監督・コーチの部屋
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2期 田村 靖典 人一たび之を能くすれば、
己は之を百たびす
(ひとひとたびこれをよくすれば、
おのれはこれをひゃくたびす)入れ替え戦2週間前に、「明治学院・学習院戦」を学生とコーチで下見を兼ねて駒沢第2球技場に行った。恥ずかしながら、2部の試合を間近に見るのは初めてだった。2部の最下位争いと言えども、3部のレベルとは、大きな違いを感じた。すべての動きがリズミカルで、選手全員が自分の役割を無駄なく遂行しているように感じた。「これが、2部のレベルか。たとえ、今年2部に昇格しても。ここまで変わらなければ、プリムローズは残留できないのか」と正直思った。
昨年は、2部昇格には不可欠な部員確保のため、新入生勧誘に注力し、その結果、2年連続して2桁の新入部員を迎え、選手35名スタッフ11名という人員で、リーグ戦に臨んだ。東京農工大との決勝戦、第4Qで10点のビハインドを逆転し、2部挑戦への切符を手にした。リーグ最終戦であった首都大戦は、入れ替え戦に注力、来年度の試金石という2つの意味で、主力の4年生を欠いたメンバーで組んだが、結果は惨憺たるものだった。13対42、主力選手を欠いたと言えども、お世辞にもよく戦ったとは言えない結果だった。これは何を物語っているかと言えば、数人のスター選手がいなければ、プリムローズは、3部ブロックの最下位を争う、選手層の薄いチームでしかないと言うことだ。
今年の一番の目標は、選手層の厚いチームになることである。言い換えれば、部員一人一人が、勝利に貢献できる人間になることである。部員一人一人が、チームに無くてはならない存在になることである。「人一たび之を能くすれば、己は之を百たびす。」今年、最初のミーティングでの言葉は、そんな趣旨で述べたものだ。「人が一度やって出来るのなら、自分は、百倍やってでもそれを成し遂げる。」という意味である。君たちは、天才ではない。自分の型ができるまで、何回も何回も試行錯誤し、大いに悩んで良いのだ。いい加減な練習は何時間やろうとも成長しない。時間は短くても、全神経を集中し、Plan Do Checkを徹底すれば、必ず成長する。君たちには、今より一皮も二皮も剥けて、大きくなって欲しい。
入れ替え戦のゲームセットのフォイッスルは、来年度へのキックオフのフォイッスルでもある。来年度は、11人の卒業生の穴を現役で埋め、それ以上のチームを目指していかなければならない。おそらく、今年は、ここ数年で最も厳しい年になるだろう。それを自覚した上で、全員が大きく成長して、苦しみを秋には喜びにかえられるチームになろう。
末筆ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 合掌。
2009年3月
2期 田村 靖典
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