監督・コーチの部屋


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2期 田村 靖典
ローマは1日にしてならず

「1勝に勝る心の糧はない」私は、常々そう思っている。負けから得る様々な反省より、1勝で得る自信、精神力は、はるかにそれに勝る。それがあるだけで、苦しい時、何くそという精神的な支えになるからだ。一昨年の高千穂戦、昨年の明治学院戦、千葉大戦で、得たような貴重な1勝はなかった。そういう意味で、今年は、リーグ戦を通じて、得るものは何もなかったのか?

今年は、2部昇格には不可欠な部員確保のため、新入生勧誘に注力し、その結果、例年にない2桁の新入部員を迎え、選手32名スタッフ10名という人員で、リーグ戦に臨んだ。しかし、意気込みとは裏腹に、主力選手の怪我から2年生以上の実働は12名前後(選手の2割が怪我で欠場、LBに到っては、5人のうち3名が欠場)と昨年より厳しい状況からのスタートであった。その中で、かろうじて2勝を上げ、昨年と同じ2位の成績を残すことができた。

最終戦の上智大戦には、土日には、2部練をするなど、4週間で万全の準備をして臨んだ。十分勝てる試合だった。しかし、その試合を引き分けてしまった。ファンブル、被インターセプト、反則でゲームの流れを作ることができなかった。これが、今のチームの実力なのだと思う。来年2部昇格を果たすためには、このような試合をすべて勝ち続けなくてはならない。

今年、2部に昇格し、2部優勝を果たした駒沢大学でさせ、同じブロックで4年間2位の成績で、力を蓄えてきた。また、千葉大も、3部で50名を越える人員体制を為してから、3部ブロックで優勝をするために4年間の歳月を要した。プリムローズは、今年、ようやく部員数で40名(選手数で30名)を越え、人員体制面から言えば、ようやく2部昇格するためのスタートラインに立ったに過ぎない。

上智戦のゲームセットのフォイッスルは、来年度へのキックオフのフォイッスルでもある。来年度は、7人の卒業生の穴を現役で埋め、それ以上のチームにしなくては、ならない。千葉大に0スコアで負けた時、上智大との試合を引き分けた時、多くの選手は悔しくて泣いた。両試合とも接戦だっただけに、2部昇格に向け、その道の険しく、厳しいことを全チームメンバーが実感し、そのための決意を新たにしたはずだ。夜明け前は、一番暗く、寒い。その暗く、寒い時を全身全霊で駆け抜けてこそ、待ちに待った朝がやってくる。

末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 合掌。

2007年11月
2期 田村 靖典




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