監督・コーチの部屋


Head Coarch

2期 田村 靖典
決積水於千仞之谿
知彼知己者、百戦不殆

皆に「風林火山」で有名な孫子(古代中国の有名な兵法書)からのふたつの言葉を紹介しよう。

「積水を千仞の谿に決する」

昨年のリーグ最終戦の上智大戦を思い出して欲しい。上智大戦に向けて、コーチが対策を練り、2部練も含め4週間の事前準備を行った。試合前に選手諸君には「この試合は、勢い」だと私は言った。まさに、この言葉の意味するところを言いたかった。「チャンスを逃さず勝つためには、着々と水を積み上げていくような事前の準備と、それを一気に爆発させる戦時の勢いが大事である」と。

アメリカンフットボールは、準備のスポーツである。事前の準備は、何もリーグ戦の公式試合の準備だけではない。秋のリーグ戦に向けての準備は、すでに始まっている。オフシーズンの筋トレ、プレー習得は言うまでもなく、4月からの新入生の勧誘は、なかでも最大のイベントである。今年こそは、シーズンイン時の部員数で50名をキープしたい。そのためには、今年も20名以上の部員確保は絶対条件である。

今年の所属ブロックは、際立った強豪校はいない。5年に1度のチャンスである。そのチャンスを生かすためにも、新入生勧誘を成功させ、新入部員とともに大きな夢と希望を抱いて2部に挑戦しよう!

「彼を知りて己を知れば、百戦殆うからず」

孫子は、勝つためには、相手と自分自身の長所、短所を把握した上で戦えと言う。 自分のウィークポイントを自覚し、それを日々の練習で克服するのは、言うまでもないが、チーム全体として、個々のウィークポントをカバーし合うことも重要なことだと思う。けっして、仲良し同好会になる必要はないが、向上のための日々の話し合いは絶対不可欠なことである。よく食べ、よく鍛え、よく考え、そしてよく話せ

ALLパーフェクトというチームは存在しない、どこかに弱点はある。そこを攻めれば、力が劣っているチームでも勝つことはできる。また、逆の見方をすれば、強いチームでも慢心や意思の通わない所があれば、相手にそこを衝かれ、負けることもある。キーとなるのは、情報である。それを、いかにスムーズに伝達し、生かすか。その土台となるのは、日ごろどれだけ、チーム全員が気持ちを通じ合わせているかだ。禅語に以心伝心という言葉があるが、勝つチームは、正にそのような状態でなければならない。

チーム一丸なって、常に挑戦者として、思いっきり最後まで戦えば、今年こそ2部への復帰は叶うはずだ。
そして、12月には、チーム全員で一緒に笑おう。

末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 合掌。

2008年3月
2期 田村 靖典




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