ゲーム解説
難敵撃破! 次節優勝決定戦!第四節の対戦相手は東京外国語大学。外語大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。前節の立正大と同様、ランプレー感覚のヒッチ系のパスにオプション。そして、何よりもフェード系(縦パス)の思い切りの良さが印象的だ。そして、ディフェンスはベース4-4。力強いディフェンスラインを擁し、フロント4人+LB4人、若しくは、フロント5人+LB3人の8メンBOXをシチュエーションに応じて使い分けてきた。 前半戦1Q最初の攻撃は外語大オフェンスから。自陣28ヤードからの攻撃であったが、RB⇒WRとつなぐリバースと、いきなりのスペシャルプレーで揺さぶりをかけてきた。これに対しPRIMROSE(プリムローズ)ディフェンスは、バックサイドからチェイスをかけていたDE春原(#52・3年生)が外語大ボールキャリアーにプレッシャーをかけるも、これを交わされオープンサイドに展開を許す。しかし、DE春原(#52)がクサビとしての最低限の役割を果たした結果、ランナーが減速、かつ、大回りをして、その間にセカンダリー陣が大勢を整えることに成功。最後はCB増井(#21・3年生)がタックルして3ヤードのゲインにとどめる。2ndダウンは中央へのダイブ。ライン戦といえる真っ向勝負の中央ランであったが、ILB樋口(#24・4年生)が中央でクサビとなり外語大RBの走路を限定化。すかさずOLB藤本(#57・3年生)がタックルを決め、3ヤードのゲインに抑える。続く3rdダウンはWR4人を擁した4縦のパス。外語大QBから早めのリードで投じられたボールはSB(スロットバック)に通ったかに見えたが、OLB吉村(#75・3年生)が素早い反応からボールに追いつきこれをカット。全員守備で3&アウト。幸先よくオフェンスへとバトンタッチする。 そして、外語大パント後のPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣37ヤードから。1stダウン⇒2ndダウンとパワープレーでそれぞれ6ヤード⇒18ヤードとゲイン。リズムよくハーフウェイを超えると、ここからはオープン一閃。TB豊野(#4・3年生)が左スイープから39ヤードを独走してTD。プレーサイドのWR大倉(#12・3年生)の外語大CBに対するストークブロックはもちろんのこと、最終ラインのFS(フリーセーフティ)にもオフェンスラインのダウンフィールドブロックが到達しており、左サイドに形成されたウェーブがエンドゾーンまでの一本道となった(キック成功で7対0)。 返しの外語大オフェンスの攻撃は自陣34ヤードから。今度はロンリーセンターフォーメーションでサプライズ。ここはノーマル体型に戻してのヒッチ系のパスであったが(インコンプリート)、優勝戦線に残るための闘いに色々な準備が施されている様子。しかし、2ndダウンで外語大オフェンスがフォルススタートで後退すると、最終3rdダウンのスクリーンパスも8ヤードのゲインにとどめ、再びの3&アウト。ディフェンス⇒(やじるし)オフェンスの流れがガッチリと継続される。 続くPRIMROSEオフェンスの攻撃は自陣22ヤードから。エクスチェンジのミスやファンブルが重なりリズムを崩しかけたが、FB勝山(#8・3年生)が中央ダイブから4ヤード⇒8ヤード⇒4ヤードと(地味に)力強くゲインを重ねてチームを落ち着かせる。結果、11プレーを費やし外語大陣内レッドゾーン(11ヤード)まで侵入すると、最後はTB樋口(#24・4年生)が左スイープから11ヤードを縦上がりしてTD。早い時間帯での追加点をゲットする(キック成功で14対0)。 更に前半戦は続く外語大オフェンスも3&アウトに仕留め、それに応える形でPRIMROSEオフェンスがもう1TDを上乗せ。ミスもあったが、得点差としては非常に有利な展開で折り返すことに成功する(前半終了21対0)。 後半戦後半戦に入ってもPRIMROSEオフェンスの勢いは止まらない。開始の攻撃は自陣33ヤードからであったが、前半戦も地味に光ったFB勝山(#24・3年生)のダイブが3ヤード⇒3ヤード⇒7ヤード⇒5ヤードと外語大守備BOXの真ん中を突き刺し、ボディーブローのようにジワジワと前進して敵陣35ヤードまで侵入。そして、ここからTB豊野(#4・3年生)が左カウンターからオープンサイドに走路を見つけると、そのまま35ヤードを走り切ってTD。キックも決まって28点差。ボールコントロールをしながら着実に加点する。 しかし、そこは(お互いに)優勝をかけた道のりであり簡単ではない。返しの外語大オフェンスの攻撃で、きっちりと11プレー、59ヤードのオフェンスドライブを敢行され、リードは再び21点差となる。更にここからオンサイドキックを決められ、外語大に連続で攻撃権を奪われてしまう。後半戦のクライマックスは外語大オフェンス対PRIMROSEディフェンスという形でゴングが鳴らされた。 ハーフウェイ付近からの外語大オフェンスの1stダウンは中央のドロープレー。外語大オフェンスラインの決死のブロックに対し、少し押され気味ではあったが、NG橋本(#56・3年生)が右腕一本をランナーに伸ばしてユニフォームをつかむと、そこにOLB吉村(#75)がフォローに入ってタックル。4ヤードのゲインにとどめる。そして、2ndダウンのSBへのアウト&ゴーと3rdダウンのWRへのフック系のパスはセカンダリー陣が的確にゾーン取りしてインコンプリート。そして勝負は4thダウンギャンブルへ。ここで外語大はSBへのショートパスで堅実にFD(ファーストダウン)を狙いに来たが、このパスをOLB藤本(#57)がカットしてインコンプリート。外語大オフェンスの反撃を7失点のみで食い止める。 そして、この返しの攻撃でPRIMROSEオフェンスが1TDを追加。試合は4Qに入っており、20点差以上がついていたため、規定によりコールドゲームとなり、PRIMROSEが勝利した(ファイナルスコア34対7)。 総括まだまだミスが発生しており不安定さもあるチーム状況ではあるが、何とか勝利することが出来た。そして、次節はリーグ優勝決定戦となった。相手は東京国際大学。しかし、取り組みはこれまでと変わらない。試合においては蓄えたもの以上のことが発揮されることはない。次節まで時間はないが、時間が無かったとしても近道が存在する訳ではない。やはり、素直に、正直に、このスポーツに向き合い、不足している部分を補うこと。基本練習を怠らないこと。それに尽きるだろう。次節、今できる最高の準備をして、リーグ優勝をもぎ取ろう。 (文:17期 丹野) BACK |