過去の試合の映像を観ると、各シーズンごとの特色が窺えます。あるシーズンは、エースRBが独走をして点を量産し、また、あるシーズンは、QBがレシーバーに的確にパスを投げ分け、点を取っていました。そして今シーズンは、ことオフェンスに関してだけ言うと、OLがチームをリードしなければならない年だったと思います。
新チームが始まり、OLの最上級生として、まず私が注力したのは情報の共有でした。これは、一部の人間だけが情報を与えられた場合、それ以外の人間が試合に出られるレベルに辿り着くことが不可能になり、一人が怪我等で退場することがそのまま負けに繋がるからです。そんな芯の弱いチームが「2部昇格」という目標を掲げるのは間違いだと思っていました。困難が多いと予想されましたが、自分が2年間怪我をしている間に育ってくれた後輩に助けられながら、一歩一歩着実に理想に近づけている。その時はそう思えました。
そのような精神的基盤を持って迎えた夏、怪我で練習を離脱するプレイヤーが数名現れ、OLも例外ではありませんでした。誰かが怪我をしても力が保たれるチームを目指してきましたが、その理想は脆くも崩れ去りました。アサインメントの理解を共有しきれず、チームを引っ張る形を目指してきたOLが、チームの足を引っ張っているのではないかとさえ思える状態になってしまいました。今だから言えることですが、チームの目標である「2部昇格」が、とても遠い存在に見えました。ただ、フットボーラーである以上、勝ちを諦めたくなかったし、最上級生である以上、冷静に現状を見極めて、勝てるチームをつくらなければならないと思いました。シーズンが迫る中、時間の限られた状況でチームの弱点を修復する方法を懸命に模索し続けました。
そうして地に足が着かないままシーズンに突入し、あっという間に終わりました。チームの最終成績は、入れ替え戦には出場できたものの4Qで逆転負け。確固たる基盤を築けなかったチームの最期でした。
なぜ、こうして長々と起こった事象を書いているかというと、後輩にはこの1年を1つのサンプルとし、これを上回る取り組みをしてほしいからです。当たり前のことを言うようですが、2部以上で戦い続けるにはチームの進化が必要です。チームを進化させるには去年を上回り続ける必要があります。案外難しいです。それでも各々が高い意志を持ち、上のレベルのチームをつくってほしいです。頑張ってください。
最後になりましたが、選手に目線を合わせた質の高い御指導をしてくださった監督、コーチ陣の皆様、僕達の為に時間をつくって応援に来てくださったOB、OGの皆様、わざわざ遠方から御越しいただき、その上、熱い声援やおいしい差し入れをくださった保護者の皆様、引退まで部活を続けさせてくれた両親、4年間本当にお世話になりました。本当にありがとうございました。