監督・コーチの部屋


Head Coarch

2期 田村 靖典
1勝の重みを感じる1勝

監督を務めさせていただいています田村です。

平素は、プリムローズの活動にご理解とご支援をいただきましてありがとうございます。また、リーグ戦中は多数のOBが練習にご協力をいただき、学生になり代わり、改めて御礼申し上げます。リーグ戦も終わったということで、雑感ですが、一言述べたいと思います。

昨年の入れ替え戦から一度も勝つことなく迎えたリーグ戦3戦目で、ようやくあげた1勝は、何ものにも換えがたい1勝だったように思います。今シーズンは、すべてこの1勝のためにあったと言っても過言ではありません。正直言って、チーム力、個人の基礎能力、人数、3拍子そろって、相手に勝るものはありませんでした。そんなチームが、現実に相手に勝つことは、並大抵のことではありません。去年の千葉大との定期戦で、倍以上の相手の人数を見て、戦う前に気持ちで負けていた選手の顔を思い出します。それが、高千穂戦が終わって、彼らの顔は、まるで横綱を倒した平幕力士のように自信に満ち溢れていました。「やればできる。」「皆が気力を合せ、大きな波を作れば、弱い力でも強い相手を倒すことができる。」試合が終わって、選手は、そう感じたはずです。

よく言われることですが、アメフトは、メンタルなスポーツです。実際の力以上にチームのムード、試合の流れが点差に現れます。一旦、崩れると均衡していたゲームも一方的な試合になってしまうことがよくあります。ゲームで、作戦、攻撃の組み立て、防御の組み立ては、もちろん重要な要素ですが、それと同様に重要なのが、全員の闘志を一点に集中させ、流れを作ることです。山下が、炎のタックルで相手のプレーを阻み、それを切欠として、カズが中央突破の力のある5ヤードランをすると、小松がロングゲインを見せる。最後に、松原、ヨシヒトのコンビが2ポイント・コンバージョンのパスをヒットさせる。そんなチーム全員の働きがチームを勝利へ導いたのです。水面に落とした石の波紋は、ひとつ、ひとつは大きくありませんが、それがいくつも重なると大きな波をつくり、いかなる強敵も崩すことができるのです。大東大戦、高千穂大戦という2つの試合を通じて選手は、それを実感したことだと思います。

私が監督に就任してから、いくつかのチームと対戦してきましたが、印象に残っているチームが、いくつかあります。ひとつは、昨年の東京国際大学、人数は少ないながら、よく主将がチームを率先していました。宇都宮大学、決して強いというのではないが、チームがよくまとまっていました。昨年の武蔵大学、今年の創価大学、けっして特に大きなラインがいる訳ではないが、全員のアサインメントの遂行が徹底しているので、力強さを感じさせました。プリムローズもこのようなチームを見本として、着実に一歩一歩前に進んでいきたいと思います。

今年は、十分に悔し涙を流したはずです。「流した汗と悔し涙の量だけ強くなる。」その言葉を噛み締めて、来年こそは、今年以上に大いに汗をかいて、ブロック上位に食い込んでいきます。

末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 合掌。

2005年12月
2期 田村 靖典




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