ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 14 13 0 14 41
立正大学 6 0 7 0 13

怒涛の先制劇で三連勝!

第三節の対戦相手は立正大学。立正大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。ランプレー感覚のヒッチパスにジェット系のラン、更にはオプションにリバースと攻撃の幅はとても広い。そして、ディフェンスはベース4-3。この日はOLBとSSを一線ずつ上げて、5-3状態となっていることが多かったが、ランナーを両DEのクイックネスで守備BOXの内側に封じ込め、中央でクサビを打てるM(マイク=インサイドラインバッカー)がスローダウンさせ、前線に上がっていたSS(ストロングセーフティ=ローバー)を含めたセカンダリー陣がタックルを決める。一定のエリアコントロールが確立されている、しっかりとしたコンセプトのある守備という印象だ。


前半戦


先制したのはPRIMROSE(プリムローズ)。キックオフ直後の1プレー目は自陣15ヤードから。ハンドオフを受けたTB豊野(#4・3年生)が右パワープレーから中央付近にスプリントをかけると、FS(フリーセーフティ)⇒CB(コーナーバック)と立正大ディフェンダーを次々とかわして独走ルートを確保。これが敵陣ゴール前3ヤードまで到達する82ヤードのビッグゲインとなり一気に得点のチャンスをつかむと、このGL(ゴールライン)オフェンスもTB豊野(#4)が左ブラストプレーからエンドゾーンに体をねじ込んでTD。快速コースで先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

続いてもPRIMROSE。返しの立正大オフェンスの攻撃は自陣40ヤードから。1stダウンは左サイドへのオプション。これに対し、DT橋本(#56・3年生)がいち早く立正大QBにプレッシャーをかけスローダウンを図ると、バックサイドからサーチをかけていたDE柳澤(#68・3年生)が追いついて4ヤードのロスタックル。2ndダウンはセーフティバルブのRBに6ヤードのパスをヒットされるも、OLB藤本(#57・3年生)が即タックルし、ランアフターキャッチを許さない。そして、見せ場は3rdダウン。スラント系のパスパターンであったが、ILB樋口(#24・4年生)が的確なプレーリードからゾーンカバーに下がると、立正大QBから投じられたこのパスをインターセプト。そして、そのまま立正大エンドゾーンに駆け込んで49ヤードのリターンTDを決め、試合開始からまだ2分足らず。キャプテン樋口の活躍により、怒涛の速攻劇で追加点をゲットする(キック成功で14対0)。

更に、1Q終盤にもPRIMROSEディフェンスにビッグプレー。立正大QBの投じたショートアウトのパスであったが、CB鈴木(#2・1年生)がボールと立正大WRの間に飛び込んでインターセプト。いよいよ主導権はPRIMROSEに…という寸前までいったが、ここからPRIMROSEオフェンスにミスが発生。攻撃中のファンブルから立正大ディフェンスにファンブルリターンTDを喫し、不安定な状況へと逆戻りしてしまう(キック失敗で14対6)。

しかし、この日はディフェンス陣がとにかく耐えた。立正大の攻撃を単発ゲインまでに留めて我慢の展開。そして、2Q中盤にようやく得点機が訪れる。PRIMROSEオフェンスが攻撃をストップされ、パントへと追い込まれたが、P(パンター)大倉(#12・3年生)の高いパントが立正大PR(パントリターナー)の捕球ミスを誘い、ファンブルしたボールをファーストタックルに向かっていたカバーチームの竹澤(#25・3年生)がリカバー。敵陣16ヤードと絶好の位置で攻撃権をゲットする。このチャンスに、先ほどファンブルリカバーをしたHB竹澤(#25)が右オプションピッチからボールを受けると、そのまま16ヤードを走り切ってTD(キック成功で21対6)。更に前半戦はもう1TDを上乗せし、3ポゼッション差をつけて折り返すことに成功する(前半終了27対6)。


後半戦


後半戦は立正大オフェンスの攻撃からスタート。自陣30ヤードからの攻撃であったが、PRIMROSEディフェンスは3rdダウンのアウトパターンのパスを立正大QBに見事に決められ、この1stシリーズをコンバートされたのを皮切りに、8プレー、70ヤードのTDドライブを完結され、厳しい立ち上がりを強いられる。立正大もこの試合に勝てばリーグ優勝の可能性は残っており、高い集中力を発揮してきた。両チームともに少人数チームであり、多くの選手が攻守両面出場だ。後半戦は体力面というもう一つの見えない敵との戦いが負荷されてくる。過酷ではあるが、あらゆる厳しさに立ち向かわなければならない両チームの意地のぶつかり合いであり、真剣勝負である。簡単に決着がつくはずもなく、改めてそう感じさせられた後半戦の入りとなった。

しかし、後半戦1TDを先取されたPRIMROSEディフェンスであったが、この後は前半戦同様に我慢の守備を続けた。立正大オフェンスに対し、単発のゲインこそ許したが、粘り強く集まる全員守備で一発TD等の致命傷となり得るゲインを許さなかった。

そして、4Q序盤にはその粘りから遂に好機が訪れる。立正大の攻撃ドライブ。PRIMROSE陣内38ヤード地点で立正大QBの投じたアウトパターンのパスをSS大倉(#12)がインターセプトに仕留め、自陣41ヤードからの攻撃権をゲットする。SS大倉(#12)のインターセプトはもちろん見事であったが、その裏ではOLB吉村(#75・3年生)、DE春原(#52・3年生)が立正大QBに対し効果的なパスラッシュをかけており、万全の体勢で投げさせない努力がなされていた。

このチャンスにPRIMROSEオフェンスは先ずはTB豊野(#4)のパワープレーで40ヤードのロングゲインを奪い、敵陣19ヤードへと侵入する。そしてここからFB勝山(#8・3年生)が中央ダイブから19ヤードを走り切ってTD。我慢の展開の中で再び3ポゼッション差としたPRIMROSEがようやく主導権を手繰り寄せた。

結局試合は、この後もう1TDを上乗せしたPRIMROSEが大量の41得点。粘る立正大を引き離し勝利を収めた(ファイナルスコア41対13)。


総括


大きなミスもまだあるが、チームプレー。すなわち、チームとして力を発揮できている点も徐々にではあるが増殖しつつある。文章にすればそういうことだが、要するに我がチームはまだまだ発展途上の状態であり、リーグ優勝するためにはもう1upも2upもレベルアップが必要であろう。次の試合まで時間はない。しかし、時間が無いからこそ、このスポーツにもっと素直に向き合って欲しい。シーズン終了までを見てもあとわずかの期間だ。ぜひともフットボールに時間をかけ、フットボールに注力をして欲しい。次節、グランドの中で、チーム力が大きな塊となって、目に見える現象となって表現されることに期待する。

(文:17期 丹野)

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