練習しなければいけないなと思わせられる局面であった。

そして、返しの東工大オフェンスは東工大陣内5ヤードから。深い所からのスタートではあったが、ここからも東工大はノーハドルのQBブラスト三連発で12ヤード⇒19ヤード⇒16ヤードとゲインを重ね、あっという間にハーフ付近までボールを運ぶ。対するPRIMROSEディフェンスは、そろそろ止めていかなければならない局面ではあったが、ここから東工大オフェンスにスクリーン、スイープとオープンサイドにプレーの目先を変えられると、結局は流れを止められないままゴール前まで侵入を許してしまう。そして、最後は再び中央ラン。QBのブラストで8ヤードを突破されTDを献上。同点とされてしまう(キック成功で14対14)。

この試合、唯一流れというものがあったとすれば2Q中盤の攻防か。東工大オフェンスの攻撃は東工大陣内15ヤードから。1stプレーのパスで東工大QBに7ヤードのスクランブルランを許したが、続く2ndダウンは相手QBがスナップボールをジャッグルしてもたつく間に、ILB樋口(#24・3年生)がQBサックに仕留めストップすると(向こうがミスしただけではあるが…)、続く3rdダウンのクロスパターンの縦パスもSF大倉(#12・2年生・WR兼任)が東工大WRにピタリと体を寄せてカバード。パントへと追い込み、攻撃権はPRIMROSEオフェンスへ移行する。

このディフェンスからの流れを受けたPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣46ヤードから。先ずはTB豊野(#4・2年生)の中央ランが10ヤードゲインして敵陣へと侵入。続けてFB勝山(#8・2年生・DB兼任)の中央ダイブで5ヤード⇒HB豊野(#4)のスイープで14ヤード⇒TB豊野(#4)のパワープレーで9ヤードと次々に前進し、敵陣ゴール前11ヤードまで迫ると、最後はTB樋口(#24)が左パワープレーから11ヤードを走り切ってTD。この日初めてディフェンス⇒オフェンスというつながりからの得点をあげることが出来た(キック成功で21対14)。

この時点で前半戦の残り時間は1分少々。この試合初めてチームとしてボールコントロールを成し遂げた直後の大事な局面であったが、この1分少々の東工大オフェンスの返しに対し、PRIMROSEディフェンスが持ちこたえることができない。東工大陣内16ヤードと深い所からの攻撃であったが、1stプレーの29ヤードの縦パスをきれいに決められ、あっさりとハーフ付近まで前進されると、その後もポンポンとパスを決められてあっという間にPRIMROSE陣内29ヤードまでの到達を許し、最後もエンドゾーン左隅に縦パスを決められてTDを献上。リードもつかの間。そして、気持ち的にもかなり叩き落とされる前半戦の終了劇となった(キック成功で21対21)。


後半戦


後半戦は地力に勝る東工大オフェンスに良いようにやられる。先ずは開始のキックオフリターンで58ヤードのビッグゲインを許すと、その後、QBドロー一発であっさりとTDを奪われてしまう(21対28)。そして、3Q終盤にはゾーンストレッチ系のオープンランで41ヤードの独走TDランを奪われ(21対35)、4Qに入っても中盤に同じくゾーンストレッチ系のランから1TD(21対42)。そして、終盤には縦パスで1TDを上乗せされ、終わってみれば大量49失点。何とか1TDは返したものの、後半戦は何といっても体力的に完全にトルクダウンしていて、我がPRIMROSEは流れやつながりというものを全く作れないまま試合終了という形になってしまった(試合終了27対49)。


総括


27得点し、派手に打ち合った時間帯こそあったが、勝てる流れ、チームとして勝つためのオペレーションが出来ていた時間帯があったかといえば、一時も無かった…と言わざるを得ないだろう。ディフェンスは相手オフェンスの中心となるプレー、根幹をなすプレーのいくつかをしっかりと止めて、より多くの機会をオフェンスに供給する必要があるし、オフェンスはボールコントロールをするためには、当然の事ながらFDを積み重ねていかなければならない訳だが、無用の反則や交代違反もありでは、そもそもボールコントロール以前の問題ということになるだろう。少人数でチーム状況が大変なことは良く分かるが、無いものねだりをしても仕方がない。やれる事、やれない事をしっかりと見極め、コミュニケーションをとり、練習をして、トレーニングをする。全力で取り組み、次節こそ勝利を掴み取ろう。

(文:17期 丹野)

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