ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 7 7 0 0 14
東京国際大学 6 6 0 0 12

大接戦を制し入替戦へ!

リーグ戦最終第五節の対戦相手は東京国際大学。東国大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。真ん中に鎮座したパイロット(QB)が奥にサイドにパスを投げ分け、WRが空いていないとなれば、前へ横へとスクランブル発進。良くも悪くもQBの出来に大きく左右されるQBコックピット型のオフェンスだ。

そして、ディフェンスはベース4-3。先ずは重量感がある3テク(DT=ディフェンスタックル)とNG(ノーズガード)。そしてプレーリードが的確なM(マイク=インサイドラインバッカー)に守備範囲の広いFS(フリーセーフティ)と、センターラインをアスリートでガッチリと固め、守備に大きな安定感をもたらしている。


前半戦


リーグ優勝が懸かった大一番。PRIMROSE(プリムローズ)はのっけのキックオフでKR(キックリターナー)竹澤(#25・3年生)が55ヤードのロングリターンを決め、敵陣35ヤードからの攻撃権を得るも、東国大ディフェンスにここをピシャリと止められ3&アウト。先制のチャンスも無得点に終わる。

逆にこれで波に乗った東国大は返しのオフェンスシリーズで先制劇。東国大陣内2ヤードとPRIMROSEディフェンス的にもチャンスの場面ではあったのだが、最初の東国大RBのオフタックル付近のランで14ヤードゲインされ、あっさりとレッドゾーンからの脱出を許すと、続け様に東国大QBにスクランブルから40ヤードのビッグゲインを喫し、あれよあれよとPRIMROSE陣内に侵入される。しかし、PRIMROSE陣内33ヤード地点で4thダウンへと追い込み事なきを得たかに見えたが、ここでパント体型からのパスを決められ、FD(ファーストダウン)を更新される。そして、ここから息継ぎする間もなく東国大QBに右オプションキープから20ヤードの独走を許しTDを献上。QBを調子に乗せてしまってはいけないのは十分承知なのだが、その承知の思いを上回るパフォーマンスで東国大QBにバリバリ全開のオープニングドライブを喰らってしまう(キック失敗で0対6)。

しかし、返しの攻撃でPRIMROSEオフェンスが反撃の狼煙を上げる。自陣27ヤードからの攻撃であったが、1stダウンのFB勝山(#8・3年生)のダイブが3ヤードとまずまずのゲイン。そして、続く2ndダウンでQB豊野(#4・3年生)が左オプションキープからオフタックル付近を縦上がりすると、そのまま70ヤードを独走してTD。キックも決まり、ここからリードの展開が開始される(7対6)。

続く得点機もPRIMROSEに訪れる。2Q序盤。東国大ディフェンスに攻撃を止められてPRIMROSEオフェンスはパントへと追い込まれるも、P(パンター)大倉(#12・3年生)が敵陣3ヤード地点でボールを止めるコントロールパントに成功し、東国大の攻撃は自陣深い所(ショットガンのチームなのでQBの立ち位置はエンドゾーンの中)から開始となる。そして、この東国大オフェンスの1stダウンで、PRIMROSEディフェンスのDL陣が猛プッシュをかけて東国大QBにプレッシャーをかけると、QB⇒RB間のハンドオフの際にジャッグルが発生。東国大RBは中々ボールが手につかず、そのままファンブルとなり、そのボールをPRIMROSEディフェンスのOLB吉村(#75・3年生)がリカバーして、敵陣1ヤードからの攻撃権をゲットする。そして、この1ヤードをTB豊野(#4)のパワープレーで取り切り追加点。リードを広げる(キック成功で14対6)。

しかし、しかし、そこは優勝をかけた大一番。ドラマはまだまだ終わらない。返しの東国大のキックオフリターンで、東国大KRに90ヤードの特大リターンTDを喫し、リードも束の間。あっさりとTD数(=TD2本ずつ)では追い付かれてしまう。そして、当然のことながら先程のキック失敗のマイナス1点を取り返すべく、東国大オフェンスはポイントアフターTDで2点コンバージョンを選択。(我がPRIMROSEにとっては)リードの維持が出来るのか否か、前半戦の小クライマックスをここで迎えることとなった。

2点コンバージョンのプレーはショットガン体型からのアウトフック系のパスであったが、PRIMROSEディフェンスは大外からパスラッシュをかけたOLB吉村(#75)が、東国大QBにプレッシャーを与えてコントロールミスを誘う。結果、投じられたボールはショートとなりインコンプリート。互角の展開の前半戦であったが、やっとこさのリードをキープして終了となった(前半終了14対12)。


後半戦


後半戦はどうなるのか。荒れた展開も予想されたが、一転して我慢比べモードに突入。3Q序盤は東国大Pの好パントでPRIMROSE陣内4ヤードまで陣地を押し戻されたのをきっかけに、その後の堅守も絡め、東国大オフェンスがPRIMROSE陣内35ヤードからの攻撃権をつかむ。1stダウンはアウトサイドレシーバーへのヒッチ系のパス。これに対し、PRIMROSEディフェンスはDE春原(#52・3年生)が大外から東国大OLをプッシュしてパスラッシュをかけると、最後は東国大QBから投じられたボールをブロックしてパスカットし、インコンプリートとなる。2ndダウンはRBへのカウンターからの中央プレー。これもDE春原(#52)がバックサイドからチェイスをかけ、何とか東国大RBへと絡みつき6ヤードのゲインにとどめる。3rdダウンは左オプション展開からのオープンサイドへのピッチプレーであったが、このピッチにミスもあり3ヤードのロス。そして、勝負は4thダウンギャンブルへ。ここで、東国大オフェンスは手堅くヒッチ系のパスでFD更新を狙いに来たが、OLB吉村(#75)が東国大WRのキャッチ際で素早くタックルをかまし、捕球ミスを誘ってインコンプリート。このピンチを切り抜ける。

一方のPRIMROSEオフェンスは4Q。東国大のパントをブロックして得た敵陣30ヤードからの攻撃。1stダウンはブラインドサイドへのオプション。QB豊野(#4)が縦上がりを試みるも、東国大DL陣に阻まれ1ヤードのゲイン。2ndダウンのプレーアクションパスはWR大倉(#12)が上手く相手ゾーンのシームに入り込んだかに見えたが、結局、捕球できずにインコンプリート。3rdダウンのオプションも東国大DL陣に走路に蓋をされてノーゲイン。このチャンスも生かせない。

前半戦に2点リードをした段階では到底このまま試合が終わることなどあり得ないし、どこかで試合が動くだろうと思ってはいたのだが、両軍必死の守備合戦の中、互いにパントを3回ずつ蹴り合うと試合はあっという間に4Q終盤を迎えていた。そして、目くるめく繰り広げられたぶつかり合いの末、4Q最後の瞬間にボールを確保していたのは幸運にも我がPRIMROSEだった(試合終了14対12)。


総括


互角の(いや、やや押されてたな)展開の中で何とか勝利し、上位リーグとの入替戦への切符を手にすることが出来た。この与えられたチャンス。少人数の我がチームが勝つためには、試合までの短い期間、素直にこのスポーツに向き合い、情熱を注ぎこんで練習に取り組み、チーム力をアップさせるしかない。使い古されまくりワード満載だが、シンプルにそれしかないだろう。勝ちたいのなら、それしかない。

(文:17期 丹野)

BACK