ゲーム解説

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
PRIMROSE 7 3 0 7 17
電気通信大学 0 17 0 16 33

拙攻続き連敗

第5節の対戦相手は電気通信大学。同大オフェンスのベースはショットガンフォーメーション。左右へのオプションと小刻みなショートパスでテンポの良いオフェンスを展開する。そして、ディフェンスは8メンBOX。中央に大型のラインマンを擁し、その周りを機動力のあるLB陣が包囲する。ランストップに重きを置いた守備体型を敷いてきた。


前半戦


1Q最初の攻撃は電通大。電通大陣内22ヤードからの攻撃であったが、1stダウンはフラットゾーンへのショートパス。これに対し、PRIMROSE(プリムローズ)ディフェンスはOLB吉村(#75・4年生)とCB増井(#22・3年生)が的確にゾーン取りして投げる場所を与えずインコンプリート(パス失敗)。続く2ndダウンのオプションもOLB勝山(#8・4年生)の差したクサビで電通大RBにカットを切らせると、そこにDE裄V(#68・4年生)が追いついてタックル。1ヤードのゲインに抑える。そして最終3rdダウンのアクロス系のパスも、電通大WRに捕球こそ許すも、OLB勝山(#8)が即タックルをして4ヤードのゲインに抑え、3&アウト。幸先良くオフェンスへとバトンタッチする。

しかし、返しのPRIMROSEオフェンスも電通大ディフェンスにきっちりと止められて3&アウト返しを喰らい、1Q序盤は膠着する。

そんな中、1Q中盤にPRIMROSEディフェンスに見せ場。電通大陣内16ヤードからの電通大オフェンスの攻撃であったが、1stダウンの電通大QBのキーププレーは、PRIMROSEディフェンスのLB陣が電通大オフェンスにブロックされ、一瞬スピードに乗られそうにはなったが、SF増井(#22)が何とか前方に蓋をしてタックル。5ヤードのゲインで止める。続く2ndダウンのフェード系のパスも、CB池田(#3・1年生)とSF増井(#22)がゾーン守備から電通大WRを挟み込んでカバーし、インコンプリート。そして迎えた3rdダウン。フラットゾーンへのフック系のショートパスであったが、OLB勝山(#8)が的確なゾーン取りから電通大QBの投じたボールをインターセプトに仕留めると、そのまま電通大エンドゾーンまで30ヤードを走り切ってリターンTD決める。オフェンスがダメならディフェンスで、という形で欲しかった先制点をゲットする(キック成功で7対0)。

しかし、2Qに入ると電通大オフェンスの反撃が開始される。PRIMROSE陣内43ヤードからの攻撃であったが、フラットゾーンに3ヤード⇒LB裏のミドルゾーンに15ヤードと、電通大オフェンスはパスに活路を見出し、リズムをつかみ始めた。最終的にPRIMROSE陣内18ヤードまで到達された所で2ndダウン3ヤードとなり、ここから電通大オフェンスはフェード系の縦パスを選択。このパスを見事にヒットされTD。同点に追い付かれてしまう(キック成功で7対7)。

波に乗った電通大オフェンスは攻撃の手を緩めない。PRIMROSEディフェンスは2Q中盤に9プレー、63ヤードのTDドライブを決められて逆転を許すと、終盤にもFGによる3点を上乗せされる。一方のPRIMROSEオフェンスは前半終了間際にFGによる3点を返して反撃するも、前半戦は10対17とリードを許した展開で終了となる。


後半戦


3Qも序盤は一進一退。そんな中で最初にチャンスをつかんだのはPRIMROSE。P(パンター)裄V(#68)の好パントもあり、電通大オフェンスを電通大陣内4ヤードと深い所からの攻撃開始に追い込むと、ここからPRIMROSEディフェンスが電通大オフェンスの攻撃を1回のFDの更新のみで抑える粘りの守備。更に電通大のパント時にOLB勝山(#8)がパンターにプレッシャーを与えてミスキックを誘い、返しのPRIMROSEオフェンスは電通大陣内44ヤードからと、絶好の得点機を獲得する。

ここからのPRIMROSEオフェンスの攻撃。先ずはTB竹澤(#25)⇒FB勝山(#8)⇒TB竹澤(#25)と、ランプレーで交互にボールを持たせ、それぞれ3ヤード⇒3ヤード⇒4ヤードのゲイン。幸先良くFDを獲得すると、ここからWR高橋(#29・1年生)に11ヤード⇒WR増井(#22)に4ヤードと、続け様にパスを成功させ、敵陣13ヤードまで前進。更にTB竹澤(#25)のパワープレーが11ヤードのゲインを奪い、電通大ゴール前2ヤードまで迫ると、最後もTB竹澤(#25)が左パワープレーからエンドゾーンに体をねじ込んでTD。この時点で第4Qに突入しており、PRIMROSEは何とか同点へとこぎ着ける(キック成功で17対17)。

そしてここから色々なドラマが絡みながらも両者が我慢くらべモードに突入。4Q序盤は両オフェンスに1回ずつファンブルが発生。お互いに相手ディフェンスにリカバーされ、チャンスをつぶし合う展開。中盤にはPRIMROSEオフェンスがQB本間(#7・2年生)のオプションキープを軸にハーフウェイを超え、最終的にパントへと追い込まれるも、そのパントを電通大陣内17ヤードまで蹴り込んで陣地を大きく挽回するも、その返しの電通大のパントも64ヤードの好パントとなり、再びPRIMROSE陣内16ヤードへと押し戻され、ここでも均衡が破れない。両者死力を尽くした攻防戦は終盤までもつれ、遂に残り時間は2分を切った。そして、両者パントの蹴り合いが続いていたが幕切れは正にそのパントで発生した。PRIMROSEオフェンスは自陣21ヤードでパントへと追い込まれ、正にそのパントを蹴らんとす…という瞬間であった。スナッパーから投じられたパントスナップ(のボール)がパンターの頭上を越えてオーバーとなり、後方に転がったボールがそのままエンドゾーンを超えてセーフティーとなった。正に一瞬の出来事で均衡が破れ、遂に電通大にリードを奪われてしまう(セーフティーで電通大に2点追加。17対19)。

セーフティーの後なので、この後は当然PRIMROSE側がキックオフを蹴ることになるが、自陣深く(20ヤード)からのキックではあったが、自軍がリカバーすることを目指し、PRIMROSEのカバーチームはショート気味のスクイブキックを敢行。しかし、ボールはフィールド内でバウンドした後にあえなくアウトオブバウンズとなり、再び攻撃権は電通大へと移動。残り時間は1分少々。PRIMROSEディフェンスは攻撃権を奪うべくブリッツを仕掛けて奇襲を仕掛けるもハマらず、最終的に電通大RBにこれを交わされて53ヤードの独走TDを献上。残り時間を考えるとかなり厳しい点差となってしまった(キック成功で17対26)。この後、緊張の糸が切れてしまったPRIMROSEは、ここから僅かな残り時間でもう1TDを上乗せされ、終わってみれば17対33。完敗という形で試合は終了となった。


総括


前節に続き厳しい敗戦となった。少人数で取り組み、攻守両面出場もあり、個々に役割も沢山あり、単純にしんどいのだろう。しかし、勝利を目指して戦うと皆で決めたからには、環境がどうであろうと、相手が誰であろうと、言い訳はできないし、それに見合った練習をしなければならないというのが正論だろう。ファンブルやスナップのミス。アサイメントのミスもあった。ミスが多く出ているうちは勝利が遠のく確率も自ずと高くなるだろう。しかし、反復練習をしっかりすれば、これらのミスを減らすことは可能なはずだ。残り二試合。目標を再確認し、チーム力を高めるため、しっかりと反復練習に取り組んで欲しい。

(文:17期 丹野)

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